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ロジャース・パスは国道一号線の難所の1つで、コロンビア州のグレ―シャー国立公園(Glacier
National Park) の中にある。ロッキー・マウンテンの山から離れ、コロンビア・マウンテン山群に入る。アメリカにもグレーシャー国立公園があるが、これとは全く別物。
多くのトレイルがあるが、マッターホルンのような形をしたマウント・サー・ドナルド
(Mt Sir Donald) の周りに有名なトレイルが多い。ほとんどが健脚向けのトレイルだが、その中でも展望が素晴らしいと言われるアボット・リッジ・トレイル(Abbott
Ridge Trail) を歩いたので紹介する。
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Mt Sir Donald と Vaux Glacier、
アボット・リッジ北端の取りつきから
振りかえる
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アーサー・オー・ウィラー・ハット (Arthur O. Wheeler Hut)
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カナダ山岳会(ACC)のウィラー・ハットに2泊した。このハットほどアクセスの便利なハットはない。施設や設備に文句を言わなければホテル代わりに使える。
あまり駐車場から近く、便利過ぎるのか、案内板が無く、どこにハットがあるか分からなかった。駐車場の入口にイラセラワート(Illecilleweat)
キャンプ場の受付事務所があり管理人がいるので、聞くと親切に教えてくれた。要は駐車場を真っ直ぐ抜けて、T字路を左に曲がると直ぐハットに着く。どんな履物でも行ける。 |
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左のハットの絵の手前の建家がキッチンで奥の建家がダイニング兼リビング・ルーム。ここも薪ストーブがあり、ガスコンロと調理器具一式が揃っている。水は外の左側に導水管が引かれている。煮沸が必要。トイレは外で手前の右。バンク(ベッド)の数は三角屋根の下の部屋で30。マットレスが敷いてある。
綺麗で立派な小屋だが、1つ問題は、二十日ねずみが住みついていて、静かになると出てくる。食料は必ずキッチンに備え付けのボックスに入れ、扉を閉めることを忘れないように。 |
ウィラー・ハット、 スケッチ |
アボット・リッジ・トレイル (Abbott Ridge Trail)
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歩いた日;2004年7月17日
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前日、アメリカの国境近くにあるウォータートン・レイクス国立公園 (Waterton
Lakes National Park) から600kmほど走ってきて、夕方着いた。
この辺りの国道1号線はゴールデン(Golden)方面から来ると、ずーっと下りで車のスピードが出て、しかもカーブが多いので、目的地を見て入るのが難しい。イラセラワート(Illecilleweat)キャンプ場はロジャース・パス・センターを過ぎて次のカーブのコーナーにその入り口がある。
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ロジャース・パス・センターでトレイル・コンディションを聞こうとしたが、既に閉まっていた。しかし、キャンプ場の入口(駐車場の横)にキャンプ受付をしているACCの係員がいたので確認すると、アボット・リッジは熊もOKで問題ないとのこと。安心する。
インター・ネット情報・リンク
コース
Hut -(30min) 1km Mark -(40min) 2km Mark -(15min) Marion Lake(Lookout 往復10min)
-(15min)Short Cut 分岐 -(45min) Meadow -(1h15min) Trail End (Lunch, Peak
往復55min)-(50min) Meadow -(1h20min) Hut / Total 6h55min
(往復10km 標高差1300m 最高点標高Trail End 2290m, Peak2350m)
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朝、ハットを8時前に出たと思っていたが、実は7時前だった。グレイシャー・国立公園はバンフやジャスパーと違い時間が一時間遅いことが後で分かった。どうりで何時までもハットに泊っている人がなかなか起きてこなかったはずだ。快晴、雲1つない。
ハット前の旧鉄道跡の広い道を右に進み、橋を渡り、昔の家(ホテルだったか?)の跡を左に見て、標識に従い右にアボット・リッジのトレイルに入る。林の中の急斜面に作られたジグザグの道を登る。沢山の蜘蛛の巣で、ステッキで払いながら歩く。私達が朝一番目のハイカーなのが蜘蛛の巣で判る。
このトレイルには1kmと2kmの位置に小さな表示がある。この標識と時々真下に見える谷だけが、林の中の歩きに変化をつけてくれる。2kmの標識を過ぎて少し歩くと小さな湖マリオン・レイク (Marion
Lake) に着く。うっそうとした木に囲まれた静かな湖で風が当らないのか、林が水に綺麗に映っている。この湖の入口に、ルックアウト(見晴台)に行く分岐がある。 |
マリオン・レイク |
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ロジャースパスと一号線と鉄道が走る谷が良く見えるが、アボット・リッジに出ればもっと良く見えるので、往復10分をかけてルックアウトに行く必要もないと思う。
リッジの正面(東)にマウント・サー・ドナルドの山とその右にボウクス氷河
(Vaux Glacier) がひかり輝いて目に入る。その左にマウント・ウノ (Mt Uno)
とマウント・イーグル (Mt Eagle) が広がりを見せる。イラセラワート(Illecillewaet)の谷川がその下を流れる。
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マウント・イーグルとマウント・ウノ(左)、マウント・サー・ドナルドとボウクス 氷河(右)
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反対側の右を見るとマウント・ボニー (Mt Bonney) が大きな山容を見せる。ぐるっと北から西・南と見渡すと鋭い山がどこまでも連なっている。
下をヘリコプターが飛んでいる。何遍も行ったり来たりしているようだ。
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マウント・ボニー (Mt Bonney)
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国立公園の上は 観光客を乗せて飛べないはずだがと思ったが、翌日、この下の1号線を車で走ったとき、山裾から煙が立っていて、林が黒焦げになっているのを見て合点がいった。山火事で消化の為に飛んでいるヘリコプターだったことが分かった。
帰りはメドウを過ぎるまで、山の姿を眺めながらの快適な下りが続く。登りには見ている余裕があまりなかった景色を楽しみながら歩ける。
このトレイルは、急な登りが続くが、良く整備されている。しかしトレイルに雪が残っているようだと安全とは言えない所があるので、出発前にはビジターセンターで必ずトレイルのコンディションを確認する必要がある。 |
尾根の北側、トレイルの帰り |
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