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2.ケヤリムシ |
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![]() オカヤドカリはサザエが好き! 生息地でも大型の個体はチョウセンサザエの殻をよく利用している。 飼育下で同じ大きさのコシダカサザエやチョウセンサザエを入れてやってもなぜか普通のサザエを選ぶ。 貝殻の厚みや重さなどオカヤドカリなりのこだわりがあるのだろうか? ビバリウムのイメージは「南の島の海辺の集落の外れの民家の裏庭の片隅に捨てられた本土で働いている息子がお土産に買ってきた北陸産のサザエの殻を着たナキオカヤドカリ・・・」 く・・苦しい(^^; ![]() 牡蠣は生食が一番という食通も多いが、貝の旨みは熱を加えた方が活性化すると思う。 軽く塩をふって炭火で炙った牡蠣に国産のレモンをじゅっと絞って食べてみて欲しい。 ただし焼き過ぎは禁物。 |
みーばい亭の住人は貝が好きで良く食べますので、貝殻を捨てる庭の一角が小さな貝塚になっています。 そのままだと付着物が腐って悪臭を放つ貝殻も、半年ほど土に埋めておくと有機物が分解されて、すっきり清潔な白い貝殻になります。 時々この貝塚を掘り返して、海水水槽のアクセサリーやオカヤドカリの宿貝を調達するわけです。 とりわけオカヤドカリたちはサザエ殻を好みますので、貝塚の出土品は大変重宝しています。 さて、冬が旬の貝といえば何といってもマガキです。 みーばい亭はどちらかといえば夏が旬のイワガキを溺愛しているのですが、比較的安価で手軽なマガキのむき身もそれなりに食卓に登ります。 イワガキはともかく普段殻付きのマガキを買うことはあまりないのですが、先月グジを買いに寄った市場で良さそうなのを見掛けてつい衝動買いしてしまいました。 もちろんパック入りのむき身より新鮮で美味なのは嬉しいのですが、あの貝殻を開けるのがひと仕事です。 専用の貝むきナイフがあればいいのですが、残念ながら我が家ではステーキナイフで代用していますので、どうしても貝殻に貝柱が多めに残ってしまいます。 これがヤドカリたちのご馳走になるわけです。 貝柱付きの牡蠣殻を水槽に放り込んでやると、さっそくホンヤドカリたちが駆け寄ってきて夢中で食べはじめます。 一足遅れてイソスジエビとケアシホンヤドカリ。 最後はレイシガイが出動してこびりついた肉片まで残さず舐めとってしまいます。 そんな小気味の良い饗宴のあと、すっかり綺麗になった牡蠣殻に小さな花が咲いているのを見つけました。 ケヤリムシの鰓冠です。 生きたケヤリムシが付いていたということは新鮮だった証し。 財布のひもをゆるめた決断は正しかったようです。 ケヤリムシは環形動物の一種でゴカイの仲間です。 本体は自らが分泌した粘液で作った管の中に潜み、鰓冠と呼ばれる器官を海中に花のように広げて呼吸や採餌をしています。 とても臆病な生き物でちょっとした刺激ですぐに鰓冠を引っ込めてしまいますので、海中で観察するのはけっこう大変です。 実際駆け出しのダイバーだった頃は、なかなか見ることのできない生き物でした。 先を泳ぐチームメイトの気配を察して隠れてしまうのです やがて自分がリーダーとして先頭を泳ぐようになると、あちこちで花開いているケヤリムシが良く目につくようになりました。 些細なことですが、当時はそれが少し誇らしくて嬉しかったものです。 水槽のケヤリムシを眺めていて、ふとそんな昔のことを思い出しました。 自然下では漂ってくる有機物を鰓冠で絡め取って食べていると思われますので、時々すり潰した配合飼料を海水で溶いてスポイドで吹き付けてやっています。 近くでヤドカリがブシュっと糞を噴射すると、それにも反応しているようです。 食べているのかどうかは良く分かりませんが、なんとか生きていますし、鰓冠もひと回り大きくなったように見えます。 狭い水槽で長生きするのは大変だと思いますが、せっかくみーばい亭の仲間に加わったのですから少しでも長く酒の相手をして欲しいものです。 |
[2007.1.7] |
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