ツトコ・バレー(Tutoko Valley)



ツトコ・バレー(Tutoko valley)は、フィヨルドランド国立公園の中で一番標高の高いツトコ山(Mt Tutoko 2723m)から流れ出るツトコ川(Tutoko River)の谷を遡るルートです。ミルフォード・サウンドの近くで、標高が極めて低い所を歩きます。トレイル・エンドからは、聳え立つツトコ山と左右に迫る急峻な山群を眺めることができます。
しかし、トレイルはコケとシダで覆われたブナの林で、途中、殆ど視界が利きません。しかも、木の根と水溜りとドロが続く悪路です。フィヨルドランド国立公園の樹林帯がどのようなものかを「これでもか、これでもか」と知るにはもってこいのルートです。
ルートには、オレンジ色のポールが立っていて、見失わないように歩けば危険な所はありませんが、足元はドロだらけになるのを覚悟しなければなりません。しっかりした靴とストックとスパッツは必須です。
トレイル・エンドから、ツトコ山とツトコ川 
歩いた日:2008年12月06日
 現地で入手する情報
DOCで
・地図(有料):ミルフォード・トラック(The Milford Track)
・パンフレット(無料):
        フィヨルドランド国立公園デイ・ウォーク
        (Fiordland National Park Day Walks)
コース:
Car Parkー(3h40min)川原ー(10min)最終点(Lunch Time 40min)ー(3h25min)Car Park
合計時間:7h05min 標高差:200m 最高標高:230m



橋の上から、ツトコ川とツトコ山のピーク(左)



快晴なので、ホーマー・トンネル(Homer Tunnel)近くのゲートルード・サドル(Gertlude Saddle)を登ることも考えたが、我々夫婦2人には少し危ないのではと考え、危険度の少ないツトコ・バレーを歩くことにした。
ミルフォード近くのミルフォード・ロッジ(Milford Lodge)に泊まっていたので、スタート地点の駐車場は直ぐ分かったが、テ・アナウ(Te Anau)方面から来る場合は見つけにくい。ミルフォード道路(Milford Road)のホーマー・トンネル(Homer Tunnel)を過ぎ、どんどん下ってほぼ平になって左にカーブした所に橋がある。この橋の手前の右側が駐車場で、車をここで止め橋を渡ります。

橋の上は展望場所(Lookout)になっていて、僅かですがツトコ山のピークを見ることができます。


 



ミルフォード道路脇にあるトレイル入り口の標識



橋を渡った右側にツトコ・バレーの標識があり、ここから林に入ります。うっそうとしたブナの林でシダとコケが生い茂り、林以外は何も見えなくなる。最初は比較的綺麗なトレイルだが、次第にぬかるみが増え、たちまち靴はドロだらけになる。





約1時間近く歩いて右手に林が少し切れた所があり、ようやく山の姿を見ることができる。谷から急に立ち上がった山群で地図を見ると標高は2200程度だが、歩いている所が海抜100mも無いので、覆いかぶさるような迫力を感じる。

木の間から見えた山群


しかし、山が見えたのもつかの間、またまた深い林に入る。シダもコケも更に増え、まるで密林。ドロ田のような水溜りが続き、幾つかの小川も現れ、飛び越えたりジャブジャブと渡ったり、これを延々と繰り返す。木の根も複雑に絡み合い、スムースな足の運びができない。幾ら歩いても見晴らしが利かず密林から抜け出せない。何時かスパーと見晴らしが良くなる筈だと信じて歩き続ける。

歩けども歩けども、コケとシダとブナの密林


ツトコ山



歩き始めて3時間40分(パンフレットでは3時間)、やっと川に出た。大きな×印のマークがあるが、ここからの展望は良くない。踏み跡が林の中に続いているので更に進むと、やっと出た。ブッシュと草地のさほど広くない平地に出、展望が開けた。
ツトコ川の右手にツトコ山(Mt Tutoko 2723m)が聳えている。幸い快晴が続いていてピークが見える。




川の正面は氷河を乗せた白い山が聳えているが山の名前は分からない。左手には地図を見ると標高1900m程の山群で絶壁となって立ち上がっている。

左手:標高1900mの山群         中央:氷河の山(名前?)          右手:ツトコ山(2723m)   


左手の絶壁に樹木が這い上がっていてその間から滝が流れ落ちている。右側にも川を挟んで絶壁が立ち上がっている。恐らく左右の絶壁は、昔氷河に削り取られてできた壁だと思う。

左側の絶壁 ツトコ川を挟んだ右側の絶壁


広場で、昼食をとり休憩。昼食後更に先へ進めないかルートを探してみたが、この先はまた林になっていて、目印のポールも無く、踏み跡も不明瞭なので、ここをトレイル・エンドとして引き返した。帰りも、もちろん、ドロとの長時間の闘いだった。
途中会ったのは若い男女2組だけでした。




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