コラム

社員の化学日記 −第220話「閑人閑話8(天高く我肥ゆる秋)」−

今年の夏も暑かった。

今年4月に制定されたばかりの「酷暑日」(最高気温が40℃以上の日)の名称が早速適用される日々。

加えて熊本での地震や房総方面での大雨災害…。 10月になってもまだ最高気温30℃越え…。 全くどうなっているのか。

10月下旬になってやっと涼しくなってきた。 秋がやってきた。

読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、そして、食欲の秋。 酷暑で抑えられていた食欲が復活しはじめる時期…。 でも、いい歳して暴飲暴食で体を壊してもとブレーキがかかる。

今日は、会社の保険組合の健康診断だった。 家族持ちである以上は、入社以来毎年受信しているが、幸いなことにこの健康診断で大きな病気を指摘されるようなことはなかった。

だが「アラ還」の身としてはそうもいかず、「?」的な要再検査項目が1つでも見つかってしまうと、 その診察に伴って芋づる式に出てくる新しい"疑い"。 医師は、後々医療ミスなどといわれたくないからか、疑われることをスラスラと簡単に口にしてくる。

でも言われた方はたまったものではない。 「(病気にもよるが)自覚症状がなければ急がなくてもいい。様子を見ようか。」などと甘い言葉を持ちかけてくる。 無駄な検査はしたくないのは当然だが、逆に気になって仕方ないことも確か。 悪化して長期離脱を余儀なくされれば、家族や会社への責任もある。 検査することによって「異常なし」というエビデンスが得られるならそれでOKと思うようにしている。

ただし、ここで思い違いをしてはいけないのは「異常なし」の判定はどの段階で下されるのか。

化学分析でもそうであるが、微細な(微量な)成分を検出しようとしても必ず限界がある。 機器の指示値がゼロを指し、見た目上、測定対象成分が含まれていないように見えても、その測定方法の検出限界以下であったのかもしれない。 だから化学の世界では「含まれていない」「含量ゼロ」などとは言わず、「検出されなかった」「検出限界以下である」という表現にとどめるのか通常である。

通常の検診が終わった後、こんなことを考えながら、生活習慣改善の動機づけと称して、保健指導を受ける。 このような指導を受け始めてもう3年目。 これでも可能な範囲で努力は継続しているし、事実、昨年1年間で体重は10kg近く絞った。

でも、60年も使ってきたこの身体。 芋づる式に見つかる"疑い"を最小限にとどめるにはまだまだらしい。

【道修町博士(ペンネーム)】

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