＜８＞

いつしか片岡はおれにぴったり肌を合わせていて、おれの身体のいたるところにキスを落としていった。
くちびるがおれの身体を這い回り、吸われるたびに背中がのけぞってしまう。
指ですうっとなでられるたびに、声が出そうになる。
なんか、おれ、めちゃくちゃ感じまくってるじゃん・・・
その指が、おれの胸の突起を掠めた時、おれは不覚にも声を出してしまった。
その声に、片岡が反応したのがわかった。
「やっぱ、ココ感じるんだ・・・」
弱みを握ったかのように、さわりまくってきた。
「やめっ・・・はっ・・・・・・」
「なんで？キモチいいならいいじゃん。黙ってろよ」
今度は、くちびると舌を使ってきやがった。
やめろと言いたいけれど、喘ぎ声になりそうで、何も言えない。
なんで、おれはオンナみたいに、乳首舐められてキモチよくなってんだよ・・・・・・
おまけに、ナニまで反応して・・・ないか・・・？
「も・・・やめ・・・ふっ・・・・・・」
やめろと言いながらも、おれは片岡の頭を自分の胸に押さえつけているようで・・・
「おまえが、離してくれないんだろ？」
薄く目を開けると、おれの胸の上からおれを見上げる片岡と目が合った。
ぱっと手を離すと、指に指を絡めてギュッと握ってきた。
声を出すまいと噛みしめていたくちびるにキスをして、舌でくちびるをこじ開けた。
「感じてるんなら、声だせよ・・・」
「―――だって、オンナみたいじゃん」
「いいだろ？オンナだってオトコだってキモチよけりゃいいんだよ」
「―――ヤだねっ」
今だって主導権握られてるのすっげーヤなんだ。おればっか感じまくりなのヤなんだよ！
「おまえ・・・かわいいよ・・・ならもっと感じさせてやるよ」
片岡の目がギラリと光ったように見えたのは・・・気のせい・・・じゃなかった！
「なに、すんだっ！」
片岡が、お、おれの、ペ、ペニスを咥えやがったんだ！
「胸さわっただけで、こんなに勃ってんじゃんか。一回イッとけ！」
なんだよ！んなもん、舌使わなくても、手でイケるってんだ！
なんて思ったけど、それは今まで感じたことのないくらい、キモチよくて・・・
でも、こいつ早え〜なんて思われたらしゃくだし、死んでもこいつの口の中になんて出したくないから、目一杯ガマンしたんだけど・・・
「せんせ・・・もう・・・はなせっ」
「いいから出せよ。それに、先生言うなっ」
オトコ同士だからわかるんだろうか、ポイントをついてくるその舌技におれは・・・悔しいけど降参した。
「マジ、ダメ・・・っあっ・・・・・・」
やっちゃったよ・・・おれ・・・快楽に負けちまった・・・・・・
息を荒げて片岡を見たとき、ゴクンとおれの白濁を飲み干すところを見てしまった。
おれも・・・負けられないよな・・・・・・
「今度は、おまえの番だ」
おれだってオトコだ。キモチよくさせてやる！
おれは、片岡にのしかかって、ペニスをギュッと握った。
「おれは、いいって」
「よくないっ！」
無理やり、口に含んだ。
げっ、こいつのデカイ・・・・・・
おまけに、どうやっていいのかもわからない。
なにせ、経験豊富のこいつとは違って、やられたのも今が初めてだったんだ。
咥えたまま固まっていると、「ほら、無理すんな」と、優しく声をかける。
それが、またおれに火をつけた。
とにかく、舌を使えばいいんだろ・・・？
よくわからないが、おれは懸命に舌を蠢かせた。
片岡が感じているか不安だった。
こんなこと、キモチよくなけりゃ、キモチ悪いだけの行為だし。
けど、おれの不安とは裏腹に、どんどん容量を増してきた。
「キモチいい？」
少し口を離して聞いてみた。
「おまえにしてもらってるってだけで、すっげーイイ・・・」
その言葉に、おれはますますヤル気になり、とにかくいろんな場所をつついてみた。
「・・・くっ・・・・・・」
片岡の声を聞いた時には、もううれしくて仕方なかった。
感じてくれてるんだ・・・・・・
「―――成瀬・・・もういいから・・・・・・」
「成瀬って呼ぶなっ！」
「―――亮・・・もういい・・・」
片岡はすごい力でおれを自分から離した。
「なんで？まだイッって―――」
最後まで言わせず、くちびるをふさがれ、口内を犯され、またまたキモチよさにとろんとなった時に、片岡は言った。
「―――亮がいいなら・・・亮の中でイキたい」
とうとうだ・・・でも、おれ、そんなこと聞かれるなんて思ってなかった。
そのまま流れてそうなると思ってたから。
「なんでそんなこと聞くんだよ？」
素っ裸で、向かい合ってすわって、抱き合って、こんな会話・・・・・・エッチすぎる！
「オマエ、自分はオトコだって強調してるからさ。それは、挿れてほしくないって遠まわしに言ってるのかと思ってさ。やっぱこういうのは、合意の上でないと」
おれだったら、もう挿れちゃってるぜ？
そう思うのは、おれがコドモでこいつがオトナだからだろうか？
「―――やっぱおれが挿れられるわけだな」
「あっいや・・・・・・」
おっ？うろたえてる・・・？
「おまえ・・・挿れたい・・・？」
おれが聞くと、おれを抱きしめていた腕に力がこもった。
「そりゃ・・・好きなヤツとひとつになりたい・・・だろ？」
ひとつになる・・・おれと片岡がひとつになる・・・どんな気分なんだろうか？
してあげるわけでもされるわけでもなく、一緒にキモチよくなるってどんなんだろ・・・？
「―――いいよ？挿れても・・・」
おれが言うと、身体を離しておれを真っ直ぐと見た。
「亮・・・」
「ひとつになろうよ・・・」
何か照れくさくて、どうしても名前は呼べなかった。
そう言った途端、押し倒され、激しくくちづけされた。
なにガサガサしてんだと思いきや、布団の下から何やらチューブを取り出した。
「なんだよそれ」
「これ？潤滑剤。痛いのヤなんだろ？」
こいつ、用意周到・・・ってことは、おれ、また乗せられたのか・・・？
かといって、時すでに遅し。おれのケツの穴に、ぬるっとした感触が・・・
「痛かったらいえよ・・・」
おれをぐっと抱き寄せて、指をつきさしてくる。
ゆっくりゆっくりと。