Hタンツボデリ と 
オーバーホルン湖 (Tanzbodeli & Oberhornsee)



ラウターブルネン谷(Lauterbrunnental)のどん詰まりにあるオーバーホルン湖(Oberhornsee)と展望の良いタンツボデリ(Tanzbodeli)の両方を一度に歩いてみました。ガスが出てクリアーな展望とはなりませんでしたが、違った角度からユングフラウやラウターブルネン谷を眺めることができ、味わい深い歩きを楽しめました。ただ、覚悟はしていたのですが、アップダウンもあり距離も長いので少しハードな歩きになりました。
参考地図:1248 Murren 1/25000
手前オバーホルン湖、
中央チンゲルホルン(3562m)、
右ラウターブルネン・ヴェッターホルン(3234m)



歩いた日:2010年7月05日
コース:Murrenー(55min)1259m地点ー(1h20min)Busenalphutte分岐(10min休み)ー(40min)分岐1978m(10min 休み)ー(25min)tanzbodeli(15min休み)ー(15min)分岐に戻るー(35min)Obersteinberghutte(35min休み)ー(1h10min)Oberhornsee(20min休み)ー(15min)Oberhornー(35min)Bridge(10min休み)−(20min)Obersteinberghutteー(2h10min)Rengwaldゴンドラ乗り場   
合計時間:8h35min(総時間10h15min)  標高差:登り合計1,346m 下り合計1,922m 最高標高:2,110m 

崖上のミューレン、
崖の高さは800mほどもある


今日は長丁場の歩きなので早く出発したかったが、ミューレンのホテルの朝食が7時半からだったので出発が8時になってしまった。雲が多いが、一応晴れ。ミューレンからギンメルワルト(Gimmelwald)に下り、更にゼフィネンタール(Sefinental)の谷に下る。真っ直ぐ谷川に下る手前に表示板があり、左にショートカットする道を下りる。下りきって車道を横切ると、そこが上り口。ミューレンから400mも下ってもったいないが致し方ない。
橋を渡ると林の中に入り、ジグザグの急な登りとなる。時々木々の合間から背後にミューレンの町が見える以外は視界がなくただ黙々と登る。
ようやく林が切れると、ブゼンアルプヒュッテ(Busenalphutte)の分岐表示板に出た。ブゼンアルプヒュッテというのは何処にあるのか地図には記入がない。
ようやく視界が開け振り返ると綺麗に崖上のミューレンが見える。ミューレンの町はどこから見てもすごい所にあるなーと感心させられる。


タンツボデリ分岐手前の登りから振り返る、
南西から見るユングフラウ



林が無くなり花の咲く牧草地になって視界は良くなったが一段と急な登りになる。振り返るとユングフラウが大きく聳えている。人の声が聞こえてきて、何人かが休んでいるのが見える。ようやくタンツボデリの分岐に到着した。




分岐からの展望も素晴らしい。雲が出てきてクリアーではないが、それでもユングフラウから南に続く山が一望できた。
谷を覗き込むと真下に小屋の屋根が見える。地図を見るとチンゲルホルンヒュッテ(Tschingelhornhutte)のようだ。方角からすると谷を越えた向かいの山の中央はミッタークホルン(Mittaghorn)ということになる。
左エブネフルー(Abeni Flue 3962m)  中央ミッタークホルン(Mittaghorn3892m) 
右グロースホルン(Grosshorn 3754m)
下:チンゲルホルンヒュッテ(Tschingelhornhutte)



休憩の後に、分岐のタンツボデリへの登りにとりつく。急なジグザグの登りだが標高差は130m程なので、さほどの苦労無しに登れた。そこは牧草に覆われた平坦な高台で目の前にスピッツホルン(Spitzhorn 2210m)という大きな岩の尖塔が立つ。タンツボデリとはダンスフロアーと言った意味だろうか、ここまで登ってダンスをする人もいないだろうが、そこは正に手をつないで輪になって踊りまわるにはもってこいの場所に思えた。
残念ながら雲が湧き出てピークが殆ど雲の中に入り、せっかくの展望も素晴らしさは半減してしまったが、雰囲気だけは存分に味わう事ができた。

タンツボデリからの景色
タンツボデリの広場、
シュマドリバッハの滝も眼下に見える
横に聳えるスピッツホルン、
斜面下に散策できるトレイルがある
ゼフィネンの谷(Sefinental)を越えて
ロートストック小屋が見えた(〇印)

左上のピークはホルン(Horn 2444m)
ラウターブルネン谷、
 崖上はミューレンの町、その手前はギンメルワルト、
谷の正面はヴェンゲンの町、その上の山はメンリッヒェン

