コラム

社員の化学日記 −第193話「バブルの贅沢」−

円安、インバウンド、外国人旅行者の増加

日本への旅行者が増え、日本を満喫している外国人のニュースがよく目につく。とくに日本での食事はとても楽しそうだ。

その中で、駅弁の加熱式の弁当の紹介があった。加熱式弁当とは、水と石灰との化学反応で生じた反応熱を利用して弁当を温めるというもの。 反応式はCaO(酸化カルシウム、石灰)+H2O(水)→Ca(OH)2)(水酸化カルシウム、消石灰)。 弁当についている紐を引くと、水の入った袋が破れて発熱剤(酸化カルシウム)と接触させて反応させる。

この時の反応を水和反応・消和反応といい水分が化学種にくっつく反応である。火が出ないので安全に温められる。 また、石灰の水和反応を利用した乾燥剤には発熱に関する注意書きがある。

日本の経済が好調だったころ(バブル期)に子供用の化学雑誌に水だけで作れるカップラーメンというものが紹介されていた。 原理は加熱式弁当と同じで確か通常のカップラーメンの10倍ほどの価格だったように記憶している。 子供心に無駄に贅沢で夢のような商品だと興奮を覚えたが一度も本物を目にすることが出来なかった。

そして、インバウンドバブルの今また無駄に贅沢な水だけで作れるカップラーメンの復活を期待している。

【白色林檎(ペンネーム)】

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