行ってきました♪こんなところ(*^^*)

はなのおでかけリポート



☆☆2004.5.1(土)〜2(日)

☆木曽・鳥居峠と奈良井宿、寝覚ノ床

以前、木曽・妻籠に行ったときから気になっていた場所があります。
それは妻籠よりももっと北にある中山道の宿場町・奈良井。

その昔は奈良井千軒といわれたほど栄えた中仙道の宿場町、
そして旅人泣かせの難所だった鳥居峠、
そしてそこまでいくなら、浦島太郎が目覚めたという寝覚の床、
山と川と昔の町並み、ああ歩いてみたい!ということで、
今回、『歩いた後にもまだお休みがある』(笑)GWに
行ってきました!

<旅程1.藪原〜鳥居峠〜奈良井>
さて、今回は、「時間に余裕のある旅」というテーマで(?)出かけたので
あえて車で行かないで、電車(それも特急は避けて!)を利用しました。
大阪から名古屋までは、近鉄特急で行きましたが、
そこからはJRの快速と普通電車を乗り継いでの旅行です。
名古屋〜中津川間は快速電車、そこで普通電車に乗り換えて
鳥居峠の南の登り口である「藪原」に降り立ちました。
昼下がりの藪原駅前、
・・車は置いてあるのですが、
人の気配は全くナシ!
もしかして、午後の1時半を過ぎてから
峠越えをするなんて、無謀!?
・・と少し不安になりましたが・・

今さら、計画変更もできないため、
果敢(?)に出発することにしました。
藪原の静かな昼下がりの町並みを抜けて
家が途切れ始めた頃、
鳥居峠の入り口に着きます。

(ガイドブックには書いてないのですが、
実はここまでの道が既に『坂道』でした!)

で、ここをスタートして、奈良井まで約6kmあまり、
標高1,197mの峠を越えていきます。
お天気も良し♪
絶好のハイキング日和です^^

・・と言っても、普段はほとんど歩かない私、
さてリュック背負って、
無事に奈良井にたどりつけるのかどうか・・
(と言っても、ここまで来たら
もう引き返すわけにもいきませんが!)
などなど思いながら歩いていくと、
こ・・この鐘は何〜!!

熊が出るんですって・・・!
う〜ん・・どうしよう(^^; まあ、出たら出たときのことで・・って
鐘を鳴らして、前へ進みます。
一方、春の遅い信州では、もう関西では終わってしまった季節をもう一度楽しめます。
周りはいっせいに咲き始めた春の花ばかり。
ただでさえ、道草好きな私には、たまらない良い景色が続きます^^
でも、しだいに道は
だんだんと九十九折れの山道に
なってきました。
両側は、今が盛りの山吹の花が
キラキラ光るように咲いていますが、
しだいに息も荒くなってきた私、
花を見る余裕もなくなってきました(^^;

ただ、道は都会のように舗装された道でなく
柔らかな土の道なので
歩いていても足にも腰にも優しい道です。
振り返ると、木立の間、
はるか下方に
上ってきた藪原の町並みが見え隠れしています。
こんなに上がってきたのに、
まだ峠の頂じゃないの〜!?
と、ちょっとへこたれてきた私(爆;)
有難いことに、ちょうどその辺で、山の休憩所に出ました。
ここに休憩場所があるってことは、
きっと私のようにこの辺りでへこたれてくる人がいるってことでしょう(^^ゞ

静かな山の休憩所は、ちょうど桜が咲いていました。
青い空が広がり、時間も感じさせない静けさです・・ああ、身も心も生き返るよう・・・
こういうのを「命の洗濯」というんじゃないでしょうか^^
そしてこの休憩したすぐ傍で、藪原名産の「お六櫛」の実演販売をやっていました。
実は、このお六櫛も、今回私の旅の目的の一つでもありました。
ミネバリという木で、ひとつひとつ手作りされる櫛は、それこそ一生もの!
藪原の町を抜けたときに、お店がよくわからなかったので買えなかった私は
この峠でこの日から実演しています、という保存会の人に出会えて
とてもラッキーでした♪

昔からこんなふうに名産だったようです。
さて、お六櫛も無事に買えた私でしたが、
見ると保存会の人たちが、仕舞い支度!
「3時を過ぎたら、もう峠に来る人もありませんからねえ」の言葉に
びっくり!
そういえば、時計はとっくに3時を過ぎて、3時半・・
まだ峠の頂上にもたどり着いてない私は
慌てて、保存会の人に別れを告げ、峠の頂めざして、一目散・・!
・・一目散といっても
何かと見るものの多い景色の良い場所、
御岳遥拝所から見える
御嶽山や木曽駒、
それに、
ぽっかり穴のあいた「子産みの栃」
この他にも木曽義仲の縁のものなど
ただ黙々と歩くわけにはいかない
見どころ満載の峠道です。
そうこうするうちに、やっとこの↑標識がありました!
海抜1,197m、鳥居峠のてっぺんです。
冷たい清水が惜しげもなく溢れている水場を過ぎると
眼下に奈良井の町並みが広がります。
標識によると
奈良井の町並みが見えるここから、
奈良井宿の入り口まで2km。
今度は下りばかりの道です。
もう一息!と思うと、
少し心も足も軽くなったような気がして
また周りの景色を楽しみながら
進みます。

でも実際のところ、
藪原からここまでと違い、
峠から奈良井までのほうが
山道は急なようです。

小さな沢がいくつも点在し、
木の橋がかかっています。
古戦場の跡など
歴史を感じさせる道です。
それにしても、お天気の良いこと!

陽あたりのよいところから先に
桜が咲いています。
新緑の山と綺麗な沢、
たまにすれ違うハイカーの他には
人もなく、騒音もなく、
こんな素晴らしい風景をほとんど独り占めして
ウキウキと峠を下っていきます。
そしてとうとう、
標識の「奈良井宿 ○km」の
数字が残りわずかになりました!
わぁ!峠を越えたぁ!!
と、やはり嬉しくなります^^

この標識→があるあたりは、
道も石畳道となり、
なんとなく人の住むところが近いことを
思わせます。
そして程なくして、
自然歩道は車の走る道と合流しました。
奈良井宿のこの宿場の印(?)にたどり着いて
ようよう、峠越えのハイキングは終わりました。
午後1時半に藪原の駅に降り、
ゆるゆると歩き始めて、
ここに着いたのが午後4時半過ぎ。
予定の3時間だったね、と思いましたが
実は「3時間」というのはまだ先の奈良井駅まで含めての時間、
う〜ん・・やはり、予定よりは時間がかかったようです(^^;

けれど、思っていた以上に
道は綺麗に整えられており、標識も細かく
地元の方によって掃除もしっかりされていて、
俄かハイカーでも楽しんで歩くことができます。

素晴らしい風景とおいしい空気を独り占め!の峠越え、
また歩きたい!と思わせる魅力たっぷりの場所でした。

さて、そしていよいよ、奈良井宿へ入ります・・<旅程2.奈良井宿>へ