トレ・チーメ・ディ・ラバレード(Tre Cime di Lavaredo)


ドロミテと言えば、トレ・チーメ・ディ・ラバレードの三つの巨岩が頭に浮かびます。やはりここを歩かないで帰るわけにはいかない、ということで、車でコルチナ・ダンペッツオー(Cortina d'Ampezzo)からミズリーナ湖(L.. di Misurina) を通り、アウロンツォ小屋(Rifugio Auronzo) 前の駐車場まで走ったが、道が分からず苦労した。
コルチナ・ダンペッツオーでは、交差点からの道が進入禁止で入れず、ダンペッツオーの町を何度も行ったり来たりさせられた。途中の幾つかの分岐路ではどっちに入るのか判らず聞きまくった。ミズリーナからドロミテに入る道は有料道路で20ユーロもとられた。

車はなかなか大変だったが、トレ・チーメのトレイルは快適そのもの。トレ・チーメの三つの岩は、もちろん迫力があったが、その周りに見える山も特徴があって見ごたえがありました。
歩いた時は沢山のハイカーでした。静かな山歩きを楽しみたいと思う人には、歩く時期を考える必要があるようです。
綺麗に巨岩がバランスよく三つに見えるのは北側からだけで、少なくともラバレード小屋(Fifugio Lavaredo)を越え、ラバレード・パテンサッテ峠(Forcella Lavaredo Patensatte)までの約1時間は歩かないとその美しさは見られません。トレ・チーメでは北側が表で南側は裏ということになります。
ロカテッリ小屋から見るトレ・チーメ


インター・ネット情報
    リンク:Summitpost.org (英) Tre Cime di Lavaredo(Drei Zinnen)  

歩いた日; 2005年7月29日

コース;Rif. Auronzo Car Park-(30min)Rif. Lavaredo-(25min)Forc. Lavaredo Paternsatte-(40min )Rif. Locatelli-(1h15min)Langalm−(45min)Rif. Auronzo car Park
[合計3h35min   標高差300m   最高点2438m]



ダンペッツオーから1100mほどの標高差を車でどんどん上ってきたので、出発点の駐車場は既に2300mの標高になっている。駐車場からアウロンツォ小屋は目の前。


正面の岩山がトレ・チーメのはずだが、壁が大きく広がってそびえているだけで綺麗なトレ・チーメとは程遠い形をしている。この岩の壁に沿って平坦な広い道を歩く。
右手を見ると、にょきにょきと林立する峰が見える。カディン山群(Gruppo dei Cadin)の一部のようだ。トレチーメの周りにもすごい山が幾らでもある。





カディン山群






アウロンツォ小屋
           トレチーメ南面 


少し歩いて振り返ると、歩いて来たトレイルと歩き始めたアウロンツォ小屋が小さく見える。

歩くにつれ、左の岩の壁が幾つかに分かれて見えるようになり、トレ・チーメらしくなってきた。



ラバレード・パターンセッテ峠から見るトレ・チーメ

更に進むとラバレード小屋(Rifugio Lavaredo)に着き、平らな道は終わる。ここから峠に向かっての登りになる。道は斜面をトラバースしながら直登するトレイルと、ジグザグに登る右側のトレイルに分かれるが、どちらのトレイルも峠に出る。緩い方の右を登った。

次第にトレ・チーメの姿がはっきりしてくると、ラバレード・パターンセッテ峠(Forcella Lavaredo Paternsette)に着く。

三つの岩の名前(イタリア語 / ドイツ語)は

左が  チーメ・ピッコラ(Cime Piccola;小)
     / クライネ・チンネ(Kleine Zinne)、 2857m
中央が チーメ・グランデ(Cime Grande;大)
     / グロッゼ・チンネ(Grosse Zinne)、 2999m
右が  チーメ・オベスト(Cime Ovest;西)
     / ヴェストリッヒ・チンネ(Westlich Zinne)、 2973m

峠から550mほどの高さで突き出ている。

チーメ・ピッコラの岩に取り付いているクライマーの姿が峠から見えました。



峠からロカッテリ小屋への道

 トレイルは、不規則な岩をぎっしり寄せ集めたようなパテルノ山(Mte.Paterno)の下の斜面を北に向かいます。上側を歩く細いトレイルと下側を歩く一般道の広いトレイルの2本がありますが、ロカテッリ小屋(Rifugio Locatelli)の前で一緒になります。今日はヨーロッパ・アルプス山歩きの最後の日なので、のんびり歩ける一般道を行くことにする。
ほとんどが平らで、最後に坂を登ればロカテッリ小屋の前に出る。広々としていて展望も良く気持ちが良いが、沢山の人だ。
今日は太陽光が強すぎるのだろう、日差しを避けた人で小屋のレストランの中は身動きができないほどの満杯状態。少し待って止まり木の小さなテーブルを確保し、ビールで乾杯。持ってきたパンと果物を食べる。




レストランを出て、パテルノ山の方向を見ると、尾根の下にトレイルが見え少し登れそうなので歩いてみた。なかなかの展望で、特にロカッテリ小屋の方向は素晴らしい眺めだった。                          


パルテノ山の尾根方向に少し登った地点からのロカテッり小屋。   
峠からロカテッリ小屋へ来る道、
(右下のレイルと左上の狭いトレイル)
拡大→ パルテノ山





ロカテッリ小屋から西に向かい周回して駐車場に戻る道をとる。下り道の途中からパルテノ山の何本ものローソク状の奇岩が見える。


パルテノ山

拡大→


下りきった辺りは草地で、気持ちの良い静かな場所。ここから少し登り返すと、またトレ・チーメが見え出す。ちゃんと三つの岩が見えるが、良く見ると左右の岩が入れ替わっている。一番左のピッコラの岩は、グランデの岩の影に隠れて見えず、その代わりに、右にランドロ山(Sasso di Landro;2736m)が姿を現しバランスをとっている。だまし絵のようで、ちょっと面白い。



トレ・チーメ、 左から
 ・チーメ・グランデ
 ・チーメ・オベスト
 ・サッソ・ディ・ランドロ



メッツォ峠の
手前付近で


草地が続き、更に緑が濃くなった辺りに小屋がある。道標にはラングアルム(Langalm)とあった。ここから登りになり、メッツォ峠(Forcella di Mezzo)を越える。この辺りからはトレ・チーメの形も判然としなくなる。峠を越えると、後は淡々と駐車場まで歩きトレ・チーメのハイキングが終わる。そして今回のヨーロッパ・アルプスの山歩きも無事終わった。


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