第42章 20型ウィッシュ(Wish(オートクルーズ取付、スピードメータ校正)DIY

TOYOTA ウィシュ 

筆者は自家用車選びに一つだけこだわりというか譲れない条件がある。それはコンパネ(ベニア)の平積が出来ることだ。妙なこだわりと思うかもしれないが、コンパネは畳1畳の広さ。この寸法があれば、家具類や建具はほとんど載る。逆に荷室がこの寸法をわずかに下回るだけで、積めないものが急増。また急な車中泊(仮眠)などで、手足を伸ばして寝られるのがこの寸法。だから車種選びはまず”コンパネ(ベニア)が平積できること”これが絶対条件。ところがこの基準で探すと、該当する車種は多くない。というか最近特に激減しているのではないか。セダンはもちろん全滅。ステーションワゴンは?今あるのはごく限られた車種だけで。豪華、デカ、高価。ミニバンはどうだろうか。

前回車選びのときも、この荷室広さ確保のため、3ナンバーのミニバン(イプサム)になった。この車に不満はなかったが。13年目から税金が不当に上げられると聞き急遽買い換えることにしたのだ、このイプサム、ミニバンだから当然3列目席があるのだが、使われたのは10年でたった1回。一方荷物(大物)を積む機会は数えられない位多く、3列目席よりコンパネが積めることのほうが重要ということが実証されたのだ。しかしミニバンでも現在この基準が満たされる車種は意外に多くない。デカければいいかというと決してそんなことはない。でかい車はシートもデカくブ厚いからコンパクトに折りたためない、だから意外と荷室は広くない。なんと国産最大級のアルファード、ベルファイヤ、エルグランド全て落第。(長さが足りない)さらにエスティマやノア、人気のセレナもダメ。その上調べようにもデーラーのカタログには荷室寸法そのものが書かれておらず、販売スタフさえ分からない。背もたれを後方に倒せば積める。というが、荷物を大切なシートに乗せるのなどまっぴら。荷室は丈夫でマッ平でなければ遠慮なく大物は積めない。結局現車(試乗車)で確かめるしか無い。しかしこんな田舎に試乗車なんかあるのだろうか。---だがナント3軒目にあった。それがウィッシュ、荷室寸法確認=OK。価格もそこそ。なくならないうちに、速攻買い換え。


ということでウィッシュが我が家にやってきた。新車に乗り換えたときには、いつもながら年月による車の進歩には驚かされるものだが、5ナンバー1800にしては、優秀だ。1)振動騒音がすくない。(4気筒のくせに)2)滑らかな加速、乗り心地がよい。(エンジン振動が少ないのはイプサム(2400cc)以上かもしれない3)パワーも思ったよりある。  室内が狭いのとイスや内装が安っぽいのは車格の違いだからか。その他はほぼ同等かそれ以上。しかし試乗のときから気になってはいたが。

アクセルレスポンス

アクセルレスポンスが悪い。というか出だしがトロい、アクセルをわずかに踏んだくらいではエンジン回転は上がってもさっぱり加速しない。トルコンが滑っているような感覚だ。イプサムは、アクセルを踏み始めると同時に加速感があった。 ところがこのウィッシュときたら、ともかくレスポンスが悪い。なぜそうなったのか?、CVTだからか、エコ最優先で設計されているからか、やはり政治、役人(エコ減税)のせいだろう。これが車の最大の楽しみ、アクセルレスポンス(加速)を奪ってしまった。

スピードメーターが甘い。狂いが大きい。(メーター値より実際の車速が遅い)
さらに驚いたことがもう1つ。メーター読みより実車速がかなり遅いように感じられてならないのだ。車速は静かで振動が少ないと遅く感じられるといわれているのでそうと思っていたが、どうしても違和感がある。そこで手持ちレーダー探知機のGPS式速度計と比較。結果40~60km/hで平均して-10パーセント以上もの誤差(メーター読み;50km/hのとき、GPSの速度計読み;44km/h)があることが分かった。念のため昔の車(ビッツ)の車載メーター(デジタル)で確かめるとGPS速度計との誤差はわずか0~1km/h。なんと昔の車のほうがはるかに正確で信用できる。どころか、勘でさえ新車のメーターよりよっぽど正確だ!!。調べると2007に法改悪をやっている(注1)?規制のないGPSの車速表示が正確なわけだ。

昔の計器(アナログ)はワイヤー駆動、ひげゼンマイ、電磁方式だから、精度を保つのが難しく、バラつきも大、やむを得ず許容誤差をかなり大きく(+-10パーセント)認めていた。が現在のそれは、車速パルス入力、デジタル演算、ステップモーター駆動、またはデジタル表示だから、元来狂いようがない。誤差;+-1パーセント以内はお茶の子さいさい。狂うのはタイヤ径によるものだけだから許容誤差は+-3パーセントもあれば充分なはずだ。それを合格ラインを無理やり+0パーセントマイナス23パーセント(40km/h)としたものだから、メーカーは、その略平均、-9パーセント、+-1パーセント、としたのだ。しかーし、こんな誤差の大きい計器(?)は車載スピードメーター以外にまずない。

