愛するキモチ



<9>



うっわ〜なんだ?キモチ悪い・・・
違和感が身体全体を覆う。そりゃそうだ、出すばっかりの器官に異物差し込まれてんだから。
「痛いか?」
「だ、大丈夫。キモチ悪いけど・・・」
「じゃあ、おれに抱きついとけ。しっかりな」
おれは言われるままに、片岡の背中に手をまわした。
おれは右半身を下に、片岡は左半身を下に横たわっていて、ぴったり身体をくっつけているから、おれはケツの穴も気になっていたけれど、動くと擦れるペニスも気になっていた。
さらに、圧迫感がきつくなった。指を増やされたらしい。
おれが「くっ」と声を漏らした途端、片岡の動きが止まる。

「痛くないから・・・」
おれが言うとくちびるが重なった。舌を絡ませていると、気がまぎれる。
意外と痛くないもんだな・・・
なんて、キスしながらのんきに思ってたら、突然身体に電流が走った。
「あああっ!」
声が出てからびっくりした。何だ・・・?
「感じるか・・・?」
「・・・ああっ!」
も、もしかして・・・前立腺てやつ―――
片岡が、そこを指で擦りはじめた。やだっやだってば!
「やめっ・・・ん・・・はあっ・・・」
「キモチいいか?」
キモチいいとかそんな問題じゃない。とにかく勝手に声が出て止められない。
そこをさわられるたびに、ふたりに身体の間にあったおれのペニスが勃ってきて、片岡の腹に当たる。
おれ、ケツの穴ぐりぐりされて・・・勃ててるなんて・・・けど・・・すっげぇ・・・・・・
でも・・・もう・・・ダメ・・・・・・
もう少しでイキそうだったのに、すいっと指が抜かれ、あっけにとられた。
んだよ・・・ヤメんのかよ・・・・・・
残念がってるおれって・・・おれって快楽に弱い人間だったんだ・・・・・・
「亮、じゃあ挿れるからな」
わけわからなくなってる間に、片岡はおれの足の間にいて、おれの足を膝から持ち上げた。
胸につくくらい折り曲げられ、片岡に全部丸見えじゃんか!
見えないと挿れられないけど・・・

おれは、ギュッと目を閉じた。
おれ・・・とうとう突っ込まれちゃうんだ・・・チェリー喪失前に、バックバージン喪失・・・・・・
けど、やっぱりイヤじゃなくて。
片岡だから、全然イヤじゃなくて・・・・・・

片岡が腰を進めると、おれの穴にとんでもないものがぐいっと押し挿ってきた。
それは、指なんて比べものにならないほどで・・・ものすごい圧迫感がおれをしめつけた。
「・・・・っつ・・・・・・・」
い、痛えぞ?何なんだこれはっ!
身体がミシミシうなりをあげるようだった。
ガマンしようと、力を込めると、穴も締まるらしく、片岡が声を漏らした。
「亮、大きく息を吐け・・・」
言われたとおりにすると、身体の力が抜け、ずるっと一気に挿ってきたのがわかった。
「わあっっ!」
あまりに大声をあげたから、片岡はビビッたようだ。
「だ、大丈夫か?」
「へ、平気、ちょっとびっくりしただけ・・・」
「すごい・・・亮の中ってすっげー熱い・・・」
「おまえのだって、スッゲー熱いっての」
「おれたち・・・繋がってんのな・・・不思議な気分」
ふっと笑ったその顔に、おれはかなりキテしまった。
おれの中に片岡がいる。その部分ははちきれんばかりだけれど、とろけそうなほどに熱くて、ひとつになっているという事実だけで、満足感でいっぱいだった。
けど・・・これからは本番なんだよな・・・・・・
「じゃあ、動くからな」
片岡がゆっくりと動き始めた。動くたびに、おれの身体も一緒に揺れる。
片岡のペニスが、おれの内壁を擦って、抜き挿しされるのがわかる。
おれは、くちびるを噛んで声を殺した。痛いような、痛くないような、理解しがたい気分。
しかし、おれのガマンもここまでだった。
あのポイントを片岡のペニスが突いたとき、自分でもびっくりするほど背中がしなった。
「ああっ・・・」
「当たったんだ・・・」
ここぞとばかりにポイントめがけて抽挿を繰り返す。
人間てキモチよすぎると涙が出てくるらしく、いつの間にかおれの目は涙で滲んでいた。
ぐっと布団のシーツを握りしめていたおれの背中に手をまわし、おれを起こして抱きしめ、濡れた目にキスをする。
おれは、片岡の膝の上で突き上げられ、背中を、首をしならす。
「亮・・・すごい・・・キモチいい・・・」
その甘い声に、ますます気分が高揚する。
やっぱり素直に声を出せなくて、噛みしめていたくちびるを舐められて、舌を差し出す。
もうこうなりゃ、キモチよければ何でもよかった。どうせ、ふたりしかいないんだから・・・
そう思うと、ますます身体が敏感になった。
すでにむくむく勃ち上がっていたペニスを、突き上げと同じリズムで扱かれ、おれも片岡の中にいるような錯覚に陥る。
こいつの腰使い・・・やっぱタダモノじゃね〜すわった体勢なのに、ピンポイントで突いてきやがる・・・・・・
「亮・・・亮は?」
おれが黙っていると・・・腰を思いっきり突き上げやがった。
「・・・っはぁっ・・・あっ・・・」
「それが答えだな・・・」
くそっと思うが、快楽には勝てない。
「おれ・・・もう・・・・・・」
またまたおれは負けてしまった。
「じゃあ、一緒にな・・・」
片岡の手の動きと律動が激しくなった。
「・・・くっ・・・はっ・・・」
後ろを攻められ、堪えていた声も漏れ始めた頃、ペニスの先端をくいっと引っかかれ、おれは身体の間に二度目の白濁を飛ばした。
それと同時にきゅっと後ろの穴が締まるのがわかり、「うっ」と声を漏らした片岡が、熱いものを放ったのがわかった。
お互い汗でべっとりの身体にしがみついた。息が荒い。
「―――亮・・・ありがとう」
ぎゅっと抱きしめられ、何だかくすぐったい。
おれも、片岡の広い背中をギュッと抱きしめた。

「どうだった?おれ・・・」
「よかったに決まってんじゃんか・・・どんなオンナよりもよかった・・・愛があるからな。亮は?」
おれは・・・・・・
「初めてだからよくわかんねえ」
やっぱり素直になるのは照れくさくって、そんな言葉しかでてこなかった。
けど、おまえ・・・おれの心ん中わかるって言ったもんな?こんな言葉でわかれよ!
片岡はクスクス笑って、「わかんねえ・・・か。ならわからしてやるよ!」
そう言って、おれを押し倒した。
あっ、おれのケツの穴に、まだこいつのブツ、突っ込んだままだったんだ!
おれは、バックバージン喪失の日に・・・なんと三回も突っ込まれた・・・・・・






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