作曲者:フォーレ(1845-1924)
2005.3
「シチリアーナ」はシチリア地方の舞曲の形式なんだそうです。タランテラ同様、様々な作曲家のものがあり、バッハなんかもけっこう有名なシチリアーナを残しているようです。シチリアーナについては調べても大したことが分からなかったので、曲を聞いて思ったままに書いていきますが、タランテラと良く似た形式で、6分の8拍子で短調と長調が交互に入れ替わっているところは同じみたいですね〜〜☆南イタリアの曲はどれもこういう雰囲気なのかもしれませんね!
この曲を聞いていると優しい海の香りが漂ってきます。タランテラ発祥のタラントは海辺の街ですがタラント湾に面している港湾都市なので、きっと浜辺がないんです。だからタランテラには港の岸辺に波を打ちつけるような激しさがあるように思います。でも、シチリアは回りを海に囲まれた島だから、四方のどこかには砂浜もあるはず☆シチリアーナはきっと浜辺付近で発祥した曲の形式じゃないかと思います。波の音がとっても優しいでしょ☆
地中海の海辺をイメージしながらできてきた曲だと思うので、私も南国のリゾート気分(!?)で弾いてみました☆
音楽研究室(コラム:音楽)でもシチリアーナ研究をしていますが、そこにもこの曲とは全く別の「シチリアーナ」を置いています。不思議とそちらの曲も優しい海の香りがするんです♪ 良かったら聞いてみてください☆
この曲を作ったフォーレはドビュッシーと同じフランス国籍の作曲家です。でも、完全な近代音楽〔印象派〕のドビュッシーとは違い、時代が近代音楽へと移り変わっていくなかのロマン派ということで、フォーレのこの曲は両方の特徴がうまく混ざり合っているように感じます。ロマン派の音楽は曲自身が感情を持っているように思います。時々弾いているこっちが重たく感じるようなこともあります。近代音楽からは曲自身の感情はそれほど感じませんが、弾いていると不思議な情景が浮かんできます。聞いている時はそれで心地よいんですが、終わった時には何がどうなったのかよく分からなかったような・・・物足りなさ(?)を感じることもあります。そういう二つの特徴を足して2で割ったような雰囲気がこの曲だと思います。
(注意!私のロマン派と近代音楽の解釈が間違っている可能性もあります・・・)
私は近代音楽の、情景的なところがとても好きです。音楽を通して人に直接何かを訴えたいのではなくって、音楽を聞いてくれた人にその人なりの景色をイメージさせ、その景色から何かを感じてくれればいいな・・・という感じに控えめなところがみっこくて好きです。だけど、それだけだと思いもよらない方向へ間違って解釈されることもあるかもしれないから、やっぱり、ある程度は直接思いを伝えないといけないのかもしれません。
フォーレのような視点で絵本を描けるといいなぁ・・・
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