Cファールホルンからシーニゲプラッテ


晴天ならば、ベルナーオーバーラントの高山の殆どが視野に入り、ブリエンツ湖やトゥーン湖を下に見ながらの視界抜群のハイキングコース。
距離は長いが整備されたトレイルで、途中には山小屋が2つ有り食事も宿泊も休憩もできる。バッハアルプゼーやファールホルンなどの名所があり、一度は歩いてみたいコース。
登りの標高差がシーニゲプラッテより200mほど少ないフィルストから歩き始めたが、反対側のシーニゲプラッテから歩き出す人の方が多いように感じた。ベルナーオーバーラント三山などを正面方向に見て歩けるためだろうか。
歩いた当日は高温で湿度が高かったせいか全般に薄いガスがかかったような感じで、クリアーな景色ではなかったが、それでも満足いく歩きができた。
ファールホルンを少し下りてブリエンツ湖を見る
右のピークはシュローブホルン
使用地図:No.2520 Junfrau region 1/25000

歩いた日:2010年6月30日
コース:First-(50min)Bachalpsee(15min休み)-(55min)Reetihitta小屋-(30min)Faulhorn(35min Lunch)-1h20minManndlenen小屋-2h50min(途中10min休み)Schynige Platte
合計時間:6h25min(総時間7h25min)  標高差:登り514m 下り713m 最高標高:2680m 全長:16km


前日の午後にチューリッヒに入り、夕刻にグリンデルワルドに着く。丁度ワールドカップ決勝トーナメントの日で、スイスは南アと時差無しの16時キックオフ。宿にチェックインし部屋に入ったのがもう17時40分、終わってしまったかとTVを点けると終了間際で0対0。ワオー、凄い。延長戦とPK戦を観戦できたが、残念、負けてしまった。それでも日本なら真夜中、日中に南アでのワールドカップTV観戦なんて、ラッキー!


昨夕に強い雷雨があったが今朝は晴れ。ただ、山はボヤーとした感じ。ゴンドラに乗ってフィルスト(First)に9時に着く。私の郷里の福島から来たという同年代の御夫婦と、滋賀と京都から来た若い女性2人連れがバッハアルプ湖(Bachalpsee)まで行くというので相前後しながら歩く。同郷の人と現住所近くの人とに同時に会う偶然さが不思議だ。
遊歩道のように広い道で緩い上りが続く。時差のせいか、最近体重が増えてしまったせいか、体が重くキツイ。
左手に4000m級の山が連なって見え、その下にはグリンデルワルトの町並みが細長く横たわる。蒸気が広がったような天気でクリアーには見えないが、それでも迫力満点。

フィルストから少し登って                              
左の雲の中はシュレックホルン(4078m)、中央フィッシャーホルン(4049m) 、右尖っているのがアイガー(3970m) 、その肩にユングフラウ (4158m)


バッハアルプ湖



景色を眺めながら歩いて50分程でバッハアルプ湖に着いた。若い女性達は、「写真で見た景色はこれやー」と言って喜ぶ。逆光状態だが美しい。暫く写真を撮りあったりしてご夫婦と若い2人と別れ、先に進む。


左の雲の中はヴェッターホルン(3701m)、中央はシュレックホルン(4076m) 、右遠くがフィンスターアールホルン(4274m)

バッハアルプ湖からファールホルン方向
左はシメリホルンの一部
レーティ避難小屋からバッハアルプ湖を振り返る

バッハアルプゼーを過ぎると道幅の広い遊歩道から普通の登山道に変わりファールホルンに向かって400m程の標高差を登る。バッハアルプ湖から見上げるとまだ残雪が多く見えたが雪の上を歩くことは殆ど無かった。峠状態になっているブスアルプの分岐前に避難小屋があり小休止する。ここからバッハアルプ湖の全景を見下ろせる。


ファールホルンの頂上とホテル・ファールホルン
斜めに見える筋は
頂上へ登らずに山腹を巻くトレイル

ブスアルプ(Bussalp)への分岐近くになって、ようやくファールホルン(Faulhorn 2680m)とホテル・ファールホルンの小屋が正面に見え出す。頂上へは山腹を巻くトレイルと分かれてジグザグに登る。小屋の左手を少し登るとそこがファールホルンの頂上で360度の展望のはずだったが、あいにくグリンデルワルトの谷を挟んだ4000mの山々はいつの間にか雲がかかって見えない。



