F ラウバーホルン(Lauberhorn)


ユングフラウヨッホへの登山鉄道の起点・クライネ・シャイデックから氷河の山を見て後ろを振り向くと緑に覆われた小高い山が見える。これがラウバーホルン(Lauberhorn 2472m)です。近くのメンリッヒェン(Mannlichen 2239m)からの展望は有名ですが、ラウバーホルンの方は、登る人は少なくのんびりと360度の素晴らしい展望を楽しめます。今回はヴェンゲン(Wengen)側の登山鉄道の中間駅・ヴェンゲルンアルプを基点にして歩きました。登りの道は、スキーのアルペン三大クラシックレースの1つヴェンゲン・ラウバーホルン大会の滑降コースの前半部分を歩くことになります。

下の写真はシルトホルンヒュッテから見るラウバーホルン
(ラインは歩いた所、青色は登り・黄色は下り)

参行地図:2520 Jungfrau Region 1/25000


歩いた日:2010年7月04日
コース:Wengernalp-(1h50min)Lauberhorn(30min Lunch)-(45min)Kleine Scheidegg(10min 休み)ー(25min)Haareggー(50min)Wengernarp   
合計時間:3h50min(総時間4h30min)  標高差:登り637m 下り637m 最高標高:2472m 

朝から雨。次第に明るくなっていくようなので、歩く用意をしてホテルの部屋で待機した。幸い9時頃には雨が止んだ。遅い出発なので、歩いてみたいと思っていたショートコースのラウバーホルンに行ってみることにした。クライネシャイデックからだと近いが、往復2時間足らずで済んでしまうので、登山鉄道の中間駅ヴェンゲルンアルプ(Wenrernalp)駅からの周回コースで歩くことにした。

車窓から見るラウターブルネンの谷、
谷奥はシュマドリバッハ滝


ラウターブルネン(Lauterbrunnenn)駅でクライネシャイデック行きの登山鉄道に乗り換え途中の駅のウェンゲルンアルプに向かう。車窓からはラウターブルネンの深い谷(Lauuterbrunnental)が見え出し、谷奥のシュマドリバッハ滝(Schmadribach Falls)が望めます。
景色を楽しんでいる内に40分程でヴェンゲルンアルプの駅に着いた。




ヴェンゲルンアルプの駅には10数名のハイカーが下りたが、ラウバーホルンに登る人はいなかった。
雨は降りそうもないが、空全体に雲。それでも、ベルナーオーバーランド三山のアイガー・メンヒ・ユングフラウのピークが目の前に広がり、ゼフィネンタールのグスパルテンホルンやシルトホルンも右手に見え、ハイキングスタート地点から既に展望抜群。

ベンゲルンアルプ駅からのアイガーとメンヒ ベンゲルンアルプ駅から
グスパルテンホルン(中央)とシルトホルン(右)



ラウバーホルンの上り口は駅から線路沿いにヴェンゲン方向に少し戻った右側にあります。ユングフラウを背にしてジグザグの登りを進むと岩がむき出しになった間を通ります。フントショプ(Hundschopf 犬の頭)という所でスキーの滑降競技の説明板があって、ここを滑り降りるらしいのですが、狭いし急だしどう考えてもここを滑るとは信じられません。岩を過ぎると一面緑の牧草地になり黄色の花で覆われた斜面にでます。登る先にラウバーホルンのピークが見え出し、曇り空ながら4000m峰のピークもみえ、その威容に迫力を感じます。

ラウバーホルンのピークが見え出す 振り向くとユングフラウ



黄色の花の絨毯越しのアイガー(左)とメンヒ(右)


地図を見るとリンデルヒッタ(Rinderhitta)という小さな小屋を通るのが正規のようだが、沢山踏み跡があってピークをめがけて一番近い踏み跡を辿る。
この辺りから斜面がなだらかになり、牧草地は一面の黄色の花でうまり、アイガーやメンヒの姿が大きくなる。通り過ぎるのがもったい気分だ。




