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モレイン・レイク (Morain Lake) 周辺


モレイン・レイクと言えばテン・ピークス。リズミカルに連なったピークと湖と林があいまって、カナディアン・ロッキーの代表的な風景になっている。
モレイン・レイク・ビュー・ポインに行ってみると、ここから見る景色、これこそまさしく何遍となく写真で見た風景と同じものだ。
しかし、思っていたよりも随分とテン・ピークスが近くに見える。カメラを構えても一部しか入らない。おかしいな、と思ったら、プロは皆広角レンズで撮っているのだそうだ。広角なら全部のピークが入るが、その分ピークは遠ざかる。今までずっと嘘の風景を見せられてきたことになる。
バカちょんカメラで撮った左の写真こそ、写りは悪いが遠近感ぴったりで、モレイン・レイクの自然を正しく捉えた自信作である。
モレイン・レイク (Moraine Lake) と
テン・ ピークス (Ten Peaks)
ビューポイントより

@ビューポイントとレイクショア・トレイル(viewpoint & Lakeshore Trail)
駐車場から左に橋を渡り、ガラ石の中の道を登るとモレイン・レイク・ビューポイント。
モレイン・ロッジの前を過ぎ、湖にそって歩くのがレイクショアー・トレイルの散歩道。

Aアイフェル・ピーク、オフトレイル(Eiffel Peak, Off Trail)
ガイドをお願いして、アイフェル・ピークのガレ場と雪渓を登った。参考に紹介します。




 @ビューポイントとレイクショア・トレイル
  (Viewpoint & Lakeshore Trail)

 歩いた日;6月16日
カナダに着いた翌日で、足慣らしにビューポイントとレイクショアー・トレイルを歩いた。
コース;

*ビュー・ポイント (Viewpoint)
 Parking Lot -(5min) Rockpile Trail 分岐-(10min) ViewPoint -(10min) Parking Lot / Total   
 25min(往復1.6km) 標高差50m(1884m-1934m) 

駐車場から湖に向って歩くと、左の方向へ歩く人と左の方向から帰って来る人がいるので、道はすぐ分かる。岩がごろごろしたこの道は、ロックパイル(岩石の堆積)トレイルといわれていて、山から崩れ落ちた岩石らしい。短い道だが丈夫な靴の方が安心。登り終わると正面にバーと湖とテン・ピークスが広がる。ビュー・ポイントは手前と奥の2ヶ所ある。絵葉書と同じで変り映えのしない景色とも言えるが、テン・ピークスが最も美しい場所と云われるだけに、先ずは行ってみる価値はある。

*レイクショアー・トレイル(Lakeshore Trail)
 Parking Lot - Trailend / 往復 Total 40min (往復2.4Km)、標高差ほとんど無し

駐車場から湖の右側を歩くコース。どんな靴でも歩ける平らな綺麗な道がついている。歩くに従い、テン・ピークスがだんだん大きくなり、見える角度も変り、マウント・フェイの氷河も良く見えるようになる。
マウント・フェイ(Mt Fay)
テン・ピークスの一部

湖の色はビューポイントから見るより色が綺麗に見える。また歩くに従い微妙に色が変るのが面白い。トレイルは湖に流れる川の流れで終わる。まだ湖の水位は低かったが、これから雪解けと氷河の解けた水がどんどん流れ込み溢れんばかりの水位になるそうだ。
ここまでくるとテン・ピークスと反対側の北側に、マウント・テンプル(Mt Temple 3543m) や、ピナクル・マウンテン (Pinacle Mtn 3067m) 、それに、後日ガイド付きで登るアイフェル・ピーク (Eiffel Peak 3084m) を見ることができる。限られた時間しかないときに、誰でも歩ける簡単なコース。
トレイルエンド




 Aアイフェル・ピーク、オフ・トレイル
     (Eiffel Peak, Off Trail)  *ガイド付き

 歩いた日;2004年6月17日
 コース;
Parking Lot -(1h) Larch Valley分岐 -(Eiffel Lake Trail 30min ) Off trail -(1h )樹林帯を抜ける-(2h)雪渓取りつき -(2h50min) 最高ポイント約2850m-(2h40min) Larch Valley を下に見る-(1h) Eiffel Lake Trail -(30min) Larch Valley 分岐-(50min) Parking Lot
Total 12h.20min
標高差約1000m(1884m-2850m)