速度取り締まりの際、速度オーバーをドライバーに認めさせるのが楽だからというのがやつらの本音らしいが、ねじ曲がった規則で人をごまかせるとでも思っているのだろうか?。特にベテランドライバーにとって迷惑な話だ。目測と実速度が合わないから頭が混乱、パニくってしまう。さらに不愉快なのは制限速度を守って走っているのに、メーター(当局)から、さも法律違反だぁぁぁ”と言われているようで甚だ不愉快。このプレッシャーが、事故を誘発しないとだれが断言できるのだ。ばかたれ。そういえばかねてより最近の車のスピードメーターは

デジタルスピードメーターが廃れ、アナログメーター全盛

になっている。のがなぜか理解できなかったが、最大の理由がこの規制に関連しているようだ、デジタル方式では表示した数字の最下位桁は信用できなくても、その上の桁くらいは信用できるという暗黙の了解がある、ところがこの法規制によって不本意にも、最下位桁どころか最上位桁の一桁さえ正しく表示できないことになった(たとえばメータ読み45km/hは実速36km/hくらいだから、本来3*kmと表示すべきところを、4*kmと表示しなければならない)これでは、いくらなんでもデジタルはおこがましい。

オートクルーズコントローラーの取付(DIYで実施)

面白い商品がある。”オートクルーズコントロール”(クルコン)。自動で一定速度で走れるというもの。これまで、こんなもん、金持ちの道楽程度で。実用的な価値なし。と小馬鹿にしていた。しかしよくよく考えてみたら、最近2~3車線の見通しの良い広い道路で制限30キロや40キロでちんたら走らねばならないが区間があり、こんなところほど鼠取りが横行している。なんの不安も無いヒローイ道路をこんな低速をジッとキープして走り続けるのは結構苦痛なものだ。このシチュエーションに応用できるとすれば、助かるのでは?で、試してみたくなった。調べると、後付けもあり、意外に安く、評判もわるくない。で購入(クルコン;PIVOT 3-driveAC、)(¥20000アクセルハーネス込み)に踏み切った。設置はDIYで、と経験談を探すが、なかなか見つからない。デーラーに取り付けてもらえ、といった発言は多いが無用なゴミ。有用なのは、実体験談だけ、わかったことは、既設配線からの取り出しが一番の難関らしい、しかし車種に応じたハーネスもあり、(当方のウィッシュでは”2A”)、またブレーキとの結線も必要だが、どうしたことか対応ハーネスが現行のウィッシュには用意されていない。配線を探して結線しなければならない。また車速パルスも取り出さねばならない(ナビ裏らしい)。これらが難関と予想される。

そして悪戦苦闘。といっても実際はナビの取り付けボルトの取り外しに、てこずっただけ、純正ナビは盗難防止対策として特殊専用ボルトが使われている。汎用工具は合わない。ペンチもすべって外れない。専用工具はオーナーにさえ渡さない。この手の対策はプロの窃盗団に掛かったら全く無力なのに、DIY泣かせなだけだ。しかし当方もDIYの意地がある。なんとかしてみせよう。~硬くてすべるのは、ダイヤモンドやすりでナットの頭の角にちょっとキズを付ければ滑らない、そこをタガネとハンマー。このやろう。ガン。みろ。簡単、緩んだ。あとはさして苦労も無く配線と設置が終了した。ブレーキ信号はブレーキランプ線から直接)リバース(バック)信号は。必要ないから接続せず。

オートクルーズコントロールを実際に使ってみて、

これはいい。めちゃ楽。しかも楽なだけでなく、実際疲れない。そのわけは、一定速度をキープする操作は最も長時間行っている運転基本操作だが、スピードオーバーしないようにするには非常に疲れる(速度計と景色を見比べながら、アクセルを絶えず操作しなければならない)これが無くなるのだから疲れないわけだ。フィーリングは一言で言うと、緩い坂道を滑り降りているような感じ、どこまでも速度が落ちない。もちろんスピードオーバーになることもない(急下り坂はダメ)。これなら街乗りでも充分使える。

