G ビルクからミューレンへ (Birg to Murren)


スーツケースを別送し、ハイキングの格好でグリンデルワルトからミューレンに移動した。シルトホルンにゴンドラで上がり、帰りは歩いて下りるつもりだったが、片道切符を売ってくれない。シルトホルンからの下りは残雪が多くあり危険とのこと。仕方がないのでゴンドラでシルトホルンに行き、頂上からの景色を眺めてからビルク(Birg)の中間駅まで戻り、そこから歩き出すことにした。

シルトホルンから歩く場合のトレイルは、西向きの尾根筋を伝ってローテ・ヘルト(Rote Herd)峠からロートストックヒュッテに下りるコースと、東向きの尾根筋を伝ってシルトホルンヒュッテに下るか、グラウ湖(Grauseeli)を通ってスピルボーデン(Spilboden)に出るコースなどがある。どちらも下り始めはクサリなどがある急勾配なので雪がなくても注意して歩く必要があるようです。

今回、ビルクから下る道にも雪が多く残っていたが、広い道なので危ない所は全く無かった。雪が無ければベルナーオーバランド三山を正面に眺めながらルンルン気分で歩けそうです。
シルトホルンヒュッテから見るベルナーオーバーラント三山
(スケッチ)
参行地図:1248 Murren 1/25000



歩いた日:2010年7月3日
コース:Birg-(13min)Seewilfuhre-(10min)Grauseeliの上-(42min)Schilthornhutte(Lunch,Sketch55min)-(1h10min)Allmendhubel(Rest10min)-(30min)Murrenn
合計時間:2h45min 総合計時間:3h50min  標高差:下り1039m 最高標高:2677m


シルトホルンの回転展望台で景色を眺め、ゴンドラでビルク迄下りる。ビルクからの下りは広い道がついているが、道の上には雪が一面に残っている。転ばぬように慎重に下る。直ぐにシルトホルンとシルトホルンヒュッテを結ぶトレイルに出る。ゼーリフーレ(Seewlifuhre)と読むのだろうか標識が立っている。左下にグラウ湖(Grauseeli)が見えるので、ベルナー三山を湖越しに見るため暫くシルトホルンへ向かう坂道を登る。雪が1m以上も積もっていて歩きにくい。グラウ湖越しには先ずラウターブルネンタール奥の山とゼフィネンタールの山々が見え出す。その右にはシルトホルンが正面に大きく聳える。ゴンドラからも確認したが、シルトホルンのトレイルは大方残雪で覆われていて、片道切符を売ってくれなかったのもうなずける。

グラウ湖越しのラウターブルネンタール奥の山とゼフィネンタールの山  
左からブライトホルン(3780m)、チンゲルスピッツ(3304m)、グシュパルテンホルン(3436m)、ビュートラッセ(3193m)
シルトホルンを見上げる
(トレイルは左上の稜線に続いている)



なおも進むとグラウ湖越しにベルナー3山が見え出す。グラウ湖へ下りる分岐まで進んでゆっくり景色を眺める。下の写真の左側の黒いピークが歩き始めた中間駅のビルクで、その前が歩いてきた道。午前中はちょっと逆光だが、それでもベルナーオーバーランドの4000m峰が続く山並みは美しい。

グラウ湖越しに見るベルナー三山とそれに続く山並み 
左からアイガー(3970m)、メンヒ(4107m)、ユングフラウ(4158m)、グレッチャーホルン(3983m)、エブネフルー(3962m)、ミッタクホルン(3892m)、グロッスホルン3764m)


ゴンドラが上を通る


丁度中間駅ビルクを出たゴンドラが頭上を越えていった。湖まで下りてみようと考えたが、下りても見える景色は同じかなと思ったり、シルトホルンヒュッテを経由するには100m程だが登り返さねばならないなーと思ったりして、意欲が出てこず結局来た道を戻ることにした。




