平安京の大きさ

【平安京の大きさ】
・南北中央に朱雀大路を配し、東西の大路(条)と南北の大路(坊)を碁盤の目状に組み合わせた左右対称の都市計画を条坊制という。東西1500じょう(約4.5km)、南北1751丈(約5.2km)。
 北限(一条大路)は、現在の今出川通と丸太町通の中間の一条通
 南限(九条大路)は、現在のJR京都駅南方の九条通
 東限(東京極大路)は、現在の寺町通にあたる
 西限(西京極大路)は、JR嵯峨野線花園駅と阪急西京極駅を南北に結んだ線
・大内裏の北は一条大路、南は二条大路と一致、その全体は中央にある。中央南門が朱雀すざく門で、その北へ行く朱雀大路(道幅約84m、長さ約4km)が中央通りで、平安京を東西に2分(東を左京、西を右京)する。朱雀門(東西15丈6尺、約47m)は現在の朱雀高校すぐ北西の位置である。朱雀大路の南の端(九条)に羅城門(東西10丈6尺、約32m、980年に暴風雨により倒壊し、以後再建ない)があった。
・平安京の中を流れる2つの「堀河」(堀河と西堀河を整備)を水運に(?)利用するとともに、生活用水の排水に利用したようだ。街区(町:一辺40丈 約120m)をつくる大路・小路には3~4尺の側溝が備わっており、街区からでた排水をこの堀河へ流すのようだ。因みに、飲料水には上水井戸や井戸の水があるが、京都市の調査では市内いたるところに井戸が発見されている。屎尿はくみ取りのようだ。
【上水井戸】とは、川の水を石、木樋、竹樋で水路を作り・導き、一カ所に水をため井戸のように上から桶にてくみ取り使用する。「井」とはもともと水をためておく所をさす。「井出」はためたところから水を出す所か。

【大路・小路】
・大路・小路の両側には、路面までに、端から垣、犬走、溝がある。路幅は両側の垣の中心(幅の半分)から中心までの距離で、大路の幅は8丈(約24m)、小路の幅は4丈(約12m)である。平安京中央の朱雀大路の幅は28丈(約84m)である。南北路は鴨川の流路とも関係し、当初と今では西にずれていく。

■平安京の横幅:1500丈 下段は現在の名称
【大路】8~12丈幅 朱雀大路のみ28丈【小路】4丈幅  朱雀大路で左右対称
西京極無差菖蒲あやめ 木辻恵止利えとり馬代ばだい宇多 道祖野寺西堀河小路西靫負ゆげい 西大宮西櫛笥くしげ 皇嘉門西坊城 朱雀すざく坊城 壬生みぶ櫛笥 大宮猪隈いのくま堀河小路 西洞院町尻まちじり室町烏丸 東洞院高倉万里までの富小 東京極
1044484448484 12410428410484 8484448 44410
葛野かどの大路河原図子木辻西小路馬代佐井西佐井西大路及び佐井東 西土居天神御前下ノ森及び西新 七本松六軒町及び東新 千本 坊城 壬生 櫛笥 大宮猪隈いのくま堀川 西洞院新町 室町烏丸東洞院及び竹田街道高倉柳馬場及び河原町麩屋町及び西木屋町梨木町及び寺町
*堀河小路、西堀河小路は幅8丈で、川幅4丈の両側に2丈(約6m)ずつの小路
【大・小路】212丈
  212丈+川4丈×2本=220丈
【町数】32で、40丈×32 幅1280丈  総計幅:1500丈

■平安京の縦幅:1751丈 下段は現在の名称
【大路】8~12丈幅 二条大路のみ17丈
一条10一条
 正親町おおぎまち4中立売
土御門10仁和寺街
 鷹司4下長者町
近衛御門10出水及び妙心寺
 勘解由かげゆ4下立売及び丸太町
中御門10丸太町
 春日4丸太町
大炊御門おおいのみかど10太子
 冷泉4夷川
二条17二条及び上押小路
 おし4押小路
 三条坊門4御池
 姉4姉小路
三条8三条
 六角4六角
 四条坊門4蛸薬師
 錦4錦小路
四条8四条
 綾4綾小路
 五条坊門4仏光寺
 高辻4高辻
五条8松原
 樋口4万寿寺
 六条坊門4五条
 楊梅ようばい 4楊梅及び中堂寺
六条8六条
 左女牛さめうし 4上ノ口及び旧・花屋町
 七条坊門4正面
 北  4下数珠屋町及び北小路
七条8七条
 塩4木津屋橋
八条坊門4西塩小路
 梅4梅小路
八条8八条
 針4針小路
 九条坊門4東寺
 信濃4南小路
九条12九条
【大・小路】231丈
【町数】38で、40丈×38 幅1520丈  総計幅:1751丈
ただし、造営尺:1尺は29.84cm (現在約30.303cm) 10尺=1丈
 (京都市埋蔵文化財研究所)