無限について

 

 

無限          : 無限大、無限小、無限遠点、無限集合(加算/非加算)、無限小数、無限列、超限数、デデキント無限

濃度(数学)   無限集合の濃度 基数の大小関係 基数の演算

超実数         移行原理

無限遠点

リーマン球面 : 自己同型群

 

群(数学)     : アーベル群(可換群)

環(数学)

体(数学)

 

メビウス変換

 

参考、巨大数

 グラハム数

 グーゴル

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無限とは、

限りが無いことです。

 

無限大は、グラハム数グーゴルという、

巨大数よりも大きい、ということですね。

 

無限は、とても不思議です・・・

 

無限集合の濃度を、無限基数といいますが・・・

基数の間には、和、積、冪が定義できます・・・

でも、無限+無限は、2無限ではなく、やはり無限です。

 

無限集合には、種類があります。

可算無限集合は、

数え上げ可能な無限集合です。

整数や有理数があります。

非可算(無限)集合は、

数え上げ不可能な無限集合です。

実数や複素数があります。

 

整数等の「数」は、身近にある無限です・・・

ちなみに、数には、

という構造があります。

整数有理数実数複素数は、を成します。

これらは、整数を除き、でもあります。

 

デデキント無限は、

ある集合自身と対等な真部分集合が存在する集合です・・・

部分と全体が、一対一の対応をするという、不思議な世界です。

 

複素数は、大小関係を定義できないため、無限大はありませんが、

似た概念として、無限遠点を考えることができます。

無限遠点では、なんと、平行線が交わります

 

尚、リーマン球面は、

複素平面に、1つの無限遠点を追加して得られます。

弦理論では、弦の世界面は、リーマン球面です。

 

ちなみに、メビウス変換からなる二十面体群は、

五次方程式の解析解を与えるために用いられたそうです・・・

関係あるかどうかはわかりませんが、また?面体ですね。

 

尚、ガロア理論によると、五次方程式は、代数的に解けない

5次の一般方程式の根を、その式の各項の係数と有理数の、

有限回の四則演算及び有限回の根号をとる操作の組み合わせで、表示することはできない)そうですが・・・

四則演算と、通常の冪根をとることに加えて、

超冪根(既約な方程式 x5 + x - a = 0 の唯一の実根)をとる操作も、「代数的操作」として許容した場合、

一般五次方程式が「代数的に」解けるようです。

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無限

限りが無いことです。

 

無限大

いかなる数よりも大きい様を表すものです。

 

どの実数よりも大きな、ある特定の(超準解析や集合の基数等)、

ある変量が、どの実数よりも大きくなる(極限等)ことを表します。

 

尚、無限大を、ある種の数と捉える場合でも、

それに適用される計算規則の体系は1つだけではありません。

 

実数の拡張としての無限大には、∞ (+) と −∞ があります。

 

大小関係を定義できない複素数には、無限大の概念はありませんが、

類似の概念として、無限遠点を考えることができます。

 

無限小

0を除く)いかなる数よりも、(絶対値が)小さな数ととられる、記号または拡張された数です。

 

無限大と同様に、1つの数を表すものではなく、限りなく小さくなりうる変数と考えます。

 

一方、超準解析等では、数学的に定式化されます。

 

無限遠点

ユークリッド空間で平行に走る線が交差するとされる空間外の点、または、

拡張された空間における無限遠の点。

 

平行な直線のクラスごとに、1つの無限遠点があるとする場合は、射影空間が得られます。

この場合、無限遠点の全体は、1つの超平面(無限遠直線、無限遠平面等)を構成します。

全体で、ただ1つの無限遠点があるとする場合は、(超)球面が得られます。

 

尚、リーマン球面は、複素平面に、1つの無限遠点 ∞ を追加して得られます。

 

無限遠点をつけ加えてえられる、射影空間超球面は、いずれもコンパクトになります。

 

無限集合

有限集合(要素の数が有限である集合)でない集合です。

 

可算無限集合

自然数全体 N からの全単射が存在する、数え上げ可能な無限集合です。

整数全体、有理数全体、代数的数の全体等。

 

