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ボウ・レイク (Bow Lake) 地域

バンフとジャスパー間の車道で標高が約2000mになるところが2ヶ所ある。1ヶ所はアサバスカ氷河で有名なアイスフィールド地域であり、もう1ヶ所はこのボウ・レイク地域で、ペイト・レイク (Peyto Lake) 入口付近のボウ・パス (Bow Pass) は2069mの標高になる。バンフから来ると、ずーと一緒だったボウ・リバーがここで終わり、次からミスタヤ・リバー (Mistaya River) となって流れが逆になる。

この近くでは
ヘレン・レイク・トレイル (Helen Lake Trail) と
オブザベイション・ピークのオフ・トレイル
(Observation Peak Off Trail)を歩いた。 
雨になる寸前のボウ・レイク  

参考だが、ペイト・レイクからルート93で北に少し走った所にウォーターフォール・レイク (Waterfowl Lakes) がある。ここのビューポイントから見る景色もこのページの末尾で紹介する。

関連する地図; Bow Lake and Saskatchewa Crossing, Gem Trek Publishing



ヘレン・レイク・トレイル (Helen Lake Trail)


ヘレン・レイク・トレイルのスタート点は、クロウフット・グレーシャー(Crowfoot Glacier) のビューポイント駐車場と道路を挟んだ反対側の駐車場になる。クロウフット・グレーシャーは1本の足が欠けてしまったカラスの足の形で有名な氷河です。
トレイルの最初はクロウフット・氷河を上から眺めながら、中ほどは、カールの周りに広がる山と高山植物の花を眺めながら、最後は広くなだらかなアルパイン・メドウを歩く変化に富んだコースです。インターネットでトレイルの紹介がないか探したが見つからなかった。 
クロウフット・グレーシャー、93号線横のビューポイントから  

 歩いた日;6月25日
 コース;
Parking Lot -(1h 20min) Cirque Peak Ridge -(50min) Helen Lake -(1h 40min) Parking Lot
/Total 3h 50min (往復11km 標高差455m 最高点標高2405m)

ヘレン・レイク・トレイルの駐車場にはトレイルの案内表示板が立っている。林の中の道に入り、93号の道路と平行するようにサーク・ピーク (Cirque Peak) から張り出した尾根の斜面を斜めに歩く。所々林の切れ目から、クロウフット・グレーシャーが横に見え出す。何時まで斜めに歩くのかと不満が出るほど歩いた頃、ようやく尾根を越える登りになる。

トレイルより  クロウフット氷河とボウ・レイク

木もまばらになり展望が開ける。クロウフットの氷河が真横に見える。下の道路のビューポイントから見るよりも、なくなったという1本の足も残りが少しあり、鳥の足らしく見える。ただ、地球温暖化による氷河の後退が続いているのをみると、更に1本が無くなり、残るはただ1本の棒のようになってしまうのも時間の問題のようにも思う。
サーク・ピークから張り出した尾根 (Ridge) に出ると、東に大きく立ちあがるマウント・へクター (Mt Hector 3394m) と、ぎざぎざとした尖塔をいくつも持ったドロミテ・ピーク (Dolomite Peak 2782m) が目の前に広がる。 

尾根を越えると、トレイルは方向を変え、氷河が作ったカールの谷の左を歩く。小さい木の合間合間に高山植物の花が咲き競う。白色の花ではウェスタン・アネモネやホワイト・グローブ、それにスプリング・ビューティーなどが見られ、黄色ではグレーシャー・リりーやハートリーフ・アーニカなどが次々と姿を見せた。なだらかな登りが過ぎ、岩がごろごろと重なった所にでて、子供連れのハイカーと会う。行ってきたがヘレン・レイクが無いと言う。そんなバカなと思いながら先に進み小川を渡り登りを越えると、一面雪の平原にでた。
 お花畑の中を歩く、サブ・アルパインのトレイル 
 

ヘレン・レイクが見えるはずだがと見渡すが、確かにない。地図を出しヘレン・レイクの位置を見る。 Cirque Peakから南東に伸びた尾根が終わるあたりにヘレン・レイクはあるはずと、方向を定めて雪の中を真っ直ぐに歩く。
雪の踏み跡も無く、トレイルも雪の下のようで、雪に足を取られながらも、方向だけを頼りに歩く。地形から、恐らくここがヘレン・レイクと思われるところまで来た。しかし、水面が見えない。凍った氷面の上を雪が被っているように思うが、近寄るには雪が深そうなので確認するのを諦めた。
 凹んだ所がヘレン・レイク(と思われる)
 

