「オッフェンブルク都市構想21」の対策


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これは、2001年6月25日、提案された実施構想「オッフェンブルク都市構想21」のスタートにあたり、オッフェンブルク市議会が要約した対策の内容である。

1.トップテンの10の対策

(1)時代にマッチしたメディア設備

@マルチメディアの基本的な設備は、2000年から学校に備わっており、2001年前半に、2002年から2005年までの第2段階のコンセプトが作成された。(第2段階では、毎年、約27万ユーロの費用負担を伴う。) 2001年後半から2002年第1四半期にかけて学校との調整を行い、2002年にはハードウェアとソフトウェアの購入を行う。教員やネットワーク技術者の研修も計画する。 なお、コンセプトの実施は、2002・2003年の複年度予算が議決された後となる。また、2002年3月には学校のネットワーク技術者を公募し、2002年7月までにネットワーク技術者を採用する。

A家庭・青少年・高齢者を担当する部署には、メディアのテーマに取り組むワーキンググループがあり、すでに公共部門における情報機器の整備について提案している。 オッフェンブルク市の学校では、10歳以上の児童にはコンピュータが整備されているが、10歳以下の子供については、まだ論議をする必要がある。 そのため、1年間の期限付きで、2002年7月までに教育領域におけるメディアのあり方を考えるプロジェクトを計画し、2003年7月までに実行に移す。なお、提案された提言は、専門会議で評価されることになる。

B市の文書館に調査のためのコンピュータが設置され、博物館の入館者は、オッフェンブルク50年の現代史をコンピュータで見ることが出来る。市立図書館では、インターネットが使えるパソコンを増やし、14歳から利用ができる。 芸術学校では、映像デジタル加工のためにコンピュータを購入する。文化会館、市立図書館、芸術学校、音楽学校などの公共施設はホームページを持ち、文書館や博物館は、新しいインターネットサイトに参加している。 中長期的にみれば、情報機器は拡大していくが、専門家は、財政上の見地だけでなく、メディアの新知識や教育的な視点からも注意を払わなければならない。

(2)住みたくなる街

@70歳代の人口が街の中心地から転出する割合は、郊外や新興住宅地と比較して特に目立った。産業用途の拡大、粗悪な建築内容、不充分な住居面積、住環境条件の悪さは、市街地の構造変化をもたらした。これらの重要な問題点を解決し、構造変化の傾向に影響を与えるため、建物や市街地の再開発は試みられた。 通りや広場の改造は、住環境や居住地の改善に貢献した。その結果、街の中心部における居住人口は、徐々にではあるが、再び増加して来ている。

A街は、商店の閉店までは魅力的で活気があるべきで、そのためには、市街地に住居を増やすより広い対策をスタートさせなければならない。現在、試行段階ではあるが、市の中心地における住宅状況の基礎的な調査や分析がなされている。 2002年末までには、市街地に住む市民や市民団体の参加のもと、問題点を論議し、改革案をまとめなければならない。実行するにふさわしい提案結果は、引き続き、企画委員会で審議されることになる。

(3)中心街の全体構想

@現在、オッフェンブルクの中心街には、ほとんど空きフロアーがない。空いている小売業者のフロアーはすぐに埋まり、簡単な改装をした後、利用される。その点では、1994年から1999年の頃に比べて明らかに状況は変わっている。 目下のところ、このような市況を調整する必要条件は見出せない。

A市のパートナーである商店の営業時間の中心は、月曜日から金曜日は9時から19時、土曜日は9時から16時である。木曜日の強化と平日の営業時間を合わせるため、社団法人オッフェンブルク・マーケティングは、“爽やかなオッフェンブルクの木曜日”などの活動を提唱している。特に、これに取り組んでいる7つの小売業者は、20時まで店を開けている。 中心街の営業時間を合わせるため、同じような活動が考えられているが、お客にもっと情報を提供するため、目下、作成中のホームページに、全商店の営業時間を掲載すべきである。

B果物や野菜を毎日提供する菩提樹広場の露店では、“中心街にもっと食料品”の措置が付け加えられた。 一方、新しいマルクト広場では、中心街における食料品の供給を高めるべきであり、特に、市場にふさわしい新鮮な生産物の供給を考えなければならない。それは、特定曜日に開かれる市場の供給量を越えるものであり、中心街に質の高い食料品業者を定住させるため、出店業者も検査を受けることになる。

