24.上の人は下が見えにくい?
●人はいろいろ
お店の店長の中にはいろいろの人がいる。
あの店長の下で働きたいという店長もいれば、人事異動で他店へ異動になって思わずその店の従業員が拍手喝采という人もいる。
後者の場合、そんな話を聞いて「なぜそんな人が店長になったのか」と不思議に思うが、私の知っているケースでは、その人は会社のある幹部層に支持されて店長になった人だ。
その店長は、上の指示を守り、期待に応えて業績を上げようと必死になって部下の尻をたたく。
そのたたき方が尋常でない。 ○○キャンペーンといえば、部下に購入させてでも予算を達成する。 それだけでなく、自分も予算達成のために自店で商品を多額にわたり購入する。 いい意味では「率先垂範」型だ。
そうして業績の結果を出すものだから、幹部層は「よくがんばっている」ということになり、その店長を持ち上げる。 その店長はまた幹部層にお中元お歳暮や、はたまた幹部層の誕生日にまでちゃんと付け届けをすることも怠らないと聞いた。
どこの企業でもいるタイプである。
業績達成意欲は買えるが、お客さんの方を見て、また部下の方を見て仕事をしてはいないタイプの人である。 こういう人を評価する方もおかしいのだが・・・。
●上の人間は下が見えにくいもの
管理者というものは、下の人を幹部に登用しようという場合、周りの人がその人をどう見ているかを冷静に情報収集、評価するよう心がけねばならない。 部下の評価を上司評価の一部に取り入れようという考えもそこからくる。
管理者は、組織の上に上がればあがるほど、部下のことは見えなくなりがちだということを肝に命じなければいけない。
管理職、幹部への登用は、特にラインの長の場合は人柄も重要だ。 従業員全体が気持ちよく働いてもらうための欠かせないポイントでもある。
ポイント: 管理職がどういう人を持ち上げるかは、管理職の器も問われる。