この辺りは、雪が解けると、アルパイン・メドウ特有の、高山植物の花が咲き乱れる所と思うが、来る時期が早すぎたようだ。ヘレン・レイクの右手を通って更に先に進むトレイルがあり、高さで約100m、距離で1kmほどで歩くと小高い山のヘレン・レイク・サミット (Helen Lake Summit) に登ることができ、ドロミテ・パス (Dolomite Pass) やカサリン・レイク(Katherin Lake) などの素晴らしい景色が見えるらしい。しかし、トレイルが雪の下で分からず、先に歩くのをやめ、引き返した。


残雪のアルパイン・メドウ
マウント・へクター(右・中) と ドロミテ・ ピーク(左)             

振り向くと、雪を被ったメドウの右が歩いて来た方向で、その奥にマウント・へクターの堂々とした山容が見え、左にはドロミテ・ピークが異様な形を見せている。
この辺は標高が2400m程度あり、まだ夏になっていない。広いアルパイン・メドウを見渡しても我々夫婦以外に人影は見えない。帰りの方向を見失わないように、残雪の中を歩き、トレイルに出て、来た道を戻った。




オブザベイション・ピーク・オフ・トレイル
    (Observation Peak Off Trail) 
ガイド付き

ペイト・レイク (Peyto Lake) はその水の色の美しさで絵はがきに必ず登場する湖です。場所はボウ・レイクの少し先のボウ・パスを左に入り、駐車場から約400mほど坂道を登ると、ビューポイントにでる(バスの場合は、道路の最後まで行くのでほとんど歩く必要がない)。このビューポイントは、カナダのロッキーの観光地のなかでも、最高の部類に入る美しさではないかと思います。
この湖を、国道93号を挟んだ向かいのオブザベイション・ピークの中腹から眺めようと、ガイドのレイ・コダマ氏に連れられて登りましたので、参考に紹介します。
ペイト・レイク、  ビューポイントより
 

 歩いた日; 2004年6月16日
 
レイ・クルイーズの方から行くと、ペイト・レイクにさしかかった頃に、右側に一見平凡な山が見える。
オブザベーション・ピーク→
右側の雪渓の林から登り、雪を被った境界まで登った

オブザベイション・ピーク (Observation Peak 3174m) は展望が良いので名付けられたものと思うが、実際のピークは裏に隠れていて、見えるのは前峰らしいが、それでも3050mほどある。
ペイト・レイクのビューポイントに行く道の反対側に多分防火用と思うが細い道がある。ここに車を止めて歩き出す。林の中を突っ切る。次第に急になり雪渓が見え、その横を登る。林がまばらになり、早くもペイト・レイクが眼下に広がり、180度に山が広がる。森林限界付近で雪渓をトラバースし左に出る。このあたりで2350m程度で300m近くのぼったことになる。ここからは山の斜面全てがガラガラの石の堆積で、一歩上ると半歩以上ずり落ちる。これを繰り返し登る。カナダの山はガレ場の斜面が多いそうだ。大分足に負担がかかる。Mieは、登るのはもうここで良いと言いだし、岩陰で待ってもらうことにする。ここで大体2500m程度と思う。更に登り、雪が現われた所で、登りの最終とした。約2600m程度の標高と思う。ペイト・レイクの輝くようなトルコ石色の水の色を正面に見て、左右にロッキーの山が連なる。

[ペイト・レイクの右]   遠く右端にミスタヤ・レイク (Mistaya Lake) が見える         

[ペイト・レイクの左]   ボウ・レイクの上にクロウフット氷河が見える
                 
             

下りにMieと合流し、ズルズルと滑り降りるように歩く。次いで林に入り、無事車に帰りついた。下りてきた麓の少し林の開けた所は、雪が解けたばかりのところで、グレーシャー・りりーやホワイト・グローブの可憐な花が咲いていた。こんな所で咲くのと驚いたが、このへんの標高が2000mもあるのを思いだした。



(参考)
ウォーターフォール・レイクス・ビューポイント
(Waterfowl Lakes Viewpoint)
ボウ・レイクからペイト・レイクを過ぎ15kmほど行くと左にウォーターフォール・レイクス・ビューポイント(Waterfowl Lakes Viewpoint) がある。ここから見るマウント・シェフレン (Mt Chephren) の姿が美しい。


     


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