(4)メッセ

@消費者メッセORFA“オッフェンブルクの春”は、2002年の消費者メッセ“積極的な余暇”に発展した。新しいメッセの重要点は、自由な時間を取り巻くスポーツ、旅行、庭、モビリティ、そして趣味の全ての領域にある。 4日間のイベントは、現代的な姿は、バーデン地方のワインメッセに見ることができる。開催地をイメージさせる催しとして、ワインを紹介するイベント行われ、2001年には、初めてバーデン地方のワインメッセが、グルメ・フェスティバルと組み合わせて開催された。

Aメッセ・オッフェンブルク有限会社は、14歳から25歳の若者のグループと一緒になって、メッセのコンセプトを手伝う仕事をした。2002年11月には、このメッセを開催するチャンスが試される。しかし、遅くとも2003年の秋には、若者を中心としたグループが、職業教育/職業選択とエンターテイメントの領域でメッセを実現することになる。
制限された範囲内ではあるが、2002年に初めて生産物の直接販売が導入された。そこでは、“バーデン地方のワイン” 開催の基本が、メッセコンセプトの細部にわたり存続している。メッセは、バーデン地方のワインのショーウィンドーにふさわしく、地域を越えてマーケティング・コンセプトを発揮していかなければならない。

(5)社会福祉ネットワーク

@市の市民サービス・社会福祉の部署は、このテーマに取り組む担当者と行政機関との仲介役を引き受けた。その最初の成果として、ホームレスの健康改善対策の実施状況を明らかにするため、オルテナウ郡の社会局で会議が開催されることになった。 そこでは、対策を実行するための共通の関心事や目標を論議するとともに、実施構想を実現させるための権限庁が決定されなければならない。

Aホームレスの健康状態を改善するには、原則として、疾病保険か社会扶助のどちらか一方で、医療保障がなされていることが重要である。しかし、次のことが明らかになった。
1)彼らは、とりわけ医者にはかからない、あるいは医者にかかるのが遅い。
2)治療のための受け皿は、契約した少しの医者だけである。
3)全快した後の予防的な手助けや適切な病後ケアが、著しく制限されている。

B今後、ホームレスの健康を支援していくため、オルテナウ郡、バーデン地方福祉連盟、聖ウルズラ、市当局の間で、プロジェクトの管理を的確に行う。次に、対策の方向付けや関係者の協力を確実にするため、専門家による聴聞会を開き、必要性を明らかにする。
1)支援の必要性は、主として街の東部(シラー広場周辺)で認められる。
2)現在、聖ウルズラによって、その必要性に関する資料が作成されている。
3)その資料は、オルテナウ郡との交渉プロセスのための基礎となる。
なお、オルテナウ郡との話し合いに基づき、実施プロジェクトグループOG21によって、その対策は、注意深く見守られなければならない。

(6)女性フォーラムの創設

@女性フォーラムのアイデアが、女性ワークショップで生み出され、2000年秋の第7回オッフェンブルク女性週間のイベントで紹介された。イベント中には、早速、女性フォーラムの参加協力の申し込みがあった。 加えて、女性グループ、女性団体、学校・幼稚園の母親代表、女性の市議会議員、若者議会の女子学生、及び外国人委員会の女性代表など、様々な分野の女性に意見が求められ、排斥を避けるため、ワークショップにも公開で招待された。
2002年1月25日〜26日、“オッフェンブルク女性フォーラム”のワークショップが開催された。41人の女性は、女性フォーラムの目標と構想実現のための発展的な提言を作成した。女性フォーラムは、女性市民と市当局とを結びつけるものであってほしい。 また、女性特有のテーマとして、女性の多様な生活の現実が注意深く公表され、女性の仕事が支援されるべきである。女性フォーラムの目標は、女性の生活の質の向上であり、女性にやさしい街を共に作ることである。女性フォーラムの代表者は、市の影響力を受け入れ、専門的な知識を持つ女性を、政治的な決定をする委員会に送り込みたいと思っている。

Aこのプロジェクトの出発点は、全ての政治的、社会的な行動分野において、“ジェンダーメインストリーミング(Gender Mainstreaming )”の原則の採用である。そのアプローチの方法について、最初の話し合いが行われた。 州の様々な法律の中には、会社の自主的な給付や承認を通じて、積極的な女性を援助するための規定がある。このような対策を実行に移すには、オッフェンブルク市の経済的援助が必要である。2002年の第4四半期には、市やオルテナウ地方の経済的援助を含めて、方向付けの話し合いが予定されている。

