コラム

社員の化学日記 −第56話 「マグネトラクション」−

題名を読んでピンときた人,もしやスノボーをやってませんか? これがどんなものか知ってる人はかなりの話と題名は全く関係ないです,あしからず。

今回はどんな内容で書こうかな〜,とふとスノボー友達の首を見たとき,磁石の力で肩のコリを改善するというあの,マグネットのループ状のネックレスみたいなものが目に付いたのです。 昔からある粒状の物のループ版,お色もカラフルになって若者もつけられるような感じですが,逆を言えば,それだけ肩こりに悩む若者が増えたということでしょうか。。。

この磁石,今や私たちの生活に欠かせない存在となっています。電気で動くモーター(電車の動力や携帯電話のバイブレーション),電磁調理器(IH), パソコンにはハードディスクや冷却ファンにも使われてますし,気づきにくいところではキャッシュカードやクレジットカードにも磁気テープが使われています。

磁石で動く乗り物と言えばリニアモーターカーです。 2045年に開通予定のリニアモーターカー,中央新幹線は東京〜大阪間を最短でが67分で結ぶ予定だそうで,今までの2時間弱をはるかに上回る高速旅客マシーンです。 子供のころ,私の初めての夢はこのリニアモーターカーの運転手でした。

リニアモーターカーといえば,宙に浮いて進むものだととイメージされやすいですが,リニアモーター=直線のモーターという意味で,普段目にする回転式モーターの回転部分を直線状にして走るものをいいます。 なので,宙に浮かず,車輪が付いていても,リニアモーターで駆動するものはリニアモーターカーなのです。

実はこの車輪付きリニアモーターカー,すでに日本のいろんなところで走っています。 大阪では地下鉄の長堀鶴見緑地線や今里筋線,東京では都営大江戸線がリニア駆動で動いています。

地下鉄が多いのですが,それには理由があります。リニアモーターは通常のモーターに比べコンパクトなので,電車の台の部分を薄くすることができます。 つまり,車両を小さくできるので,その電車が走るトンネルもコンパクトにすることができ,工事を安く抑えることができます。 それにしても,普段よく使っている電車がリニアだったとは,,今日知りましたが驚きです。

地球最大の磁気と言えば,北極と南極を結ぶ磁力,地磁気です。

地磁気は普段の生活では方位磁針等で南北を知ることができるものですが,生活を守ってくれるもっと大きな役割があります。 太陽からは色々な光が出ています。その中にはもちろん有害な電磁波や陽子などが地球にも降り注いでいます。

それを防いでくれるのが地磁気です。 電子や陽子などの電荷を帯びた粒子が地球の磁場で歪められ,地上には直線で降り注がれません。オーロラが見られるのは,この地磁気により歪められた粒子が大気とぶつかって光エネルギーにかわるからです。

磁石が起こす光のカーテン,一度でいいので見てみたいです。

【栗林】

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