christmas serenade

甘い夜







第三話






想像していたよりも抱き心地がいい、隆弘は満足そうに笑みを浮かべた。
もっと痩せているかと思っていた凛の身体は薄くではあるが筋肉がついているし、体毛も薄く肌もきれいだった。
実は隆弘は不安に思っていた。
凛のことは好きだし、抱きたいという欲望も膨らみすぎて破裂しそうなほどだった。
くちびるを重ねた回数だけその先へと進みたい欲求にかられ、抱き寄せた回数だけその素肌に触れたいと思っていた。
もちろん空想の世界においては、隆弘は数え切れないくらいに凛を抱いている。
しかし、実際にその身体を目の前にすればどうなるのか、女性しか相手にしたことのない隆弘には未知の世界だ。
凛の外見に惚れたわけではないが、凛に対するイメージがすっかり固まっているから、もし自分の想像と全く違っていたらどうしようかと不安だったのだ。
そんな不安も取り越し苦労だったらしい。
おそらく誰も触れたことがないだろう肌に指を滑らせると、その動きを止めたいのか促したいのか手に手を重ねてくる。
肌の感触を楽しむように撫でさすると、凛は小さく身じろいだ。
顔を背けて今にも泣き出しそうな表情の凛に驚き、身体を探るのをやめ、その手で優しく髪をかきあげてやると、凛はゆっくりと隆弘のほうを見上げた。
「どうした?」
「なんか・・・どうしていいのかわかんなくて。隆弘さんに触ってもらえるのが嬉しくてさっきからおれ、何もしてない」
凛が身体を起こそうとするのを、そのままシーツに縫いとめる。
そういえばさっき頑張るけどとかどうとか言っていた。
おそらく凛なりに初体験の行為を楽しもうとしているのだと思いあたり、隆弘はますます凛に対する愛しさを募らせた。
「隆弘さん・・・?」
肩をぐっと押さえつけられた凛が不安そうに隆弘を見上げている。
「凛、隅から隅まで触ってやるから、とりあえずおまえは感じとけ、な?」
戸惑う凛にキスすると、再び肌に指を滑らせる。
啄むようなキスに舌を絡ませるキス。耳朶を食めば、すぐそばで甘い吐息が漏れる。
肩やら腕やら脇腹やらを這っていた指先が胸を掠めると、そこに小さな突起を見つけた。
平らな場所に存在するそれを親指で弾くように撫でると、以外に弾力があり悪くない。
「あっ・・・ンッ、やっ・・・・・・」
同時に腹筋に力が入ったのがわかった。
男でも感じるやつと感じないやつがいるらしいが、どうやら凛は前者らしい。
「た、隆弘さんっ、や、んんっ・・・・・・」
胸を弄ぶ隆弘の手を無意識に掴んだ凛の指先を、そのまま突起へと導いた。
「何?凛、自分で触りたいの?」
「ち、ちがっ―――」
「手伝ってやるから、自分でいいように弄ってみな」
隆弘は凛の手に手を添えると、指先に力を加えた。
「やっ、ああっ、あっ・・・・・・」
自ら突起を弄らされることにはいくらなんでも抵抗はあっただろうが、どうやらその性格そのままに快楽にも素直な凛は、いつしか隆弘が手を離してもその手を休めなかった。
「こっちはおれは舐めてやるよ」
もう一方の突起を舌全体で舐め上げ、舌先でつつくと、凛は腰を押し付けてくる。
欲望はすっかり硬くなり勃ちあがっていて、隆弘の腹を押し上げた。
手を伸ばし握りこむと、先端からにじみ出る雫が隆弘の手を濡らす。
「ああっ・・・・・・」
突起への愛撫は続けながら上下に扱くと、グンと硬さが増した。
「た、隆弘さんっ」
凛が両手で乳首を弄り続ける隆弘を胸からはがそうとする。
「も、もうここはいいっ」
顔を上げると、ふたつの突起は触りすぎたのか赤くはれ上がり、その存在を主張している。
「どうして?ここ、弄られるの好きだろ?」
意地悪く隆弘が聞くと、凛は真っ赤になりながら、縋るような目つきで隆弘を見つめた。
「だけど、両方一度にそんなことされたら・・・おれ、我慢できなくなる」
「我慢なんてしなくていいじゃないか」
「でも、早く終わるともったいない・・・・・・」
その言葉に隆弘はクスリと笑った。
「じゃあ、何回でもイけばいい」














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