広いお花畑を過ぎて緩やかな斜面を過ぎると、左手前にラウバーホルンシュルター(Lauberhornschulter)というスキーリフト駅が見え出す。ここから広い道があり、もう1つのリフトの駅舎があって、どれが正規のトレイルが良くわからなくなったが、問題なく頂上に着いた。
頂上はヴェンゲン側が切り立った崖なので金網付のフェンスが設けられていて、そのフェンスにラウバーホルン頂上の表示板がかけられている。不自然なのでちょっと興ざめだが、その前にベンチも設置されて休めるようになっている。頂上にはだれもいない。そういえば駅を出てから誰とも会っていない。
昼時なのでベンチに座って持参のパンで昼食。空は一面の曇だったが、360度の大展望、ぐるりと回転して写真に収めた。

ラウバーホルン頂上からの写真
南西方向  左ブライトホルン、中央グシュパルテンホルン、
右シルトホルン、崖上の町はミューレン
北西方向 下の町はヴェンゲン、
右上の霞んでいる町はインターラーケン
北西方向  手前はチュッゲン(Tschuggen 2521m)、中がメンリヒェン(Mannlichen 2344m)、奥がシーニゲプラッテ(Schynige Platte 2076m) 北東方向  町はグりんデルワルト、左の雲の中の山はシュワルツホルン(Schwarzhorn 2928m)、右はヴェっターホルン(Wetterhorn 3692m)
南東方向   手前下はクライネ・シャイデック(Kleine Scheidegg 2061m) 
左から、アイガー(Eiger 3970m)、メンヒ(Monch 4107m)、ユングフラウ(Jungfrau 4158m)



下りは色々なバリエーションがある。単にクライネ・シャイデックへ下りて登山鉄道に乗るか、クライネシャイデックからアイガー・トレイルを通ってグリンデルワルドに下るか、またはメンリヒェンへ向けて歩くのも良い。今回はクライネ・シャイデックからハーレック(Haaregg)を経由してヴェンゲルンアルプ駅に戻るコースをとることにした。

クライネシャイデックからラウバーホルンを見る


ラウバーホルンからクライネシャイデックのトレイルは左右2本あるが、どちらもおなじようなものだと思う。成り行きで右を取った。左のトレイルを通って登ってくる2組のパーティーが見えたが、クライネシャイデック側からでも、この山を登る人はさほど多くはないようだ。

クライネシャイデックに下りると、ユングフラウヨッホへの行き帰りの人で相変わらずの大賑わい。





下りのトレイルは一面の牧草地、崖上のミューレンの町が見える


階段で少し休んでからヴェンゲルンアルプ駅に戻るトレイルを歩き出した。ここには何組かの日本人のグループが歩いていた。沢山の花が咲き、ゆるい下りの牧草地で、正面にユングフラウと右手にミューレンの方向を見ながらのんびりと歩ける。
ヴェンゲルンアルプ駅に直接下りる道と別れ、アイガーグレーチャー駅から下りて来るトレイルに合流した。




合流点はモレーンの上で、ハーレックと言う表示板が立っている。ユングフラウにぐっと近づいた所で、ハンギング氷河が頭の上にせまって見える。
曇り空の中から青空がのぞき少し明るくなってきた。モレーンの上からは、登ってきたラウバーホルンが良く見える。

八ーレックから見るユングフロウ、
左はアイガーグレッチャー駅へのトレイル
ハーレック近くから見るラウバーホルン
左下裏から登り、右下に下った



晴れだした。ヴェンゲルンアルプ駅近くで記念撮影
後ろはメンヒ(左)とユングフラウ(右)


ハーレックからは下り坂で、一旦林の中に入りヴェンゲンアルプ駅へは少し登り返す。いつの間にか青空が増えてユングフラウの氷河が輝きだした。

このコースの殆どは牧草地なので、終始展望を楽しみながら歩けます。






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