最近気になった楽器はハープです。先日友達が出演した吹奏楽の演奏会の、とある曲中にハープの独奏部分があり、これまた初めて生演奏を聞いたんです!
私の座っていた席との位置関係から、弾いている姿までは見れませんでしたが、おかげで曲に集中して聞きいることができ、とっても満足しました☆
今回はハープそのものへの感動よりも、ハープの奏でるメロディーが印象的でした。本当のことを言うとメロディーではなく、「コード」って言うのでしょうか・・・、アルペジオになっている伴奏部分の和音のパターンが気になって気になって仕方なかったんです!
確かそれは曲の始めの合奏部分が終わった後の、フルートの独奏後に入るハープの独奏部でした(間違っているかもしれないですが・・・)。その部分は何度も何度も同じようなパターンが繰り返されていく形式(ロンド形式!?)で、何度かその繰り返しを聞いていて強く感じたんですが、絶対私はそれをどこかで聞いたことがあったんです。
でも、その曲のタイトルは「テルプシコーレ」。そんな名前の曲、知りもしないし、その日初めて知ったその曲を過去に聞いたことなどあり得ません(←ん!?ちょっとおかしい日本語。またみっこく語が出た・・・)。なのに、どう否定しようにも「聞いたことある!」と思わずにはいられないパターンが何度も何度も繰り返されました。
そして、何度目かの繰り返しでふいに思い出したメロディーは、リュート(;というのはギターみたいな楽器の名前)で有名なレスピーギ編曲の「シチリアーナ」という曲でした。
シチリアーナのメロディーをその時のハープの独奏に合わせて歌ってみると、見事に合いました。コード進行(伴奏のパターンの順序)がほぼ同じだったんです。メロディーは全く違うんですが、伴奏が合うんです。心の中でシチリアーナのメロディーと二重奏にして、そのハープを聴いていました。本当に良く合いました!
これは何かある!!!と感じ、すぐさまプログラムを読みました。すると、「テルプシコーレ」を吹奏楽用に編曲をしたのはボブ=マーリゴスという現代の音楽家でしたが、原曲「テルプシコーレ」は17世紀前半に活躍したミヒャエル=プレトリウスという(作曲家でありオルガニストでもあり音楽学者でもある)多才な音楽家の作品であったことが分かりました。
おうちに帰って早速インターネットで検索してみました。「テルプシコーレ」と「シチリアーナ」には、絶対何か共通するものがあるはず!と期待して調べました。
実は、ちょうどその演奏会の数日前から、ちょっとしたことからシチリアーナ研究(というより探究!?)にはまっていたんです。フォーレ作曲のシチリアーナの楽譜が手に入って、弾いてみたらなんだか聞いたことがあるいい曲で、気になったので調べていたんです。
そのとき調べてシチリアーナについて分かったことが
@「シチリアーナ」というのはタランテラ(;イタリアのタラント地方の舞曲の形式)などと同じような言葉で、イタリアのシチリア地方の舞曲の形式の曲を指し、様々な作曲家による同名の作品があるということ
Aフォーレの作品以外には、レスピーギ編曲の「リュートによる古風な舞曲とアリア 第三組曲 『シチリアーナ』」が有名で、それもCMなどでおなじみのメロディーで、とってもいい感じの曲だということ
Bレスピーギ編曲「シチリアーナ」の原曲は作曲者不詳となっていて、16世紀イタリアの曲ということまでしか分からないということ
のみっつでした。演奏会の数日前から、こんなにも気になっていた「シチリアーナ」とそっくりな「テルプシコーレ(のハープ独奏部分)」を偶然にも聞くことができ、こうなったからにはみっこいがみっこかないわけにはいきません!
テルプシコーレで、シチリアーナの謎が解けるかも!?とわくわくしながら調べました。
そして・・・
テルプシコーレについて調べて分かったことは
@「テルプシコーレ」というのはギリシャ神話の音楽の女神様の名前に由来するということ(これは今回の話題にはあんまり関係ない。。。)
Aミヒャエル=プレトリウスは、貴族の舞踏教師から頼まれて、既にあった様々な舞曲の旋律を4声や5声に編曲して「テルプシコーレ舞曲集」を作ったということ
Bプレトリウスは、その曲集の序文に「これらの原曲は、有能なヴィオール奏者やリュート奏者といったようなフランスの舞踏家たちの作曲で、彼らは貴族に踊りを教える時にこの旋律を演奏していた」と記して残したということ
のみっつでした。プレトリウス偉いです!曲を発表する時に「自分が作曲しました」みたいな風を残さず、『自分は編曲しかしてない』と分かるように書いて残したところが偉いです☆
結論的には、シチリアーナとテルプシコーレには大した共通点もなく、「うまく繋がればシチリアーナの作曲者が分かるんじゃないか!?」という密かな希望は見事に打ち砕かれてしまいました。
みっこく分かりそうなことは・・・
16世紀のイタリアのシチリア地方の舞曲の伴奏パターンは、
17世紀にはフランスでも流行していた!
ということ☆
当たってたら、きっと大発見だぁ〜☆☆☆☆☆
現代のポピュラー音楽も、ほとんどの曲がいくつかの定型パターンの組み合わせで伴奏できるので、特に驚くべきことでもないかもしれませんが、500年前のヨーロッパの音楽には、こういう伴奏のパターンがあったんですね!!!
シチリアーナという曲を、その時代の伴奏の定型だったんじゃないか!?という観点で聴いてみると、確かにこの曲は、なんとでもメロディーをとっかえひっかえ出来そうに思えてきました。
とりあえずこのへんで、今回のみっこいの(間違っているかもしれない)音楽探究は終わらせることにします・・・。
この行まで一字も飛ばさず読んで下さった方へ☆
みっこいのみっこきにここまで付き合って下さって本当にありがとうございました。
レスピーギ編曲のシチリアーナは、色んなサイトでMIDIが出ていました。それらを参考にして、私も電子ピアノを使ってギターの音で弾いてみました☆ 聞いてみると、きっと何かのCMで聞いたのを思い出すはずです!!! でも、私のMIDIはやっぱり完成度が低いので、「シチリアーナ」を検索して、もっと上手なMIDIにたどり着くことをおすすめします。。。
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