
シュヴァルツホルンは、グリンデルワルトの町からはアイガーとは反対側(北側)の右手に見える一番高い山で、牧草地が広がる緑の裾野の上に立ち上がる黒茶色の山です。標高は3000mに少し足りませんがすばらしい展望が期待できる山として知られています。
グリンデルワルトからロープウェイでフィルスト(First)まで約30分、ここがスタートポイントです。 |
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ユングフラウ登山鉄道の
途中駅のアイガーヴァント
(Eigerwand)から見た
シュヴァルツホルンと
トレイル略図 |
雪渓を越えてガレ場を越えて岩尾根にとりついてから直ぐの所に深く切れた所と、トラバースする所が続いています。これを慎重に超えれば後は体力勝負の山です。靴はしっかりしたものが必用です。山小屋はありませんので水と昼食と非常食の準備も必用です。雪や悪天候の時はかなり難しくなると思うので慎むべきと思います。
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雪渓から下は一面の緑で、高山植物が美しい花を咲かせています。グロ−セ・シャイデックに向かう道では、広々とした牧草地の向こうに立ち上がる雄大な山を前にして、歌声がひとりでに出てきます。「ああーこれがアルプスのハイキングなんだー」と大満足で歩けるコースです。 |
関連する地図;
2520 Jungfrau Region 1:25000 または
254 Interlaken 1:50000
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インターネット情報;
歩いた日; 2005年7月3日
コース; First-(50min)Grosse Scheidegg分岐-(45min)Widderfeldgratli分岐ー(1h20min)尾根・切れた所(昼食30min)-(35min)Peak(休み20min)-(1h20min)Grosse Scheidegg分岐-(1h35min)Grosse Scheidegg
(合計6h25min 標高差、登り836m下り966m 最高点2928m)
時差ボケで朝3時に目が覚める。快晴のようだ、迷わずシュヴァルツホルンに登ることに決める。フィルスト(First)の駅を下りて目指すシュヴァルツホルンを見上げると、周りは全部が晴れているのに何故かシュヴァルツホルンのピークにだけ僅かに雲が見える。ロープウェイ駅前の広場の道標に従い広い道を進み、直ぐバッハゼー(Bachsee)の道と別れて右に入る。山すそをダラダラと10分ほど下ると標識があり広い道と別れ左に入る。ここからはなだらかな登りで、ちょろちょろと小川が流れる草地が広がり、花も多く気持ちの良いトレールが続く。
グローセ・シャイデック(Grosse Scheidegg)の分岐を過ぎて、最初の雪渓が現れたあたりから、登りが急になり始め、周りの様相ががらりと変わる。
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左手から正面上にかけてヴィッデルフェルドグレッテイ(Widderfeldgratti)と呼ばれる岩の壁が横たわり、その右にシュヴァルツホルンが立ち上がり、そこから右手に伸びた岩尾根が荒々しく続く。ピークは雲の中に入って見えない。後から若い男女が声をかけて抜き去り、左手のヴィッデルフェルドの難コースへ向かって軽快に登って行く。そのルートの分岐(道標あり)を過ぎて右手へ進み、ガレ場と雪渓を交互に歩き、尾根へやっと出る。 |
雪渓を過ぎて振り返る。フィルストから登ってきたトレー
ルが見え、アイガーとウンテラー・グレッチャーの眺めが
すばらしい。 |
尾根へ出るまでの道は沢山の踏み跡がありはっきりしない所があるが、右手に進むのが正解のようだ。急な登りにスピードが上がらず、何組ものパーティーに次々と抜かれる。中には「今日はー」と日本語で挨拶してくれる人もいる。 |
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尾根に出て少し登ると、4〜5組のパーティーが休憩している、深く切れた岩場に出たのだ。越えて行く人を見ていると、さほど大きくない岩に片ヒザをついて足を延ばして岩の陰に消えて行く。丁度昼時なので、先ずは腹ごしらえをしてから行けるかどうか考えることにし、ゆっくり休憩した。
休憩中に見ていると、越えるのを諦めて引き返す男女のペアーや、女性を待たせて男性だけが先に進んだ人もいる。 |
尾根に出て振り返る。グリンデルワルトの町が見える。右アイガー、中央白い山は多分フィシャーホルン、
左はシュレックホルン。 |
さーて、越えられるかどうか見てみようとストックをザックにしまい岩に乗る。なるほど左右ともスパーと切れている。無理かなーと思って岩の先まで行って覗くとちゃんと地面が見えた。これなら行けると片ヒザをついて身体を反転するようにして足場を確認しながら下りた。越えられた。Mieも後から意外とすんなり越えてきた。 |
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これを越えて少し行くと、ガラガラの岩を巻くようにしたトラバースの場所にでる。慎重に足を送る。さほどの恐怖感を感じずに渡れたが、こんな所が次々と出てきたら大変だなーと上を見ると、ガラガラ岩の中に急な登りのトレールが見える。厄介な所はもう無いようだ。 |
トラバース(右)を過ぎた所。他のパーティーが下りて行く |
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そこに見覚えのある若い男女2人が下りてきた。雪渓近くで我々を追い抜いて左へ入り難しいルートを登っていった2人だ。へーもう頂上に行って戻ってきたのかと、びっくりした顔の我々を見て、頂上まで約30分と激励してくれた。
ここからはただ必死に登るだけ、ガスがすっぽりかかり何も見えなかったせいもあり、この30分はエラかった。

 
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