バンフ在住で、昔、同じ会社にいたレイ・コダマ氏にガイドをお願いした。うまく行けばアイフェル・ピークの頂上を目指すという。我々夫婦用に準備してくれたクランポン (Crampon;アイゼン)とアイス・エイクス (Ice Ax ;ピッケル)とザイル固定用のハーネスなどが問題ないか、前日にチェックしておいた。また、この日の為に靴底が固い重登山靴も半年前に購入し、日本で足慣らしの山登りを何回か繰り返してきた。
バンフの宿を6時半に出て、8時にモレイン・レイクの駐車場を出発した。朝、雨が降ったが、次第に天気は回復し、天気は良くなりそうだ。見晴らしのきかない樹林帯の良く整備されてはいるが、ジグザグの坂道を登る。ラーチ・バレー・トレイルの分岐にでて、アイフェル・レイク・トレイルに入る。この辺りは高山植物の花が綺麗らしいが、まだ早いようで花はない。カラマツ (Larch) の 林がまばらになり左手にテン・ピークスがバーと広がり出す。
右手にアイフェル・ピークが見え出したところでトレイルから離れ、林の中に入る。直ぐに林を抜けるかと思ったが、結構長い。ようやく林を抜けると、小さい石のガレ場の急斜面になり、一歩登って半歩下がりを繰り返す。登るに連れて、仰ぎ見ていたテン・ピークスの山々が真横に見えるようになる。ガレ場登りに2時間費やして、やっと急な雪渓にでる。ここからトランポンをつけ、ザイルを結び、アイス・エイクスを持って、雪渓を登る。急斜面は確保しながら登るので、なかなか進まない。気温が上がってきて、度々雪の中に膝上までズボッと入り、体力を消耗する。
                                                  
 
テン・ピークス アイフェル・ピーク 2850m地点から 拡大→

大きな岩の下まで来た所で既に午後3時をまわった。雪渓に取り付いてから3時間近くたっている。頂上まであと200mほどの標高2850mくらいにはきたと思うが、やはり我々の体力と技量では頂上は無理であった。

足場を確保し、見渡すと、テン・ピークスの山々が我々の高さとあまり変らない高さに見える。谷の左端にモレイン・レイクが小さく緑色に光り、湖の右上には一際白く輝くフェイ・氷河が見える。雪をのせた数々のピークが目の前に広がる。右下にはまだ雪をかぶっていてアイフェル・レイクが何処にあるか分からない。その右に雪に覆われたウェンチェムナ峠越しに、ヨーホーの高い山が連なって見える。
大パノラマに圧倒されながら、写真におさめた。
下りの雪渓はより慎重に確保しながら下りる。ガレ場の斜面に出て、ラーチ・バレー側に下る。
 2850m地点から見た 
ウェンチェムナ峠
Wenkchemna Pass(2611m)

何ヶ所かの雪渓を通り、ラーチ・バレーの上の尾根にでた。ラーチ・バレーは雪の下で、トレイルは全く見えない。左上に特異な形をしたピナクル・マウンテン (Pinnacle Mountain 3067m) が見え、正面に堂々としたマウント・テンプル (Mt Temple) が見える。この2つの山の間の峠がセンチネル・パス (Sentinel Pass 2611m) であることが地形から良く分かる。 
ラーチ・バレー(右下)と、ピナなクル・マウ
ンテン(左)と、マウント・テンプル(右)、
アイフェル・ピークの東尾根から
                        

ラーチバレー方向に下るのは雪が多いので、右に方向を変え、エイフェル・トレイルに出た。既に午後7時を過ぎたが、日没は10時過ぎで、時間的には全く問題ないが、体力は既に限界に近かった。テン・ピークスが西日を受け、輝いて見える。帰りのトレールがやたら長く感じて駐車場には午後8時20分に無事着いた。合計で12時間以上もかかってしまった。

今回は、普通のトレイルを歩くのとリズムが全く違うのにはまいった。ズルズル滑る急なガレ場の登りや、雪渓に脚がガボッと沈むことや、急斜面での確保など、思うようにはなかなかならなかった。それに、身体が重く呼吸が苦しく感じた。コダマ氏の話では、カナダのように高い緯度のところでは、高い山での酸素濃度が薄く、日本の山でどうもない人でも、カナダでは歩けなくなる人がいるとのことであった。もちろん、カナダに着いて3日目で、時差の関係もあったと思う。
それにしても、Mieは一緒に最後まで良く歩いた。

        

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