christmas serenade

甘い夜







第四話






「や・・・んあっ・・・・あっ・・・・・・」
熱い粘膜に欲望を包み込まれ、凛は身を捩った。
どんなことになっているのか薄目を開けてみれば、股間に埋まっている隆弘の頭を認め、あわててギュッと目と閉じた。
根元から先端まで竿部分を舐められると、目を閉じている分だけ敏感になっているのか、舌のざらつきさえ感じてしまう。
時折指で扱かれ、同時に内股を舐められると腰が揺れた。
袋を揉まれ、キュッと吸引されると、知らぬうちに嬌声が上がる。
「キモチいいか?」
声の振動にさえ感じてしまい、凛はガクガクと頷いた。
自分で触ってもキモチのいい部分なのだ。それが隆弘の、しかも口なんだと思うとそれだけで堪らなくなる。
「あっ、やっ・・・・、隆弘さっ・・・アッ・・・」
隆弘の口の中に出してしまうのにはかなりの抵抗があったのだが、強くくちびるで扱かれ、くびれの部分や先端を舌先で弄ばれてはひとたまりもなかった。
隆弘の頭を膝でギュッと締め付けると、凛はブルルと身体を震わせ、欲望を解放した。
はあはあと息をつきながらゆっくり目を開けると、そこに隆弘の顔があり、そのまま近づいてきた。
「んふ・・・・・・」
絡めた舌からは青臭い味がした。
それが自分の体液だと思うと恥ずかしくて、凛はイッたあとのだるい身体を起こした。
「隆弘さん、今度はおれがするね」
ベッドの上を移動して、隆弘をヘッドボードに持たせかけると、その股間に視線を向けた。
一瞬息を飲むほど、隆弘の欲望は凛のものと比べものにならないくらいに大きいが、まだ何も触れていないのに半勃ちになっているのは凛の身体に感じてくれた証拠のようで嬉しさが込み上げてきた。
「ヘタクソだと思うけど・・・・・・」
手を伸ばして触れると、それは熱く脈打っていた。
優しく撫でてみるとピクリと反応したから、びっくりして隆弘を見上げると、隆弘は笑っていた。
「凛に触ってもらって、そいつも喜んでる」
もっと喜ばせたいと、凛はくちびるを寄せた。
やり方なんてわからないけれど、同じ男として何となく感じる部分はわかるから、凛は一生懸命奉仕した。
片手で持ち上げると、根元から舌を絡ませてみる。裏筋に這わせると隆弘の吐息が聞こえた。
精一杯口を開けて奥まで含むと、歯を立てないように慎重に上下に扱いてゆく。口をすぼめてくちびるを使い、舌で圧迫するように出し入れを繰り返すと、ますます膨らんで凛の口を一杯に満たす。
隆弘とのキスで知った自分のものとは違う味が、唾液と混じりあい口内に染み渡り、そろそろ咥えているのが辛くなってきたころ、頭の上で隆弘の声がした。
「凛・・・」
咥えたまま上目遣いに見上げると、満足そうな隆弘の表情にホッとした。
「もういいから」
股間から凛の顔をはがすと、隆弘は凛の濡れたくちびるを拭ってくれた。
「だって、まだ隆弘さん―――」
「おれは凛の中でイキたい」
ドクリと心臓が脈打ち、まっすぐ凛を見つめる隆弘の双眸から目が離せなくなる。
もちろん凛はイヤじゃない。隆弘がそうしたいのなら、どんなに痛くても我慢できる。
何も言わない凛に、隆弘の瞳が不安の色をのぞかせ問いかける。
「やっぱりダメか?コワイ?」
「ち、違うよ!」
凛は慌てて否定した。
「隆弘さんが抵抗あるんじゃないかって思って・・・だって使うところって、おれのいちばん汚いところだし。もっ、もちろん今日は特に念入りに洗ったけどっ」
言ってしまってから、この状況を期待していたのをバラしてしまったことに気付き、凛は恥ずかしさのあまり俯いた。
いざというときに備えて、自分で慣らしておくと良いらしいと雑誌で読んでから、凛はひとりでするときにソコをいじったことがある。
自分の身体の一部でも、どんなに清潔にした後でも、最初は抵抗があったのだ。
たとえ好きでいてくれても、さすがに抵抗があるんじゃないかと凛が考えても無理はない。
黙り込んでしまった隆弘の様子が気になって、チラリと見上げると、何かを考えているようだった。
やっぱりイヤなのかな?
挿れたいけれど触れたいくない、そんなことを考えているのかも知れない。
たとえそうだとしても、やはり面と向かって告げられると、凛も悲しい。
尤もだと思っていながら、寂しい気持ちになってしまうのは、凛のわがままなのだろうか。
何も言わない隆弘を思いやり、凛が先に口を開いた。
「た、隆弘さんっ、おれ、自分で準備できるから!ちょっと待っててもらってもいいかな?す、すぐだから!」
冷めかかった雰囲気を取り繕うために凛の出した答えを聞いて、隆弘は唖然とした様子だ。
休みの日、遠くの街まで買いに行ったラブローション。
あまりに恥ずかしくて1本しか買えなくて、後ろの穴を探る時にだけ、少しずつ使用した。
どうせ恥ずかしい思いをするのならもっと買い込めばよかったと後悔したけれど、あまり自由になるお金がない凛にとってはそれで十分だったかも知れない。
確か今日もカバンの中に忍ばせておいたはず・・・・・・
いつでも臨戦態勢に対応できる準備は整えている凛だった。
リビングへ取りに行こうとベッドから降りようとしたとき、隆弘が急に笑いだした。
「隆弘・・・さん?」
訝しげに視線を隆弘に向けると、凛の腕を引っ張り抱き寄せる。
隆弘の胸に背を預けるように、後ろから抱きしめられた。
「凛、自分で準備するって・・・凛が弄るの?それはおれのため?それとも凛が自分で弄りたいの?」
「たっ、隆弘さんっ」
「それは見てみたいな。凛が自分で弄ってるところ。そんな恥ずかしい姿、おれに見せてくれるんだ?」
密着した身体が、耳元で囁かれる言葉に反応し熱くなる。
「凛は触ってっていいながらも、自分で触るのが好きなんだよな?さっきも自分でココ弄りまくってたし」
前に回された手で胸の突起に再び触れられ、凛は熱い吐息を漏らした。
「おれの指よりも、自分の指のほうが感じるんだ、凛は」
「ち、違う」
問い詰められながらまるでおしおきのように粒を弄られ、反論したくて首を捻り振り向き見上げると、自然に胸を突き出すような形になり、容赦のない愛撫に責められた。
「あっ・・・んくっ・・・・・や、やめ・・・た、隆弘さっ・・・・・・」
ひとりでする時だって触ったことがなかったのだ。
後ろの穴への関心はあってもどういうわけだか胸を意識したことがなかった。
身体を洗うときに触れる程度の、何の意味も持たない身体のパーツだったのに、今日触られて初めてそれがついている意味を知った。
男だって感じるんだと、隆弘が教えてくれたのだ。
すっかり敏感になってしまった突起を弄られ、自然と涙が滲んだ。
性感帯は繋がっているのか、連動して前も張りつめてくるが、胸しかさわってくれない隆弘が物足りなくて凛がそろそろと手を伸ばせば、隆弘に止められた。
「だからっ、自分で触るなって!」
少し強い口調に驚いて振り返ろうとしたけれど、隆弘が凛の肩に顔を乗せているから振り向くことができない。
いつ隆弘の機嫌の損ねてしまったのかわからない凛の心臓はバクバク音をたてていた。















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