コラム

社員の化学日記 −第54話 「石油」−

初めまして。9月に入社しました新人です。社会人になってからは約20年になる40歳ちょっとの新人ですが。

最近は2年振りの通勤電車にも慣れ,背中や腰の筋肉痛もようやくなくなり,今は体よりも頭の中が凝っている毎日です。 化学については素人同然で先輩方に色々と教わっています。早く一人前になれるよう頑張ります。

今から2か月ほど前に「国内初,秋田でシェールオイルの採取成功」のニュースがありましたが,皆さんは日本国内で原油が出てくるのをご存知でしたでしょうか?

日本国内にも新潟県や秋田県・北海道などに油田があり,年間国内で使用する量で比較すると,1日分くらいの量しかとれません。 そのため,日本は原油の99%以上を20ヶ国以上の国々から輸入しています。 とくに,サウジアラビア,アラブ首長国連邦などの中東諸国が多く,中東諸国への依存度は約87%となっています。 また,世界でもアメリカ,中国に次ぐ日本は輸入大国です。

話は前後しますが「石油」と言えば何を連想しますか?

自動車のガソリン・軽油や石油ストーブの燃料が一般的だと思いますが,飛行機・船舶の燃料,様々な業種の工場や火力発電所の熱源,プラスチック製品やタイヤなどのゴム製品,服などの化学繊維と, 私たちの生活には石油なしでは考えられないくらいに,あらゆる分野で石油が使われています。

化学的にみると,多数の似かよった分子式をもつ炭化水素(CH)を主成分にした液体が「石油」です。 地下から採取されたままの状態のものを「原油」,この原油を精製して製品化したものが「石油製品」です。 他にもアスファルトやLPガスも石油であり,広い意味では天然ガスも石油に含まれます。

石油は天然資源の一つです。 よく目安として,可採年数という数値を使いますが,今から20年前の可採年数は40年でした。 2007年度末での可採年数は42年でした。 これはその時期に確認された埋蔵量から算出された数字であって,40年を過ぎるとなくなるというわけではなく,生産量の増減や開発技術の向上によって変動します。 今後も生産量や新たな油田の発見,開発技術の向上によって増加することもあります。

CO2削減問題もあって,世界的に化石燃料に代わる新エネルギー開発が急務となっていますが,一方で化石燃料をクリーンに使う技術開発も進められています。 30年後,50年後のエネルギーはどうなっているのでしょうか?

【IXA(ペンネーム)】

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