号機製作記 〜指板の加工・塗装下地〜

続いて塗装下地として目止めを行います。
前回からしている方法ですが・・・エポギシ接着剤を全体に塗り込んでいます。
15分硬化タイプの物を使用しています。
細かな導管にもきっちり充填されるように写真のようなヘラを使って擦り込むように塗り拡げます。
この施工の問題点・・・それは!
研磨するのが本当に大変です!
本当に!です。
ですのでこの製作記をみて製作される方、それなりに覚悟して下さい(笑
側板両サイドを180番のペーパーで研磨したのですが、約3時間掛りました。
裏板だけでも2時間、それなりにパワーを消耗します。
ペーパーを12等分にカットしてやや硬めのゴムを当て木にして磨きました。
ペーパーは6枚ほどでしょうか?ですのでトータル72カット分を使った訳ですね。
その分効果はありました。
良い目止め具合です(笑

水性フィラー材を使ったことがありませんのでこの方法が正解かどうかはわかりませんが、
聞いたところフィラーでは導管の中でなかなかフィラー材が硬化しないとの事でしたので不採用。
15分硬化とは言いましたが、一応完全硬化を期待して2日間このまま乾燥放置しました。
ムラムラではありますが塗装したような色合いになりますので完成時のイメージができます。

この目止め作業ですが、時間や根気がいるにしても手間をかけてでもきっちりと処理しておくべきです。
『塗装でなんとかなるやろ〜』・・・なんともなりません。
私も綺麗に仕上げ切れた事がないので前回よりも今回、さらに手をかけて仕上げるように心がけています。

一通りの装飾も終わり、指板天バにアール加工を施しました。
あとは実際にギターに貼りつけた際に再度擦り合わせします。
まあまあ良い感じに仕上がりました。

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続きまして指板の加工へと進めます。
指板材がご覧の通り、買ったもの、頂いたものが結構ストックできています。
真黒の綺麗なものはあまりありませんが、今となっては貴重な黒檀、大事に使いたいものです。
ともかく今回使用する材をあれでもないこれでもないと悩みながら決めました。

はい、指板を本体に接着しています。
私は指板とネックにズレ止めのピンなどは打っておりません。
ズレを補正しながら気長に固定しています。
へたくそ初心者がスケートリンクに降り立ったときのようにフニャフニャ動きます。
正しい位置に据わるまで気長に合わせます。
目を離しません・・・・

接着が乾いたらネックのシェイピングです。
これもどんなカタチが良いのか?未熟な私は削っている最中に見失い、ついつい削りすぎてしまいます。
今回はやや太めな感じでフィニッシュ。

ヒール部分にハイフレットが弾きやすいようにクボミをつけましたので
その部分を丁寧に仕上げます。
木がトロけたような感じに仕上げたい・・・
スペイン式の組み立て方法ならではな削り込みです。
これも実際どれほど弾きやすくなるのか試奏するのが楽しみです。

粗仕上げの終わったボディに粗仕上げの終わった指板を乗っけてみました。
ん〜、ちょいと地味かなぁ〜?

あ、写真を撮り忘れましたが指板の上側再度にはアバロンのポジションドットをインレイしています。
指板の天バの装飾はパーフリングとバインディング以外あまり好きではないので無地派なのですが
調子に乗ってスポルテッドメープルやのを入れちゃったので私のセンスじゃこの先どうして良いのかわかりません。

とりあえずこのまま行っちゃえ!!

施工順序がちぐはぐですが、上記の研磨がある程度できたところでヒールを仕上げました。
今回もウクレレ同様に縞黒檀。
ん?そうです。ウクレレの時の残り材です。まだまだあります。
塗装したらわりと綺麗でしたのでまたまた採用しました。
ヒールにも菱形のアバロンをインレイしておきます。
おしゃれな人はこんなところにも気配りしておしゃれする訳です。
んん?誰がおしゃれか?
はい、私ではありません。

インレイが終わっちゃってます。
9fから15fまでスポルテッドメイプル、12fにはハワイアンカーリーコアをインレイしました。
アバロンも入れようか?悩みましたが出来るだけシンプルに済ませました。
サウンドホール側をMiwaGuitarsお決まりのデザインにカットして、これまたお決まりの
パーフリングとバインディングの装飾を施します。
どうしてもバインディングなしって嫌なんですよね。
MartinのOM−28Vを弾いていた時、シンプルもアリだなぁ・・・とも思いましたが。
ともかく装飾しちゃいます。

ただ黙々とフレットバーの溝を切っています。
何度も繰り返している工程ですが、本当に骨が折れます。
首から腕から筋肉痛の嵐!
皆さんはそうでもないようですが・・・なぜ?
ともかく気合いと集中力を研ぎ澄ましてただひたすらに切ります。
スコヤが映っていますが、90度ではありませんのでガイドとして使っているわけではありません。
たまたま映っただけですので気にしないでください。

スケール計算書に基づいてCADにて作成した図面を両面テープで材に貼りつけました。
多少の誤差はあるのでしょうが、私の場合鋸加工の際に多少ずれますのでこれで±0です。
冗談はさておき、両端の余計な部分をバンドソーで切り落としておきます。

使用材が決まればドラムサンダーで6mmの厚みまでサンディングします。
ドラムサンダーって、やはり便利ですね。
苦労して購入しましたが、こいつは本当に買って良かったと思えます。
あまりパワーツール、文明の利器は好きではありませんがドレメルとドラムサンダーは別です。
あとバンドソーと・・・って、結構文明に頼っていますね。

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