17.キャッシングご利用客のこと

●偏見!!!
私のいた会社はハウスカードを有し、クレジット事業も行っている。
このシステムを導入し、何年かこの仕事を担当した経験もあるので、キャッシング利用の顧客は「お金にお困りのお客様」という感覚があった。

しかし、あるとき自社カードのキャッシングご利用顧客は売場でのお買い上げ額ランキングとどういう関係があるかを調べてみて驚いた。
6ヶ月以内にキャッシング利用経験がある(または現在もある)お客様が商品購入額デシル分析のどこにどれくらいいるのかを調べたのである。

具体的な数字は差し控えるが、なんとお買上最上位の第1デシルに最も多くのキャッシングご利用暦のあるお客様がおられるではないか。 そして下位のデシルにいくほどキャッシング利用客比率も低くなるという結果が出たのである。(もちろん、第1デシル顧客といえどもキャッシング利用顧客の絶対数は少数であるが)

●顧客をもっとよく知ろう
私は、”キャッシングご利用客=お金に困っている顧客=商品購入は多くない”と想定していた。
しかしこういう想定は、差別観にも満ちた失礼かつ勝手な偏見で、お客様の実態を分析もせず、いいかげんなことを考えていたという大きな反省をしたものである。

商品購入顧客のデシル分析をすることはデータさへあれば簡単に出来る。
しかし商品購入上位のお客様がどういう属性を持っているか、なぜ上位顧客になってもらっているかは一様ではなく、いかにお客様を「知る」ことの重要性をそのとき痛感したものである。



ポイント: 顧客をよく知るにはもっともっと分析を!