3号機製作記 〜ネックの加工〜
ヘッド裏の成型です。
5フレットあたりから仕上がり一歩手前(0.5mm+程度)までネックを成形します。
ボリュート部分(これであってるのかな?)からヘッドのワキの部分を小刀で丁寧に成型します。
やさしく丁寧に進めればサクサク削れますが焦るとケガしちゃいますよ。
とにかく気に入るカタチまで『あ〜でもないこ〜でもない』といいながら成型します。
あっ、説明が遅れましたが、私はあらかじめ大まかなカタチしか決めていません。
自分の『これだ!』という形が決まっていませんのでインスピレーションで製作しています。
悪く言えばいきあたりばったりです。
でも私はこのやり方に深いこだわりを持っています。
仕事でも細かいディテールではこのやり方で行っています。
声を大にして申し上げます。
『いきあたりばったり』です!
ネックの加工ですが、MIWA GUITARSではホンジュラスマホガニーを使用しています。
アフリカンマホガニーとホンジュラスマホガニーとは全く違う木材です。
アフリカンに比べホンジュラスは木目の密度も細かく捻じれ等の狂いが生じにくいネックに適した木材です。
材木のうんちくは大好きですが、とある知人から『あんまりうんちくいってると嫌われるよ』と助言を頂きましたので
小出しにしか語らないようにします。(多分)
ともかく今回使用するのはホンジュラスマホガニーの一本棹。
あまり市場ではお目に掛りませんが、懇意の方からたまぁ〜にお譲り頂いています。
ですので贅沢に使います。
まず、指板の乗る部分とヘッドプレート部分をカンナで仕上げます。
スコヤできっちりと平面ができているか?また長い定規をあてて真っすぐに仕上がっているか?
しっかりとカンナの刃を研いでうす削りしてください。
べつに紙ヤスリで研磨しても良いかとは思いますが・・・一応カンナ使いましょ。
そしてトラスロッドの入る溝をルーター(私はトリマー)で丁寧に溝切りします。
次に14Fやナット位置などをすべて描き、ヒールの曲がり部分とヘッド裏のカーブ部分(ボリュート部分)に
適したサイズの穴を卓上ボール盤で真っすぐ空けます。
1号機の時はボール盤すらなかったから電動ドリルと自分の目だけで真っすぐ穴をあけてたなぁ〜
お次にネックの厚み、ヘッドの厚みをマーキングして、少し大き目にバンドソーで切り出します。
その後、ナット幅、14F幅を決めてラインを引いたらバンドソーで切り出します。
はい、左の写真まで出来ました。
実は結構大変なんですよね〜。
さらっと2枚の写真とこの文章だけみてると簡単そうなんですけど、実際は苦労しています(涙;
今回もボディー内部に入るブロック部分の加工はこだわろうと思ってます。
また、ヒールの形状も少し変ったカタチにしたなぁ〜と。
ヘッドについても新しいことしてみたい!
『無理したらアカン・・・』・・・ん?
はい、仕上がりました。
ドレメルのドラムサンダーでさらに大まかにカタチ作ったあと、
サンドペーパーで延々ぶつぶつ呟きながら一時間ほど擦ってました。
最終400番のペーパーで擦って仕上げました。
裏板接着面は箱にする際に切断しますので、その辺は再度微調整予定です。
箱の内側になる部分を成形します。
例によって丸い形に加工するわけですが、大まかなカタチは写真のベルトサンダーで削ります。
丸い形の意味は?
特にはありませんが気に入っちゃったのでこれでやってます。
軽くするにはもっとやりようがあるかとは思うのですがしばらくはこれで。
ネックのヒール部分です。
せっかくのカッタウェイなのでハイポジをもっと弾きやすく!
そう考え、思い切って親指の当たりの良いように削り取りました。
ダヴテイルなんかの場合には難しいのかもしれませんが
この製作法の場合は割と簡単に加工もできますし強度もあるのかと・・・
よくわかりませんが(苦笑;
やってみたいことを出来るのがオリジナルですものね。
これだけに考える時間を合わせて2時間ほどかけて加工しました。
『暇人〜HIMAJIN〜』ですな。
インレイなんかも入れたくなっちゃいますね。やめとこ。
ともかくこれにてネックの加工、完成です。
今回のヘッドデザインはMiwa-Guitars1号機のデザインに近いものとしました。
いつものバインディングトリムをやめて初めての面取り3D加工です。
たいそうに言いましたが、ただの面取りです。
これも小刀で丁寧に切り出します。
いやはやシンプルイズベスト!なかなか良いものですね。
いつもの貝のインレイは施すにせよ、立体的な木象嵌も入れようかと思案中。
いつもと雰囲気ががらっと(私の中だけ)変わりましたが良い感じに仕上がりました。
またやってしまいました・・・
作業に夢中で写真撮れてない。
工程のご説明をさせて頂きます。
●任意のカタチのヘッドの輪郭を白鉛筆で書く
●バンドソーで大まかに切り出す。(ヘッド裏にふかし木を当てて加工します。)
●卓上ボール盤にドラムサンダーを取り付けて粗成形&ペグ穴を2サイズほど小さく空ける。
●リーマーでペグ穴を任意の大きさまで広げておく。
とまあこんな事をした後の写真です。
ヘッドプレートの接着状況です。
白黒白のラミネートとしたのですが、やり終わってからバインディングの方がええなぁ・・・とか。
最初からしっかり考えろよなぁ〜俺。
ま、接着したものは仕方がありません。
どこかしらかでラミネートが生かせたら良いのですが・・・
ネックの荒削りをしています。
当然片手では加工できません(当たり前か)
おおよそのシェイプを削りだす訳ですが、
おもにヒール側とヘッド側をしっかり削りだしておきます。
この2点の加工が私にとってネック加工のいわゆる山場ですね。
ヘッドのデザインについては今この現在では初号機を参考にしたものとするつもりです。
カッタウェイ側もまず溝を側板の厚み分切り込み、あとはトリマーで荒削り。
その後のみを使って綺麗に整えていきます。
今回のネックの仕込み角度は0.5度とほんの少しの角度としてみました。
仕込み角の必要性は数々のサイトや本を参考にしてきましたがどれが良いのかよくわかりません。
仕込み角0度でもよいのでは?と最近思っています。
ま、いろいろ試していきましょうか。
ヒール部分、側板接合部分の加工です。
最初はとても困難な作業として身構えてしまっていましたが、
ようやくここ最近慣れてきました。
ほんの少し余裕を持たせて溝を切っています。
刺さり込む奥ほど狭く、入口は少し隙間の空く感じで。
実際接合する際にはボディ内部側から薄い楔(くさび)を打ち込んで密着を図ります。