非可算(無限)集合

自然数全体 N からの全単射が存在しない、数え上げ不可能な無限集合です。

実数全体、複素数全体等。

 

無限小数

小数表示が有限の桁ではない数です。

 

無限列

数や点等の要素に、番号を付けて、無限に並べたもの、

つまり、長さが無限の数列、点列等です。

 

超限数

無限には異なる種類があり、

現代数学では、濃度の概念で捉えられるものです。

超限数は、 の記号を用いて表記され、

最も濃度が小さいものは、0で表されます。

0の次に大きい濃度を持つ集合の濃度は 1

以後同様に、2・・・が定義されます。

 

濃度κを持つ集合の、冪集合の濃度2κで表されますが、

この濃度が、常にκより真に大きくなります。

 

自然数全体の集合 N の濃度は、ℵ0です。

整数全体の集合 Z や、有理数全体の集合 Q の濃度も、ℵ0であり、

この無限を、可算無限といいます。

 

20の濃度を持つ集合としては、実数全体の集合 R があります。

 

カントール氏は、ℵ0より濃度が大きく、2 0より濃度が小さい無限は存在しない、

つまり 2 0 = 1が成り立つ、という仮説(連続体仮説)を立てましたが、

これを証明することはできませんでした。

現在では、連続体仮説は、

通常の数学の体系からは、「証明も反証もできない」ことが証明されています。

 

デデキント無限

ある集合が、自身と対等な(同じ濃度を持つ)真部分集合が存在する時、

その集合は、デデキント無限であるといいます。

 

デデキント無限でない集合は、デデキント有限であるといいます。

 

無限集合が、デデキント無限集合であるということと、可算無限部分集合を持つことは同値です。

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濃度(数学)

無限集合の濃度

基数の大小関係

基数の演算

 

集合論において、無限集合同士のサイズを比較するために、

有限集合の要素の個数という概念を、無限集合にも拡張させたものです。

 

集合の濃度は、基数と呼ばれる数によって表されます。

 

有限集合では、要素の個数と濃度は等しいです。

しかし無限集合では、そうはなりません。

 

定義

それぞれの集合 A には、A の濃度|A|card(A)#A )、

と呼ばれるものが一つ割り当てられており、次の性質をみたします。

 

1. 集合 A から集合 B への全単射が存在する時、またその時に限り |A| = |B|

2. A が有限集合の時、|A| A の要素の個数に等しいです。

 

ある集合の濃度を、基数といいます。

有限集合の濃度(自然数)を、有限基数

無限集合の濃度を、無限基数と呼びます。

 

正式には、A の濃度とは、A との間に、全単射が存在する順序数の中で、最小のものである、と定義されます。

 

集合の濃度を定義する方法は、一つではありませんが、

必要なのは、濃度が上の性質 1. 2. をみたすことです。

濃度

 

無限集合の濃度

可算濃度とは、

自然数全体の集合の濃度です。

 

通常、0または、 aと表記されます。

 

定義より、可算濃度をもつ集合は、

自然数全体との間に、一対一対応を付けることができ、

これによって 1, 2, 3, … と順番に数えていくことができるため、可算無限集合と呼ばれます。

 

自然数全体、整数全体、有理数全体は、いずれも可算無限集合です。

有限集合と可算無限集合をあわせて、可算集合と呼びます。

 

連続体濃度とは、

実数全体の集合の濃度です。

または c 表記されます。

 

可算濃度の性質

選択公理を仮定すると、ℵ0は最小の無限基数です。

つまり、全ての無限基数 κに対して、ℵ0 ≤ κが成り立ちます。

 

κが ℵ0より小さい基数ならば、κは、有限基数(自然数)です。

濃度

 

基数の大小関係

基数 κ, λ に対して、 |A| = κ,|B| = λ である集合 A, B を取ったとします。

A から B への単射が存在する時、κ ≤ λ と定義し、

κ ≤ λ かつ κ ≠ λ の時、 κ < λ と定義します。

これは、有限基数の範囲では、通常の大小関係と一致します。

 

