ピッツ・ボエ(Piz. Boe)

ピッツ・ボエはセッラ山群(Gruppo del Sella)の中で中心をなす山です。
カナッツェイ(Canazei)からレンタカーでへアピンカーブの道をクネクネと回りながら標高差800mを上るると、ポルドイ峠(PassoPordoi )の駐車場に着き、ここから垂直に上るようなゴンドラで更に一気に標高差700mを稼いでポルドイ峠の山頂駅(Sas de Pordoi, 2950m)に着きます。下を覗くと僅かに緑が見えるが、それ以外は完全に砂と岩の世界です。
交通が不便な所なので、静かなところと思っていたが、とんでもない、東洋人こそ一人も会わなかったが、ゴンドラは満員、歩いているハイカーもいっぱい。3000mを越える山頂に立つことができるので、人気スポットのようです。
山頂駅からピッツ・ボエの頂上(3150m)へはさほどの標高差が無いので簡単かと思っていたが、車とゴンドラで一気に3000m近くに上ったせいか、登りは結構きつく感じた。鎖場が登りに3ヶ所と下りに1ヶ所あるが、特に危険な所ではない。ただ、悪天候や積雪がある場合は避けたほうが良いと思う。


参考地図
Topografica 06 Val di Fassa 
1:25000
ピッツ・ボエの全景          拡大→ 
ポルドーイのハイキング・スタート地点近くから  

インターネット・情報
    リンク;Summit Post org.(英) Piz. Boe

歩いた日;2005年7月27日

コース;Sas de Pordoi-(15min)Rif. Forcella pordoi-(20min)分岐-(1h)Piz. Boe(昼食休み50min
//////////(45min )Rif. Boe(休み25min)-(35min)分岐-(25min)Sas de Pordoi
//////////[合計3h20min 標高差 444m 最高点3152m]


ポルドイ山頂駅を下りて右に行くと、ピッツ・ボエの登山道になるが、その前に少し左側に行って見ると、展望の良い所があります。

山頂駅横からのポルドイ峠(下)と
マルモラーダ山(左上)
すっぽりと空いた吹き抜けの岩




ポルドイ峠の駐車場が眼下に広がり、ピークが雲の中でしたがドロミテで一番高い山のマルモラーダ(Marmolada、3343m)が望まれます。

更に少し行くと、大きな穴がくりぬかれたような岩があり、覗くと走ってきたヘアピンカーブの道の一部が良く見えます。



もう少し行くと、その先は700mほども完全に切り落ちていて行き止まりです。正面にサッソルンゴ(Sassolungo, 3181m)が聳え、その下にセッラ峠(Passo Sella)が見えます。

まだ殆ど歩いていないのに、「ウーン、これがはるばる来たドロミテか」と、ちょっと感激する瞬間です。


サッソルンゴの山(正面)とその下にセッラ峠。


右中央に数人が座っていますが、へさきのような所で前と左右は下まで何にもありません。見ているだけで足がゾクゾク・ムズムズとしてきました。




ポルドイ山頂駅に戻ってピッツ・ボエのトレイルに入る。
台形の形をしたピッツ・ボエの山を正面に見て歩きだします。次第に下りが急になり、下り切った所でフォルチェラ・ポルドイ小屋(Rifugio Forcella Pordoi, 2820m)の前に出ます。下のポルドイ峠からゴンドラに乗らずに歩いて登る場合はここに出るようです。ザラザラの急な谷ですが見ていると結構登ってくる人がいるからすごい。

小屋を過ぎ、なだらかなトレイルを進むと、ボエ小屋(Rifugio Boe)に行く分岐にでる。これを真っ直ぐ進む



フォルチェラ・ポルドイ小屋とポルドイ峠を結ぶトレイルの谷、
写真の上の方にある点々はゴミではなく鳥です




ゆるい登りになる。周囲は岩、岩、岩。
左遠くにはサッソルンゴがそびえ、その前に荒々しく切れ落ちた山が横たわる。次第に勾配がきつくなる。途中3箇所の鎖場があり、小さな行列ができる。小さな子供に紐をつけて登る家族ずれもおれば、犬を連れた人もいる。
容赦のない太陽が照りつけ暑い暑い。湿度が高いのか遠くの山が少しかすんで見える。

ピッツ・ボエの登りの途中から見る
サッソ・ルンゴと切れ落ちた山


拡大→


最後の急な登りを過ぎて頂上。沢山の人が休んでいる。頂上には山小屋(Cap na Piz Fassa)があるがそのテラスもいっぱい。
外に場所を確保して昼食。写真を撮りに場所を離れて戻ると、Mieが何処にいるか分からないほどの混みようだ。




頂上、Mieはどこ



ゆっくり休んで、登ってきた方向とは反対側に、ボエ小屋(Rifugio Boe)に向かって下りる。
(ボエ山頂の小屋の名前がボエ小屋でないのがややこしい)

頂上からマルモラーダ山(ピークは雲の中)を見る  頂上からの下り始め



ザラザラ道が続く。面白い形の岩があちこちに見え、楽しい下りだ。途中急な下りの鎖場が1ヵ所ある。どんどん下ったところでボエ小屋にでる。ここも沢山の人だが、小屋の周りは広い岩棚のような所で、思い思いのところで休憩ができる。





頂上からボエ小屋への下り道



ボエ小屋からはピッツ・ボエの崖下を回るように歩き、登るときにあった分岐点に戻る。ここからは来た道を登り返してボルドイ山頂駅に着いた。

ゴンドラに乗り、ボルドイ峠の駐車場に戻りると、いつの間にか雲がすっかり無くなっていた。
気分良くカナッツェイまで、ヘアピンカーブの道を引き返した。







サッソルンゴ(Sassolunngo)
ポルドイ峠やポルドイ山頂駅、それにピッツ・ボエの山から見えたサッソルンゴの山は、見る角度によって、大きく山の形が変わります。

美しいのはピッツ・ボエとは反対側のアルプ・ディ・シウージ(Alpe di Siusi)から見るのが一番と言われているので、カナッツェイに行く途中、オルティセイ(Ortisei)からゴンドラに乗り、アルプ・ディ・スイージに立ち寄りました。
サッソ・ルンゴが緑の草原の中に際立った美しさを見せておりました。この草原を歩くハイカーも沢山いました。7月初旬あたりは一面のお花畑になるようです。行ったのは7月26日でしたが、花はほとんど無く、牧草として刈られた後のようでした。

セッラ峠から見るサッソルンゴは、目の前に迫って見えますが、ピッツ・ボエ近辺から見たのと似た形をしています。
アルプ・ディ・スイージから見る   拡大→
サッソルンゴ
   
セッラ峠から見るサッソルンゴ



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