オートクルーズの使い勝手と安全性

使い方は、発進し、加速、目標スピードになったら、オートクルーズONとし、足をアクセルから離す。前車との車間に変化がなければそのまま走る。前車との車間が詰まるようなら、オートクルーズを一時OFFとする。エンジンブレーキで自然に減速するから、前車と同速になったところで、再度オートクルーズONとして、走り続ける。逆に前車との車間が開いてくるようなら、オートクルーズを一時 オフとしてからアクセルを踏んで再加速、前車と同速になった時点でオートクルーズONとして、走り続ければいい。言葉で説明すると面倒なようだが、実際にやってみるとごく簡単。どの速度でもオートクルーズオンにすればその速度をキープし続けてくれ、設定速度をダイヤルやボタンなどでいちいち設定する必要も無く、直感的でとても好感が持てる。
スピードオーバーがない、 ブレーキを踏めば瞬時にオートが解除され、同時にエンジンブレーキがかかるし、通常ブレーキもかかる。  設定速度が30km/hからOKと純正に比べ低速から使えるのもありがたい。これならチンタラネズミ捕りにも余裕だ。実際街乗りに使ってみると、快適なドライブとするには、走行中かなりの頻度で、オートクルーズONOFFの操作を繰り返さなければとならないことが判った。ところがこの装置、オートクルーズONOFFかがめっぽう分かりにくいのだ。

1)オートクルーズをONにするのもOFFにするのも同じボタンを押す操作、2)しかもONにするのに押すだけではダメで、すぐ離さなければならない。押し続けていると再度オフになる。 3)オンになったかどうかは瞬時にはわからないので本体デスプレーに視線を移しオートクルズがONOFFかを文字で確認しなければならない。(オートクルズONなら表示は”Acc”。オートクルズOFFEc-1,Ec-2,Sp-1,Sp-2,R-15,R-20,のいずれか、ARは同じ文字だから慣れないと判断に迷う。)オートクルーズの解除はブレーキを踏むのが早く確実だが、やや急減速されるので違和感がありブレーキランプが点灯するので後続車の迷惑になる、で、もっと操作性の優れた方法がないだろうか?

手元にボタンを設置できるか

最もよい方式はステアリングホイル(ハンドル)にボタンを付けることだろう。ハンドルにはほぼ常時手を置いているから、手探りでも確実にボタンが押せる。しかし。だ。ハンドルはグルグル5回も回る。普通に配線したのならたちまち何かに絡まって断線したり、悪くすればハンドルが回らなくなり、重大事故にならぬともかぎらない。だからハンドルにスイッチが簡単にはつけられないのだ。できるようにするのにはスパイラルケーブル(ゼンマイ状に巻いたフラットケーブル)が必要だ。オプションで10スピーカーシステムを選べばステアリングスイッチが付く。当然対応するスパイラルケーブルも付いているだろうから転用するという手があった、しかし当方つけていない。だからステアリングスイッチもついていない。当然スパイラルケーブル対応していないハズ。スパイラルケーブルの対応部品を取り寄せるかとも考えたが、それだけで2~3万円、純正ステアリングスイッチも1~万円。買えないこともないが、これしきのものが高級自転車が買える値段とは、うーん。

アクセルペダルでオートクルーズをON OFF
手がだめなら足。アクセルから足を離せば即オートクルズON、踏めばOFFとでもするのはどうだろう。(ブレーキを踏めばOFFになるようになっている)これならいつでも安全にON OFFが出来、運転に支障はないはずだ。

ところが上記したように、押しボタンは押すとオートクルーズON、押したままだと約1秒で自動的にOFFに戻ってしまい、ONを保持できない。つまりアクセルペダルから足を離したときにONになる接点を追加しただけではうまくいかないのだ。さてどうしたものか。考えていても始まらない。とにかくブラケットを作りマイクロスイッチをアクセルペダルの根元付近に取り付けて実験した。結果、アクセルを完全に離したとき”接点開”、少し踏んだとき”接点閉”となるような回路を作るとOKであることが判った。操作は足の踏み方で行う;オートクルーズをONとするには、一度アクセルから完全に足を離したのち、もう一度小さく踏み、すぐ離す操作を行う。これでオートクルズに入る。急加減速もないむしろ不用意にオートクルーズがONにならないので安全だ。OFFにするにはアクセルかブレーキを踏むだけ、誤操作も殆ど無く、簡単、安い(リミットスイッチ¥500くらい)、確実、安全。使い勝手も悪くない。これはかなり実用的。

車速合わせの問題

これで充分だと思っていたが、高速を走って不満に感じる点があった。それは前走車が自車よりわずか速い場合で、少し加速したいケースだ。アクセルを少し踏んでほぼ同速になったと、(オートクルーズをONにするため)アクセルから足をはなすと、おもったよりエンジンブレーキが強くかかり、どうしても余分に減速する。といって余分に速くすると追いつきそうになる。なかなか車速が合わず、なんどか繰り返さすはめに。 一般道では、エンジンブレーキの効きも僅かだから、さほど車速の変化がなく問題なかった。やはりステアリングスイッチが本命か。