任意の基数 κ, λ, μ に対して、κ ≤ κ と、 κ ≤ λ かつ λ ≤ μ ならば κ ≤ μ が成り立ち、

また、シュレーダー=ベルンシュタインの定理

集合 A から集合 B への単射が存在し、B から A への単射も存在すれば、A から B への全単射が存在する、により、

κ ≤ λ かつ λ ≤ κ ならば κ = λ が成り立ちます。

 

更に、選択公理を仮定すれば、任意の基数 κ , λ に対して κ ≤ λ または λ ≤ κ が成り立ちます。

 

後続基数と極限基数

全ての基数κに対して、それより大きい基数λで、その二つの基数の間には、他の基数が存在しないようなものが存在します。

つまり、λは、κの次に大きな基数です。

このような基数を、κの後続基数といいます。

 

ある基数の後続基数である基数のことを、単に後続基数といい、

どの基数の後続基数にもならないような基数を、極限基数といいます。

 

後続基数と極限基数の間には、大きな性質の違いが見られます。

濃度

 

基数の演算

基数の間には、自然数の場合と同様、和、積、冪が定義できます。

 

特に、有限基数(自然数)の間の演算は、通常の演算と一致します。

 

κ, λ を基数とします。

 

集合 A, B |A| = κ、|B| = λ、A B = ∅ をみたすように取った時、

A B の濃度は、A, B の特定の取り方によらず、一定です。

 

|AB| を、κとλの和といい、これをκ + λで表します。

 

基数の和について、次が成り立ちます:

1.κ , λ が有限基数ならば、和 κ + λ は自然数間の通常の和と一致します。

2.κ + λ = λ + κ.

3. (κ + λ) + μ = κ + (λ + μ).

4.κ + 0 = 0 + κ = κ.

5.κ ≤ λ ⇒ κ + μ ≤ λ + μ.

 

κ、λを基数とします。

集合 A, B |A| = κ、|B| = λ をみたすように取った時、

A × B の濃度は、A, B の特定の取り方によらず、一定です。

 

|A×B| を、κとλの積といい、これをκ·λで表します。

 

基数の積について、次が成り立ちます。

1.κ, λ が有限基数ならば、和 κ · λ は自然数間の通常の積と一致します。

2.κ · λ = λ · κ.

3. (κ · λ) · μ = κ · (λ · μ).

4.κ · (λ + μ) = (κ · λ) + (κ · μ).

5.κ · 1 = 1 · κ = κ.

6.κ · 0 = 0 · κ = 0.

7.κ ≤ λ ⇒ κ · μ ≤ λ · μ.

 

κ 、λ を基数とします。

集合 A, B |A| = κ、|B| = λ をみたすように取った時、

BA の濃度は A, B の特定の取り方によらず一定です。

 

|BA| を、 κのλ乗といい、これをκλで表します。

 

基数の冪について、次が成り立ちます。

1.κ, λ が有限基数ならば、冪 κλ は、自然数間の通常の冪と一致します。

2.κλ + μ = κλ · κμ

3. (κ · λ) μ = κμ · λμ

4. (κλ) μ = κλ · μ

5.κ0 = 1

6.κ ≠ 0 0κ = 0

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超実数超準実数

無限大量や無限小量を扱う方法の一つです。

 

超実数の全体 *R は、実数体 R 拡大体であり、 

1 + 1 + + 1

の形に書ける、いかなる数よりも、大きい元を含みます。

 

このような数は、無限大であり、

その逆数は、無限小です。

 

超実数は、移行原理を満たし、

R についての一階述語論理の真なる主張は、*R においても真です。

 

超実数の性質

超実数の全体 *R は、実数体 R を部分体として含む、順序体を成します。

 

実数体とは異なり、超実数は、通常の意味の距離空間を成しませんが、

超実数の大小関係から、順序位相を入れることはできます。

 

超実数体は、実数列から構成できます。

 

超実数の応用、特に解析学における、諸問題への移行原理の適用は、超準解析と呼ばれます。

 

f(x) の導関数は、

関数 y(x) の導関数は dy dx ではなく、dy dx 標準部として定義されます。

 

つまり、f ( x ) = s t ( f ( x + Δ x ) f ( x ) /Δ x) 