ファールホルンの頂上から北側(ブリエンツ湖方向)を見る

北側は、ブリエンツ湖の一部が見え、左手にセギスタール湖(Sagistalsee)が青く横たわり、右手にシュローブホルン(Schtoabhorn 2374m)突き出している。しばし眺めてファールホルン小屋のテラスで休み、スープとパンで昼食とする。先はまだ長いが5dlのビールを飲む。




ファールホルンを振り返る メンドレネン小屋(2,344m)へ向かう途中の雪渓

ファールホルンからは最初は急な下りで、直ぐ緩やかな下りになる。4000m峰がズラリと見えるはずだが、霞んでよく見えない。暫く快調に歩いて振り向くと北面が切り立ったファールホルンが以外に高く聳えて見える。途中大きな雪渓を横切る。6月下旬近くまで今年は寒かったそうで、そのせいか残雪が多いように思う。雪渓を過ぎ、急な下りをおりるとメンドレネン小屋(Berghaus Manndlenen)だ。休まずに先に進む。

メンドレネン小屋を過ぎてファールホルンを見ながら歩く 折り返し地点からセギスタール湖を見下ろす。
ブリエンツ湖が霞んで見える

メンドレネン小屋を過ぎると歩く方向が西向きから北東の向きになる。右手前にファールホルンを見ながらガレ石の道を緩く下る。正面下にセギスタール湖が見える地点で今度は急に折り返し西向きに歩く。ここからはセーギス谷を右に眺めながら、インドリ・セギッサ(Indri Sagissa 2464m)とウスリ・セギッサ(Ussri Sagissa 2420m)の北斜面を西へトラバースしながら進む。途中簡単な避難小屋を過ぎエッグ(Egg 2125m)という緩い峠を越える。


ウスリ・セギッサの山を後ろに見て草地を進む

ウスリ・セギッサの山が後ろになった辺りから、周りは草地が多くなる。
メンドレネン小屋からこの辺まではなだらかな道が続いたが、距離が長いせいか疲労感がでる。途中軽い頭痛もして、体調がもう1つ。



ウスリ・セギッサの尾根越しに広がるベルナーオーバーラント三山

今までセギッサ山で遮られていたベルナーオーバーラント三山がちょっとの間雲が切れて左手に顔を出した。もっと晴れていれば絶好の展望地だと思う。
ラウバーホルン(Lauberhorn 2472m)やメンリヒェン(Mannlichen 2342m)もユングフロウの手前に見える。


中央はアイガー (3970m)、その右がメンヒ(4099m)、更に右の雲の陰にユングフラウ(4158m)


ロウヒャーホルンの山腹からシーニゲプラッテの山を見る 左はインターラーケンの街、
右はブリエンツ湖

ユングフロウ三山を眺めながら進むとロウヒャーホルン(Loucherhorn 2230m)の山腹を巻くように北に向かう。ここからようやく今日の目的地シーニゲプラッテ駅(Schynige Plate Station 1967m)の建物が遠望できる。山の右がオーバーベルグホルン(Oberberghorn 2069m)で左がシーニゲプラッテ山(2100m)で,その左肩に駅がある。
オーバーベルグホルンに行くトレイルと分岐する辺りからブリエンツ湖とインターラーケンの街を見下ろせる。トゥーン湖方面も見えるはずだが、霞んでいてはっきりしない。

ウスリ・セギッサの剥き出しの褶曲地層

ここまでくればシーニゲプラッテの登山鉄道の駅はもう少し。途中振り返ると縦に湾曲した地層がむき出しになった山が見える。近くでは分からなかったが、山腹を歩いてきたウスリ・セギッサの山だ。どんな風に地面が動いたのだろうか。迫力満点だ。

駅に着く前のちょっとした登りが結構応える。駅に16時半着、17時01分の電車に乗った。ここでの最終は17時53分。
駅からベルナー三山が良く見えるずだが、雲が広がりピークは見えなかった。

今日は途中で頭が痛くなったりして体調がもう1つだったが、アップダウンがさほど無いので助かった。





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