ユングフラウの左肩にちょと見えるピークはアイガー?
それともメンヒ?
ミッタークホルンの氷河



オーバースタインベルクの小屋が右下に見え出す
左シュマドリバッハの滝


タンツボデリの広場で、少しでも周りの山のピークが見えないかとガスの切れるのを待ったが、一向に良くならないので諦めて下山。
分岐に戻りオーバーホルン湖を目指す。斜面の緩い下りを進むと、正面にシュマドリバッハの滝がどんどん大きくなり、右下にオーバースタインベルク小屋が見え出す。
小屋まではコンスタントな下り。地図を見ると340mも下っている。オーバーホルン湖へは300mほども登り返さなければならない。何時もの事だが山歩きはしんどい。




ーバースタインベルク小屋から
オーバーホルン湖方向を見る

右の山はチンゲルホルン


オーバースタインベルク小屋のテラスで昼食。山のピークは雲の中だが荒々しいハンギング氷河が正面に並ぶ。静かな中に滝の音だけが聞こえる。雲がなければ、山小屋からはもっと迫力のある景色が見られるに違いない。




小屋を出て暫くは平坦な道で景色を眺めながらの気持ちの良い歩きとなる。歩く先に雲が切れてチンゲルホルンとその前に尖った角を突き出したラウターブルネン・ヴェッターホルンが姿を見せ、シュマドリバッハ滝に覆いかぶさるようにグロースホルンが聳えるのが見える。
快適な歩きは、チンゲル氷河から流れ出る川にかかる橋を渡るまで続くが、ここからは登りになる。

尖った岩の左がチンゲルホルン(3562m)、
左端はブライトホルン(3780m)
シュマドリバッハ滝と
グロースホルン(3754m)



暫く登りが続き、もうそろそろ目指すオーバーホルン湖(2065m)が見えても良さそうと思っていると、突然足元に池が現れた。予想よりずっと小さいので、思わずこれがそう?と疑ったほどだ。緑もこの辺りまでで、この先はガレ石の積み重なりが続いてその先で氷河と繋がっている。
池の周りをぐるっと回る道がついていて、一回りする。ユングフラウは雲の中だったが南方向のチンゲルホルンとブライトホルンの姿が見えた。ミッタークホルンも辛うじて見える。ラウターブルネンの谷の左側も晴れていて、歩いてきたタンツボデリの高台と尖ったスピッツホルンも確認できた。

オーバーホルン湖から見るチンゲルホルン(中央)とブライトホルン(左)
オーバーホルン湖から見る
ミッタークホルン
オーバーホルン湖から見る
タンツボデリ(山の先端の平らな所)と
スピッツホルン(その左の尖がり)



オーバーホルン湖からオーバーホルンへの歩き、振り返る


オーバーホルン湖からはシュマドリヒュッテ方向に向かって東側からラウターブルネン谷に下りるトレイルがあり、スイス出発前に下調べをしてきたが、もう時計は午後の2時50分、このルートをとってミューレンに帰り着くのがとんでもなく遅くなっても困るので、オーバーホルン(Oberhorn 2029m)の分岐を回って帰ることにした。
オーバーホルン湖からオーバーホルンへの道はゆるい下りで一部湿地帯のようで花も咲き美しい。






オーバーホルン近くからラウターブルネン谷を見る
花はアルペンローゼ、中央やや左にオーバースタインベルク小屋
左上の尖がりはスピッツホルン、その右の平らな所がタンツボデリ
右ユングフラウは雲の中


オーバーホルンの分岐を左にとる。ラウターブルネン谷のドン詰まりから谷を見下ろす形になり、谷の深さと大きさが分かる。ここから見るとスピッツホルンとタンツボデリの姿がはっきり分かる。
少し下ると農家の小屋がありこれを過ぎて下ると橋の手前で来た道と合流する。




チンゲルホルン小屋を過ぎて、お花畑


ラウターブルネンの谷に下りてシュッテヒェルベルク村(Stechelberg 919m)へ行く道は3箇所あるが、要所要所に立っている標識を見るとチンゲルホルン小屋を過ぎて真っ直ぐ進みシュッテヒェルベルク村に直接下りるルートのほうが時間が短く表示してある。迷わずこの道をとった。チンゲルホルン小屋を過ぎて直ぐは牧草地の傾斜に花も咲き綺麗な所もあったのでなかなか良いと思ったのもつかの間、直ぐに林に入り、後はずうっと視界なし、しかも樹の根っこがはびこっていて滑りやすく危ないので急いで歩けない。下りには向いておらず、この道をとるべきでなかったと反省。




シュタウプバッハの滝(Staubbach Fall)が見え出した


ようやく直ぐ下にシュッテヒェルベルクの村が現れ、正面に崖から流れ落ちるシュタウブバッハの滝が見え、ほっとする。村に下り、ゴンドラ駅のあるレングワルト(Rengwald 862m)まで歩く。ゴンドラ駅着午後6時18分。フュー、疲れたー! 
10分も待たずにゴンドラが発車、ギンメルワルト経由でミューレンに無事帰着した。






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