になります。

 

ただし、Δx は、無限小超実数

st( ) は、有限超実数から実数への関数で、

「有限超実数に無限に近い、ただ一つの実数への関数」という、標準部関数です。

 

つまり、超実数の体系は、無限小量の無限の階層を含みます。

 

積分も、同様に、無限和の標準部によって、定義されます。

 

超実数の体系において、定積分を定義する一つの方法は、

dx を無限小、n を超準自然数として、

a, a + dx, a + 2dx, , a + ndx

で定義される、

超準有限格子上でとった、無限和の標準部をとることです。

 

この時、積分の下界は a、上界は b = a + ndx です。

超実数

 

移行原理

超実数の体系のアイデアは、

実数の集合 R を拡張し、

代数の基本公理を変更することなく、無限小や無限大を含む体系 *R を構成するというものです。

 

「任意の数 x に対し〜」という形のいかなる主張も、

実数にとって真であれば、超実数にとっても真です。

 

実数体に対する主張を超実数体に対して引き移す」ことができるということを、移行原理といいます。

 

ただし、「いかなる数の集合 S に対しても〜」という形の主張は、引き継ぐことができません。

 

実数と超実数とが区別される唯一の性質は、

集合とは関係なく構成できる、関数や関係のような集合や、

その他の高位の構造や、量化に依るものです。

 

実数の集合や関数、関係は、全く同じ一階の性質をもつ、その自然な超実数への拡張を持ちます。

量化の制限に従う、この種類の論理的文は、一階述語論理における主張について述べられます。

 

しかし、移行原理は、R *R が、全く同一の振る舞いを持つということを意味しません。

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無限遠点 無限

限りなく遠い所(無限遠)にある点のことです。

          

無限遠点を、実在の点とみなせるように、空間概念を一般化することができます。

 

ユークリッド平面上の、互いに平行な 2 直線の交点のことです。

厳密には、この交点は、ユークリッド平面の中には存在しないため、

無限遠点は、ユークリッド平面のに存在します。

無限遠点の全体は、無限遠直線を描きます。

 

一般化

n 次元のユークリッド空間に対し、

空間外の点を加えて、n 次元実射影空間 Pn( R )を構成することができます。

 

n次元実射影空間は、

n次元球面とは、同位相ではありませんが、

n次元球面は、n次元実射影空間の二重被覆?です。

 

従って、球面と同様、射影空間も、リーマン幾何学の一つのモデルを与えます。

 

射影空間の直線とは、

Rn 上の直線の両端を、無限遠点で結ぶことで得られますが、

これは、球面における大円(球の中心を通る平面と球面との交線)に相当し、

球面上の大円が2点で交わるように、射影空間上の任意の二直線は、一点で交わります

 

ユークリッド空間上での平行線は、無限遠空間上で交わります。

 

更に、基底空間を、実数直線 R から、複素数平面 C に取り替えた、n 次元複素射影空間 Pn( C )

あるいは、もっと一般に、体 K 上の射影空間 Pn( K ) 等があります。

 

複素直線(複素数平面)C に、一点 { } を加えた空間は、

2 次元の)球面と同相であり、

リーマン球面と呼ばれ、 P( C ) と書かれます。

次数を明示して P1( C ) と書かれることもあります。

 

リーマン球面は、複素射影直線であり、

実射影平面P2( R ) とは、位相が異なります

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リーマン球面(数学)

無限遠点 1/0 = ∞ )を一点追加して、複素平面を拡張する一手法です。

 

複素射影直線とも言い、CP1 と書きます。

拡張複素平面とも言い、C ^または C {} と書きます。

 

無限遠点を追加した複素数全体は、拡張複素数として知られる数体系を構成します。

 

無限を伴う算術は、

通常の代数規則すべてに従う訳ではないので、

拡張複素数全体は、を構成しません。

 

しかし、リーマン球面は、

幾何学的・解析学的に、無限遠においてさえも、よく振舞い、

リーマン面とも呼ばれる、1-次元複素多様体をなします。

 

複素解析で、複素平面(リーマン球面)上の有理型関数とは、正則関数 f g の比 f/g です。

 