純正ステアリングスイッチでオートクルーズのON OFF 問題解決。

その後ステアリング回りをバラして調査したところ、スパイラルケーブルが対応品(多線)らしく。ステアリングスイッチだけを購入(¥11K)取り付ける(ポンづけ)だけでオーデイオのステアリングスイッチリモコンは機能する可能性が高いことが分かった。しかも使われていない右スイッチもあり、オートクルーズのON、OFFに転用できそうなことがわかった。後日トライしてみたい。(当方車種;1.8G)

そしてダメモト人柱覚悟ステアリングスイッチを購入(10k円)取付。予想したとおりポン付けだけで、オーディオのリモコン機能が全て生きた。ありがたいことにスパイラルケーブルが対応品だったのだ。右の4個のスイッチは全て遊んでいるので右-上のボタン(このボタンはハンドルを握ったとき常時親指がある位置で、最も操作しやすい)をクルコンON OFFに転用することとした。スパイラルケーブルの前後の遊休配線の導通をテスターで入念にチェック。配線切断、半田接続、ギボシ取付等加工。結果;大成功。高速での車速合わせの問題もなくなった。純正部品なので見てくれもよい。(後、このスイッチの上に4mm程度のゴム板をはって高くし手の平でも楽に押すことが出来るようにした。)これで完璧大満足




スピードメーターの校正をする(DIYで)。  やりかたなど

先に述べたように現状スピードメータには10パーセント以上もの誤差がある。こうみえても当方機械工学のプロ。こんな狂ったメーターは、いくら認めてやるから納得しろといわれても体質的に受け付けられない。デーラーに頼んでも、”規則どおりです、正常です”、で取り合おうとしない。”なにが正常だ”。ならば、治すのはDIYしかない。せめて1~2%位の誤差にしたい、と禁断の校正?(これに挑戦したというネット情報は無い)に挑戦することにした。

 元に戻すことができないやりかた、車検などに支障がある方法はダメ。情報は極端に少ないからともかくばらして構造を調べるしかない。メーターアセンブリを車体から取り外し、分解。ところが目盛板を外そうと、指針をはずす段になって、困った。はずれない。はずし方がわからないので、これ以上の分解はあきらめ、ビニテを三角に切り、目盛り板40、50、60、に+5km/hあたりに貼り付けてお茶を濁すことにした、目安があればいいサ。と試乗に出かけ、ふとメーターを見るとGPSで60km/hなのに、メーターは160km/hあたりを指している、エー!!一瞬頭真っ白。しかしこれで校正が可能だと確信した。-----。

結局後日指針はずしに再チャレンジ、成功、ついにメーターアセンブリを完全にバラスことができた。指針は単に軸に押し込んでいるだけだが、はめあいはやたら硬く、抜けにくい。材質はプラスティックだから破損覚悟の蛮勇がないと。コツは薄い鉄板などで目盛板を養生してクリップ外しなどを間にこじ入れ、少しずつこじりながら、はずすこと。まねする場合は当然自己責任で。そしてついにスピードメーターの校正に

成   功

した。分かったこと;スピードメーター、タコメーター、燃料計、すべて、ステッピングモーター方式だ。指針はステッピングモータの軸に直接取り付けられている、ステッピングモータ自身はエンドレスに回転するから、どこが0位置かわからない。ゆえに0位置に機械的なストッパを設け、毎回電源オンでこの0点をたたき、リセットをかけ、速度分だけプラス方向へ動かす原理だ。このストッパは針と同軸に設けられ表からみえないが、針を手で回すと重くなるところがストッパーの位置だ、さらに強い力で回せばこのストッパーは引きずられて動くようになっている。校正方法は簡単、0点のオフセット。つまりあらかじめ誤差の分だけストッパをマイナス方向へ移動させておく方法だ。早速ストッパを-5km/hくらいにセット。その結果;30~60km/hで(GPSとの)差がBefore;-6~-7Km/h、After;-1~-2km/hまで減少させることに成功した。(当然0km/hは-5km/hを指す)、このやりかたでひとまず実用域での不具合はなくなった。

結果的に、この方法では針外しが必要なかったが、いざというときに備えて、針外しはぜひマスターしておきたい技術だ。

60km/hが160km/hの件
原因は前回針はずしを試みたとき、針をいじったひょうしに根元にある目盛板の浮き上がり防止用ワッシャ?がはずれ、目盛板と針の間にはさまり、たまたま80kmあたりにひっかかって重くなり、計器がそこを0点と勘違いしたため--と推測される。(針をはずさなければこのワッシャは元に戻せない


注1)
2007年1月1日以降に製造された車両
10(V₁-6)/11≦V₂≦V₁
、ただし
V₁は自動車に備える速度計の指示速度、V₂は速度計試験機を用いて計測した速度

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