ラガッツォーイ・グランデ(Lagazuoi Grande)


カナッツェイ(Canazei)からコルチナ・ダンペッツォー(Cortina d'Ampezzo)の少し手前のポコル(Pocol)まで車で移動途中に、ファルツァレーゴ峠(Passo di Falzarego)に車を置き、ラガッツォーイ・グランデの周りを反時計方向に歩きました。ラガッツォーイ・グランデとは北ラガッツォーイ(Lagazuoi nord、2804m)、中ラガッツォーイ(Lagazuoi mezzo、2750m)、南ラガッツォーイ(Lagazuoi sud 2835m)などの南北に走る山群を指すもので、ロッククライミングの山としても知られているようです。広々とした大展望や要塞の跡や奇岩の数々、それにトッファーナの山など、歩くにつれて次々と景色が変わり、特徴あるドロミテの山を満喫することができます。

ラガッツォーイ・グランデ西面、
トレイルは壁の直下にある  
(ラガッツォーイ・ピッコロ山頂から
参考地図  
Tappeiner 106 Cortina e dintorni 1:2500

インターネット情報
 リンク ;Summitpost Org.(英)  Lagazuoi grande
     
歩いた日; 2005年7月28日
コース;Rif. Ragazuoi-(15min)Lagazuoi Piccoro-(15min)Rif. Ragazuoi-(45min)Forc. Travenanzes -(25min)Forc. Gasser Depot-(35min)Forc.Grande(昼食45min休憩)-(45min)Alpe di Lagazuoi-(30min)分岐-(30min) Rif. Ragazuoi
{合計4h  標高差255m  最高点2762m}



ファルツァレーゴ峠(Passo di Falzarego) からゴンドラで一気に巨大な崖の上の頂上駅・ラガッツォーイ小屋(Rifugio Lagazuoi)に着く。良い天気のせいかここも沢山の人。

ラガッツォーイ・グランデのハイキングのコースに入る前に、先ず、小屋の左手に少し小高く見えるラガッツォーイ・ピッコロ(Lagazuoi Piccolo)に登る。




ラガッツォーイ小屋前からのピッコロの頂上



ピッコロの頂上には十字架が建っている。
天気は快晴。ドロミテに入ってから暑い。そのせいか、少し遠くがかすんでいる。それでも360度の大展望。 西南西の方向には、マルモラーダ(Marmolada、3343m)の山が見え、氷河が頂上付近にあるのが良く分かる。ドロミテでは唯一の氷河だそうだ。

ピッコロ山頂





 マルモラーダ山


遠くにチベッタ山(うっすら見える)、
手前はチンクエ・トッリのアヴェロウ山
奥; 右からローゼスとメッツォとデントロ、
手前; ラガッツォーイ・グランデの山

南の方に目をやると、遠くうっすらとチベッタ山(Mte. Civetta, 3220m)が見え、その前には特異な山の形をしたチンクエ・トッリ(Cinque Torri)のアヴェロウ山(Averau, 2649m)が見える。
東の方向には、トッファナ(Tofana)三山のローゼズ(Tofana di Rozes、3243m)と、その左にメッツォ(Tofna di Mezzo 3244m)とデントロ(Tofana di Dentro, 3236m)とがニョキッと聳えていて、その手前にこれから周りを歩くラガッツォーイ・グランデの山並が見える。

ピッコロで展望を楽しんだ後、ラガッツォーイ小屋の前に戻り、ラガッツォーイ・グランデのハイキングコースに入る。

砂礫の下りで右手に何ヶ所ものトーチカがある要塞の前を通る。第一次大戦でオーストリアとイタリアなどが戦った最前線の跡が生々しく残っている。岩をくりぬいた銃眼の1つを覗いてみたが、ゴツゴツとした岩が見えるだけ。ひどい所で戦ったものだ。

前方にラガッツォーイの岩山が大きく見え出す。途中分岐があり、時計回りで歩く場合は左に行くが、時計回りと逆に歩くのでまっすぐ進む。

ラガッツォーイ・グランデに向かって下る



トラヴェナンツェス峠から南を見る、
急な砂礫のトレイルの下は
ゴンドラ乗り場のファルツァレーゴ峠

トラヴェナンツェス峠から  拡大→
トラヴェナンツェス谷(北東)を見る、
ラガッツォーイ・グランデのトレイルは左の斜面

ラガッツォーイ・グランデの山を左真上に見て斜めの砂礫を横切ります。ここからは歩く人がガクンと少なくなり、見えるのは遥か前を行く一組のパーティーと、すれ違った3人のパーティーのみ。

ざらざらの急な坂を滑り落ちないように登り、岩と岩の隙間のようなガッサー・ディポット峠(Forcella Gasser Depot)に着く。岩が垂直に立ち上がっている。



ガッサー・ディポット峠への登り


拡大→




トッファーナ山群の三山、ローゼス、メッツォ、デントロがぐんと大きく見える。





トファーナ三山


ガッサー・ディポットを越えると少し下り、その後はグランデ峠(Forcella Grande)への急な登りになる。周りの山と言おうか岩と言おうか、とにかく形相が凄い。ジグザグの登りを数回くりかえしてようやくグランデ峠に着く。









グランデ峠への登り

拡大→



グランデ峠をちょっと越えた所に小さな避難小屋があり、その近くがやや広い岩棚になっていて絶好の休憩場所。腰を下ろし昼食。
峠の北側の壁には何ヶ所かハシゴや固定ロープが設置されていて、何組ものクライマーが取り付いているのが見える。
ゆっくり休憩して、西側へ下りる。西側のトレイルは、今来た以上にざらざらな感じ。
下りだして直ぐ左右に分かれる分岐に出る。たしか標識が無かったように思うが、右はラガシオ湖(Le De Lagacio)に下る道で、左に道をとりラガッツォーイ小屋(ゴンドラ頂上駅)に向かう。

グランデ峠


ラガッツォーイ・グランデ山群の西壁の下の岩の間を抜けて、砂礫の斜面に作られた一雨降れば無くなりそうな細いトラバースのトレイルを歩く。滑らないよう注意して歩く。

岩の間から、ラガシオ湖が小さく見える    拡大→
ラガッツォーイ・グランデ
西壁の横を歩く
右上はラガッツォーイ小屋(頂上駅)

石がゴロゴロした所に出てラガシオ湖から来る道と合流し、トレイルは広くなり一安心。あとはラガッツォーイ小屋までの最後の登りを頑張って周回ハイキングは終わる。



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