コラム

社員の化学日記 −第116話 「疣治療からの...」−

指に疣が出来た。痛みは無いが見た目に悪く,ウイルスが飛び散ると他人や自分の他の場所に移ってしまうので非常に厄介だ。 そこで,色々と自分で出来る治療を色々試してみることにした。

まず,閉塞治療を開始することにした。指に出来た疣をテープで覆ってウイルスを窒息させるらしいのだが,まず汗等で非常にかぶれる。 そしてはがれる。かなりの期間試してみたのだが,期待していたほどの効果を出すことが出来なかった。

次に試したのが漢方薬,ヨクイニン(はと麦)の錠剤と,はと麦茶の併用である。 今度は体の内側からの治療を試みたのである。しかし思うような改善は見られなかった。残念である。 どうやらや効果には個人差が大きいようだ。

その次試したのが自作のカソーダの塗布である。 カソーダとは炭酸水素ナトリウム(NaCO3)とヒマシ油を混ぜ合わせたもので,シミ取りにも使われることがあるらしい。 ヒマシ油の炎症作用と炭酸水素ナトリウムの弱アルカリ性の刺激で皮膚のターンオーバーを促していると思われるが,結果は...疣を除去するまでには至らなかった。

免疫を高めると自然治癒力で疣が直ることもあるようなので,風呂に少量のお酢を入れるようにした。 人間の肌は弱酸性状態が良いらしいので,油などのアルカリを酸で中和する。実際これで寝つきが良くなった。 体が非常にリラックスする。

これをしばらく続けたが,疣には目立った効果は現れなかった。 また,生卵をお酢で殻ごと溶かし,卵酢を作って食用してみたが,なかなか続かない。

しかし,このように色々試してみたことが他のことで役に立つことがあった。

まず,炭酸水素ナトリウムは足湯でケミカルピーリングに使用,重曹(炭酸水素ナトリウム)の水溶液はアルカリ性の為たんぱく質を分解し古い角質を除去, 又臭いの元が酸性を示す物であれば中和されることで消臭にもなり一石二鳥,又炭酸水素ナトリウムが溶けた弱アルカリ性の水溶液は,油と反応して鹸化し, 石鹸と同じ様界面活性剤をつくる為油汚れの洗浄に用いることも出来る為,日々の生活への活用範囲が広くありがたい。

そして,お酢を風呂に入れるようになることで,風呂掃除がとても楽になった。 水道水に含まれるミネラル分(炭酸カルシウム等)によって出来る水垢が酸性であるお酢との反応で溶けるので自然と水垢が付きにくなり, 水垢と一緒に付着していた皮脂等の湯垢の汚れ落しも非常に容易になった。 トイレでは,アルカリ性であるアンモニアがお酢で中和されるので消臭にも役立った。 お酢より酸性のきついクエン酸を使用すると,その効果はさらに増した。

もともとは,疣の治療の為に炭酸水素ナトリウムもお酢も使用し始めたのだが,消臭やリラックス法,掃除への活用などへの使用に非常に役に立ち, 疣になることで,生活が良いものなった。 しかし,肝心の疣の治療には期待していた様な効果が現れず,治療は病院で行うことに,そして一年ほど治療を行っているが未だに完治していない。

【白色林檎(ペンネーム)】

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