シルトホルンヒュッテの手前から



来た道を戻りビルク中間駅への分岐を右に見て真っ直ぐに下りる。ベルナー三山を正面に見て雪の解けた道の端を調子よく歩く。シルトホルンヒュッテが次第に大きく見え出すと直ぐに小屋に着いた。
グリンデルワルト側からはアイガーが主役だが、こちら側からは主役が変わりユングフラウが中心で一際大きく見える。
レストランでパンとスープで昼食。スケッチもしてゆっくり休憩。


シルトホルンヒュッテから  (下の町はミューレン)



シルトホルンヒュッテから振り返る
左上のピークはビルク中間駅、右上のピークはシルトホルン


下りてきた道を振り返りシルトホルンを見上げる。ここから見ると残雪が特に多く見える。5年前の同じ時期にミューレンに来た時と比べると白い所が遥かに多い。



アルメントフーベル(右下の丘)へ下る途中から

シルトホルンヒュッテからアルメントフーベルに(Allmendhubel 1907m)下る。500mほどの下りだが、ベルナー三山がどんどん目の前に近づき大きくなっていくし、道も悪くないので、長く歩いたという感じもなくアルメントフーベルに着く。アルメンフーベルにはミューレンからケーブルカーで登れるので沢山の人。
ミューレンからだとシュヴァルツメンヒ(2648m)の陰になってユングフラウが見えないが、ここからは大きくしかも美しく見える。暫く眺めてミューレンまで更に下った。



2時半に宿に着き、暫くしてスーツケースを取りにミューレンの駅に行くと突然の雷雨、1時間近く駅に足止めをくらった。まあ、歩いている時でなくて良かったが、着いてこの4日間、午後の遅い時間に決まったように雷雨となる。日中は連日暑い。2,3千メートルの高さでは寒さを感じない。最近日本もそうだが、何か南国のスコールのような雨がスイスでも降る。






シルトホルン頂上からの眺め
ゴンドラでシルトホルンの頂上に行った時に、ユングフラウ方向は雲がかかり綺麗に見えなかったが、ブリュームリスアルプの方向はクリアーに見えた。特に残雪が多く、白のまだら模様がアクセントになって美しい眺めを楽しむ事ができた。写真を幾つか貼り付けてみました。
奥の山の左からファールホルン(2680m)、シュヴァルツホルン(2928m)、ヴェッターホルン(3701m)、シュレックホルン(4078m)、アイガー(3970m)、メンヒ(4099m)、ユングフラウ(4158m)
手前の山の左がビーテンホルン、右端のピークはビルク中間駅

 左端がグシュバルテンホルン(3436m)、その右がブリュームスアルプ(3661m)、その下の凹んだ所がゼフィネンフルゲ峠(2612m)、右端の黒っぽい色の山がキエンタールの山・エルミックホルン(2742m)


 
ゼフィーネンフルゲ峠(黄色の矢印)と
  ホーチュルリ峠部(
青色の〇印内

左の青色の〇印部の拡大
ホーチュルリ峠(青色矢印)と
ブリュムリスアルプヒュッテ(ピンク色矢印
5年前に歩いたロートストック小屋とゼフィーネンフルゲ峠は直ぐ下に見えて分かったが、4年前に歩いたホーチュルリ峠は肉眼ではどこか分からなかった。
家に帰って、撮った写真を見ながら、この当たりか、もっと右か左かと、色々拡大してみると、オー分かった!崖の下を登った特長のあるホーチュルリ峠ばかりでなく、ブリュムリスアルプヒュッテの建物までも辛うじて確認できた。こんな場所を歩いたんだと懐かしく思い出された。


左下はロートストック小屋(2039m)

中ほどの緑に囲まれたピークはゼフィーネンフルゲ峠へ向かう時に目印になったホルン(Horn 2444m)

高い山は左からブライトホルン(3780m)、チンゲルスピッツ(3304m)、グシュパルテンホルン(三角錐の山 3436m)、ビュートラッセ(3193m)、



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