14.旅行の苦情応対経験談より
●根気よく「聴く」
ある旅行担当者からこんな苦情のお客様の話を聞いた。
もちろんこんなお客様は少数である。
- 当社へ旅行を申し込んでいただいて旅に出られたお客様が、後日旅先のホテルのことで猛烈に苦情を当社へ言ってこられた。
- お客様の言い分にもそれなりの理由があるが、当社への申し出内容が限度を超えた要求であったのでやや当惑しながら先方の言い分を電話で1時間半にわたって聞いたという。
そして最後に、「電話だけではなんですので、お客様のお宅へお伺いさせていただきたいのですが」というと、
「もういいよ、あなたのようにこれだけ私の言い分をきっちりと誠実に聞いてくれた人は初めてだ」
といって矛を収められたという。- そればかりかその後もそのお客様はその担当者のお客様であり続けていただけたといい、それが「非常にうれしいお客様の思い出のひとつだ」と笑みをたたえて語ってくれたのである。
ただこの話の本質には次の大事なことが隠されていると思った。
この呼吸をこの担当者は無意識のうちにうまくやってのけて、苦情のお客様を最後は「得意顧客」にしてしまったのだと思う。
- お客様の苦情の言い分は、まず誠実にお聞きすること。
- すぐに反論するなどは基本的に差し控えなくてはならない。
- 苦情申し出が長引きそうだと思ったら腹をくくってとことん付き合う気持ちが必要であること。
- 相手の言い分が山を越えたと思ったら、そこで初めてこちらの考えを誠意を持って控えめに伸べさせていただくこと。(ここから先は相手のお客様の反応如何である)
ポイント: 苦情客を良い顧客にする接客