Aグレックシュタイン・ヒュッテ(Gleckstein Hutte)



荒々しい上グリンデルワルト氷河(ObererGrindelwald Gletcher)の姿を間近に見、シュレックホルン(Schreckhorn)を仰ぎ見ながら登るので、ダイナミックなアルプスの姿を味わえる。
登山口は3箇所あるが一番標高差が少なくてすむグレックシュタインのバス停(*)から始めるのが楽。ただ、ここは店も家もないので、下山後バスを待つ間の休憩には不向きです。
コース中盤は、氷河を右に見て、岩の山腹をトラバースしながら登る。急斜面が所々にあるがしっかりしたロープや鎖があるので注意しながら歩けば問題はない。

(*)グレックシュタインのバス停:
バス時刻をWeb検索できるSBBの時刻表では、ラウシュビュール(Loischbiel)のバス停は表示されるが、グレックシュタインのバス停は出てこない。バスの運転手に聞いてグレックシュタインというバス停があるのが判った。

グレックシュタインヒュッテから見る
シュレックホルンと氷河 (スケッチ)
参考地図 No.2520 Jungfrau Region
(1/25000)


歩いた日:2010年7月01日
コース:Gleckstein Bus Stop - (40min)1735m付近(休み10min) - (1h)約2000m付近(休み5min)ー(1h)Gleckstein hutte(昼食45min、Sketch 35min)-(1h25min)1735m付近(休み5min)ー(20min)1590m分岐ー(40min)Hotel Wetterhorn Bus Stop
合計時間:5h05min(総時間:6h45min)  標高差 登り:593m 下り:921m  最高標高:2317m  

グレックシュタインバス停から見るアイガー(中央)
左はメッテンベルグの山、右下はグリンデルワルトの町

グリンデルワルトからグロ-セ・シャイデッグ(Grosse Scheidegg)行きのバスに乗る。ヘアピンカーブの細い道をピーポ・ピーポとクラクションを鳴らしながら進み、グレックシュタインのバス停で下りる。何も無いがグレックシュタインヒュッテの大きな看板が立っていて登山口は直ぐ分かる。
アイガーが朝日にまぶしくそそり立つ。快晴。




1735m付近から見るアイガーとグリンデルワルトの町(右下)

上り始めはほぼフラット。ホテル・ベッターホルンへの分岐を過ぎて直ぐ雪渓があって、踏み跡を頼りに横切ると、ヴェッターホルンからせり出した急斜面の横に作られたられたトレイルになる。右側が崖だが所々ロープが設けられている。次第に標高が上がり、右手にはシュヴァルツホルンやファールホルンのピークが見え一面緑の牧草地が広がる。
谷側に回りこむ角地に、岩の窪んだ所がある。ベンチも置いてあり絶好の展望地。正面にはアイガーが思いのほか平べったい形をしてグリンデルワルトの町から競り上がり、その姿が美しい。グリンデルワルトからアイガー頂上までの標高差はほぼ3,000mだが、横から見るので、その高さと急峻な岩肌が実感できる。
アイガーの左には真っ白なメンヒの山が顔を出していて、こんな角度で両山が見えるのは、この場所だけではないだろうか。


左端の白い山がメンヒ(4099m)、尖った山がアイガー(3970m)、凹んだ所がクライネシャイデック、次の小さいピークがラウバーホルン(2472m)、その右がチュッゲン(2521m)、右端がメンリッヒェン(2342m)


見え始めた上氷河と
クライン・シュレックホルンの山


上氷河(Oberer Gletcher)の谷に入ると、直ぐに氷河の末端とクライン・シュレックホルン(Kl. Schreckhorn 3494m)のピークが見え出す。トレイルは左の岩壁に斜めに付けられていて、右下は殆どが谷に落ち込む崖になっているが、要所要所にはロープや鎖が設けられているので安心して歩ける。




途中、滝の下をくぐる



暫く進むと、滝があり、下をくぐるようになっている。水しぶきが飛び散り濡れるので、小走りに通り過ぎた。何故か今日も暑いので、ちょっとした涼みとなった。

前に見えていた氷河の端末が真下に見えるようになり、前方の氷河も次第に見えるようになる。
振り返ると歩いてきたトレイルが良く見える。まるで岩を削り取って道にしたように見える。
上から見る氷河の末端 登ってきたトレイルを振り返る
見えている山はレーティ(Reeti 2757m)


岩場のトラバースの道からガレた道に変わる辺りからジグザグの急な登りになる。次第に氷河が大きく広がってきた辺りで、ふっと上を見ると小屋が見えた。何時もの事ながら、小屋が見えてからが結構長く感じる。
次第に氷河見え出す グレックシュタイン小屋


グレックシュタイン小屋のテラスから見る氷河の展望は素晴らしい。ビールを飲みながら眺める景色はまた格別だ。ソーセージ入りのスープを食べながらゆっくりと休む。丁度写真を撮っているときに、ゴーと爆音を響かせて山すれすれに戦闘機が飛び去って行った。後で写真を見たら戦闘機らしきものが写っていた。これは全くの偶然。

 左の写真の空に浮かぶ点は多分戦闘機)           グレックシュタイン小屋のテラスから 


小屋からはシュレックホルン(Schreckhorn 4078m)と前峰のクライネ・シュレックホルン(Kl. Schreckhorn 3494m)が氷河の上に端正な姿を見せる。シュレックホルンの左に見えるピークはラウターアールホルン(Lauteraarhorn 4042m)かもしれない。食事の後、時間が充分あるので小屋から少し離れてシュレックホルンをスケッチする。                                                         


   
グレックシュタイン小屋から、  中央の山がシュレックホルン(4078m)、右端がクライン・シュレックホルン(3494m) 


小屋からは丁度グリンデルワルトの方向に開いていて良く見える。昨日歩いたファールホルンからシーニゲプラッテ辺りの景色も概ね分かる。小屋の背後を見上げるとヴェッターホルン(Wetterhorn 3692m)の岩峰がそびえている。

グレックシュタイン小屋から見るグリンデルワルト
右側の白い山はファールホルン、左の山がメンリッヒェン
グレックシュタイン小屋の背後にそびえるヴェッターホルン


ヴェッターホルン・ホテルに下る途中に見上げた上氷河の谷
トレイルは左上の草地上部から中央の草地の台地に向かって付けられている

帰りは同じ道を下る。ただスタートしたバス停には家も店も無かったので、バスの待ち時間を考えて1590mの分岐からヴェッターホルン・ホテルのバス停まで下りた。途中、V字形の上氷河の谷を見上げることができる。下から見ると谷の奥まで急斜面だらけで、左の斜面にトレイルが有るようにはとても思えなかった。





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