マウント・ハーバート(Mt Herbert)


クライストチャーチの南に、丸い形をしたバンクス・ぺニンシュラ(Banks Peninsula)という半島がある。マウント・ハーバートは、この半島の北側にあり、リトルトン・ハーバー(Lyttelton Harbour )湾の外輪山の一角をなしている。バンクス・ペニンシュラでは最も高い山で、標高 920mの高さがある。ほとんどが牧草地で、見晴らしはどの場所からも良く、360度の展望を楽しむことができる。
 マウント・ハーバーとはクライストチャーチからはポート・ヒル(Port Hill )の陰になり、市街からは見えないが、ポート・ヒルに登るとリトルトン・ハーバー(Lyttelton Habour) の対岸になだらで静かな山容を見ることが出きる。
8月2日から10月2日までは羊の出産期のため、山はクローズとなり、入山できない。

インターネット情報

 *リンク
  ・Mt Herbertのコース案内(英):Mount Herbert Walkway
 登り口までの定期船便(英) :Diamond Harbour Ferry

現地で入手する情報
 マウント・ハーバートを紹介する単独のものは見つからなかったので、少しもったいないが、バンクス・ペニンシュラ(Banks Peninsula)の案内書を購入した。クライストチャーチのDOCで一冊$9.50。Mt Herbert が詳しく載っており、またその周辺も分る。
 ただ、フェリー(小さい連絡船)を下りてから登山口への道が分からず、結局店の人に教えてもらった。また、途中の時間配分が分からず、フェリーの最終便に、危うく遅れる所であった。案内書も万能ではない。
 

コースの状況
 なだらかで道も悪くないが、海抜0mから登るので、結構時間がかかる。日陰になる木がないので、晴天の場合は暑さ対策を考えておく必要がある。途中のシェルター(Shelter)で水の補給ができるとインターネットの案内には書いてあるが、できたかどうか肝心な点のチェックができていない。
 山全体が私有地。羊と牛の放牧地になっていて、至る所に彼らの糞が落ちている。牛のやつはでかい。時間が経って乾燥しているのはまだ良いが、ついさっきの生のやつは要注意。よそ見厳禁!靴のゴム底の溝に着いたやつは、へばりついて簡単には落ちない。まるで接着剤のようだ。帰ったら直ぐ溝の一つ一つを丁寧に削り取るようにして取っておかないと、ほのかな臭いで他の人に迷惑をかけることになる。
 Shelter から公園 までの下りの間は、牧草地用の道と登山道の区別がはっきりしていない所が多い。何度も戻り、道を探すはめになり、時間をロスした。危険な所は何もないが、遅い出発時刻の場合には、登ってきた道を引き返すのが無難と思う。

登り口までの交通
 シティー・センター(City Centre)から28番のリトルトン(Littelton) 行きに乗り、フェ
   リー乗り  場下車。
私の場合は、バスの乗り換えが必要で、船着場までの時間が
   読めなかったため、B&B
からタクシーにした。City Centerより少し遠い所から
   $24.00。

 リトリトンのフェリー乗り場から、対岸のダイアモンド・ハーバー(Diamond Harbour)まで
   
の予 約は要らない。乗ってからチケットを買う。往復の場合は券をくれる。乗車時間
   15分
、往復 $8.00

歩いた日 2002年10月30日

コース
  Diamond Harbour−(40min)Track Entrance -(10min)Farm入口 -(4h )Mt herbert -(30min)Shelter.休憩 -(55min)Mt Bradley分岐 -(2h15min) Orton Bradley Car Park -(30min ) 道路標識 -(1h ) Diamond Harbour / Total 約20km 9.5h (Standard 7h−9h)

 湾を渡り、フェリーは対岸のダイアモンド・ハーバーに着く。7〜8人の乗客で 山に登る格好をしているのは我々夫婦のみ。車道の道を歩くが、トラックの入口が分からない。まばらな住宅のある車道を2〜3度行きつ戻りつして、結局分からず小さな店の人に聞く。海岸線にそった車道を暫く行くと小さな看板があるとのこと。船から下りてすぐ車道の下の歩道を歩けば、入口が分かりやすかったようだ。
 登山入口は細い小川に沿ってある。ブッシュ状の木の中を歩くと、小さな車道に出、それを横切りると牧場の柵があり、看板がある。羊の出産時期(8月2日〜10月2日)は入山禁止と書いてある。柵を越えて30分ほど歩くと、木もブッシュも無くなり、完全な牧草地になる。道には目印のオレンジ色のポールが丁寧に立てられている。何度も柵を越える。登るに従いリトルトン・ハーバー、ポート・ヒル、その向こうにアルプスの白い山並、左手に特異な形をした岩山のザ・モニュメント(The Monument)という山が見える。更に登ると、アルプスまで続くカンタベリー(Canterbury)の平野の広がりが見えてくる。太陽光線が暖かい。

 雪が所々残っている。一昨日の寒い日に降った雪が残っているようだ。ようやくなだらかな頂上に着く。南のバンクス・ペニンシュラの山並とその先の海岸線も見える。しばし360度の展望を楽しむ。
Mt Herbert 頂上からPort Hill 方向 
  
下りは、シェルターに向かって下る。次第に周り一面が真黄色になる。エニシダの花が、凄い棘がある。全山を覆い尽くさんばかりだ。
 
Mt Herbert からShelter へ下る道。
前方に花で黄色に染まった マウント・ブラドリー(Mt Bradel、855m) とその先にレイク・エルスメアー(Lake Ellesmere)、更にその向こうは太平洋

 湾とポート・ヒルが一望のもとに見える所にシェルターがある。北向きに作られた日当たりの良い小屋で、眺めも素晴らしく、40分もゆっくりとスケッチをする。これが、後で慌てる原因になった。
Mt HerbertのShelterから、
Littelton Harbourと Port Hill(向かいの山)と遠く
のアルプス     スケッチ

 シェルターrを出てすぐマウント・ブラッドリー(Mt Bradley)への道と分かれ、下り道をとる。色々のポールが立っていてるのと、放牧用の柵が複雑に作られており、どれが登山道か良く分からない。何箇所かで間違い、戻ることを繰りす。大きな牛が前を遮り迂回することも何度かあった。
 大分時間を費やしたが、オートン・ブラドゥリー(Orton Bradley)の大きなフェンスに着いたのが17:15。19:00の最終の船にはまだ大分あるし、後は平地の車道を歩けば良いと、綺麗なトイレで汗を拭き、公園内の石楠花の花が咲く遊歩道を回り、ダイアモンド・ハーバーへの車道に出た所で17:45。そこに「ダイアモンド・ハーバーまで6km」の道路標識が立っている。1時間15分であと6km。ンーンム、やばい、びっくりして疲れた身体に鞭打ち必死で歩く。
 暫くすると、ジョギングの若い娘さんが後ろから追いついてきて、何処まで行くのか聞く。歩きながら説明すると、途中の家に住んでいて、もし遅れそうなら車で送ってくれるとの話。有り難い。少し心に余裕ができ、女房も元気になる。高台を行く道路で綺麗な景色のはずだが何も覚えていない。彼女の家の近くで船の時間の35分前。少し危ないということで、結局車に乗せて送ってもらう。19:00の船に無事乗れた。太陽は、夜の9時過ぎまで高いのに、なぜ最終のフェリーがこんなに早い時間なのかと、ぶつぶつ言い、長い1日は終わった。



The Port Hill ヘ戻る     Avon River, Halswell Quarry へ進む