B市民プロジェクトである"女性特有の経済的支援"の確立は、今後の課題である。報道を通じて広くプロジェクトをPRすることで、参加者を確保しなければならない。
15人からなる女性フォーラムの組織チームは、2002年5月15日、"オッフェンブルク女性フォーラム"を開催した。この集会には、128人の女性が参加し、今後の作業の進め方、目標設定を定めた前文及び職務規定を可決した。また、女性委員も選出された。このフォーラムは、総会、作業グループ、女性委員会から成っている。

(7)オッフェンブルクとストラスブールを結ぶ地域公共交通の整備

@フランスのストラスブールとドイツのキール・オッフェンブルク間を結ぶ鉄道交通についての評価書が、ストラスブール・キール間の市街電車の実現を目指す推薦状とともに提出されている。これに政治的な専門委員会が何時どのように取り組むかは、ストラスブール市所管の地域団体が参加する幅広い話し合いの中で明らかになるだろう。 以前から予告されていたオッフェンブルクとストラスブールを結ぶオルテナウ鉄道の走行は、年の中頃には開始される。

Aバーデン・ヴュルテンベルク州の近距離交通組合において、カールスーエの交通連盟が、バーデンバーデンから北部オルテナウ郡への延伸を内容とする提案をした。 その対抗措置として、オルテナウ郡は、オルテナウ鉄道をオッフェンブルクから北部地域に延伸する提案をした。しかし、この二つの提案に対する支援の決定は、まだなされていない。

(8)小規模コージェネ装置の導入及び再生エネルギーの利用

@2001年12月12日、環境委員会は、公共及び民間の建物における小規模コージェネ装置の導入と再生エネルギーの利用について協議した。 委員会は、経済性とCO2削減の貢献に考慮して、それらの利用を具体化するコンセプトを評価し、次の委員会において公表することを行政機関に付託した。そのコンセプトには、次の要素を含むべきである。
(a)小規模コージェネ装置の案内 (b)相談 (c)ソーラー集熱器の促進計画 (d)改修された体育館屋根の太陽光発電 (e)太陽光発電の促進計画  (f)ミュールバッハにおける水力発電 (g)風力発電 (h)エネルギーコンセプトと所見 (i)オルテナウ地方エネルギー代理店を通じた協議

A2001年秋に、コンラード・アデナウア学校において、小規模コージェネ装置の負荷運転が開始された。また、3月の中頃からは、学校本部の北区域において、下水熱利用の可能性の研究も行われている。 2001年12月、興味を持つ議員が、カールスルーエ市のゴミ集積場の上に建つ風力発電装置を視察した。また、ミュールバッハでの水力発電の利用のため、興味あるゲストを迎え、最初の話し合いが行われた。

(9)学校と幼稚園における自然教育

@オッフェンブルクでは、すでに自然教育や環境教育が始まっている。連邦政府の野外授業プロジェクトでは、興味を持った学年クラスや幼稚園グループの専門家たちが、自然との遊びを通じて積極的な自然体験をさせている。
オッフェンブルク市は、数年前からそのプロジェクトに、一回につき25マルク(現在の約13ユーロ)、総額で47マルクを援助してきた。
1999年、青少年芸術学校とフライブルクの社団法人が共同で、展覧会"子供と一緒の自然体験"を、当時はまだ修復されていない乗馬ホールで開き、全ての学校と幼稚園が招待された。

A行政と様々な機関の専門家たちが集まった作業グループに、教育者と興味を持った両親が加わり、以下のテーマを全体のコンセプトへと発展させるべきである。
・校庭緑化と校庭改修の助言
・学校及び幼稚園から手本となる外部地域への視察
・教師と教育者の専門教育
・建築家と景観プランナーの研修
・発展的な追加提案。例えば、プロジェクト日の統合、休暇パスポートや郊外での休養、スポーツクラブの参加協力
・提案の調整
環境委員会は、教育学をさらに発展させる試みと、示された課題の調整箇所の計画を、満場一致で行政機関に付託した。

以下の対策は、暇を見つけての翻訳のため、しばらくお待まちください。

(10)上級学校における職業情報

2.市民による対策

3.行政による対策