複素数全体への写像としては、g = 0 である限り、これは定義されません。

しかし、g = 0 であっても、複素射影直線への正則写像 ( f, g ) は整合的に定義され、これを含みます。

 

リーマン球面の場合、自己同型は、リーマン球面から、自身への可逆な双正則写像です。

このような写像は、メビウス変換という、一次分数変換だけです。

 

自己同型群は、

その対象から自身への写像であって、同対象の主要な構造を保存するものがなすです。

 

リーマン球面は、物理学で有用です。

 

量子力学において、

複素射影直線上の点は、

光子の偏光状態、

スピン 1/2 の有質量粒子のスピン状態、

2 状態の粒子の自然な値を示します。

 

弦理論では、

弦の世界面 (ワールドシート) は、リーマン球面です。

 

天球の相対論的モデルに使用することもあるようです。

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群(数学)   メビウス変換

最も基本的と見なされる、代数的構造です。

 

群の概念は、

数学的対象 X から X への、

自己同型の集まりの満たす性質を、

代数的に抽象化することによって得られます。

 

この集合は、 X の対称性を表現していると考えられ、

結合法則・恒等変換の存在・逆変換の存在、等が成り立っています。

 

集合論に基づき、X 集合として実現されている場合には、

自己同型として、X から、それ自身への全単射写像を考えることになりますが、

空間や対象の持つ構造に応じて、更に付加条件を課すことが多いです。

 

ベクトル空間 X に対して、その自己同型写像の集まりを考えると、群が得られます。

 

定義

集合 G と、その上の二項演算 μ: G × G G の組 (G, μ) が、群であるとは、

以下の3つの条件を満たすことをいいます。

 

1. 結合法則

任意の G の元 g, h, k に対して、μ( g, μ( h, k ) ) = μ( μ( g, h ), k ) を満たします。

 

2. 単位元の存在

μ( g , e ) = μ( e, g ) = g を、 G のどんな元 g に対しても満たすような G の元 e が存在します。

このような e は、存在すれば一意であり、G 単位元といいます。

 

3. 逆元の存在

G のどんな元 g に対しても、μ( g , x ) = μ( x , g ) = e となるような G の元 x が存在します。

このような x は、存在すれば一意であり、

この x を、 g G における逆元といいます。

g1, または演算を加法的に書く場合には、 g で表されます。

 

群よりも広い概念として、

1 を満たすものは、半群

1 2 を満たすものは、モノイドといいます。

 

尚、二項演算を写像として強調したい場合を除けば、

通常 μ( g , h ) のことを、 g h や、単に g h と書くことが多いです。

 

また、この演算を、「積」や「乗法」と呼ぶことが多いですが、

加法と呼ばれている二項演算をもとにしてできる群もあるので、注意が必要です。

 

(G, μ) が、更に、

4. 交換法則

任意の元 g, h に対して、μ( g , h ) = μ( h , g )を満たす時、

この群のことを、アーベル群(可換群)といいます。

 

アーベル群の演算は、

+ を用いて、加法的にも書かれ、

この時、g の逆元は、−g と書かれます。

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環(数学)  

台集合に、「加法」(和)及び「乗法」(積)と呼ばれる、二種類の二項演算を備えた代数系です。

 

環という構造のもつ遍在性は、

数学の様々な分野において、「代数化」の動きの中心原理として働くことになりました。

 

また、環論は、

基本的な物理法則(の根底にある特殊相対性)や、

物質化学における対称現象の理解にも寄与します。

 

最もよく知られた環は、

整数全体の成す集合に、自然な加法と乗法を考えたものです。

これは、乗法が可換なので、可換環でもあります。

 

整数全体の成す集合 Z

有理数全体の成す集合 Q

実数全体の成す集合 R

複素数全体の成す集合 Cは、

通常の加法と乗法に関して、それぞれ環を成します。

これらは、整数を除き、でもあります。

 

また、同じサイズの正方行列全体の成す集合も、

行列の和と乗法に関して環を成します。

この場合の環としての、

零元は、零行列

単位元は、単位行列で与えられます。

 

ただし、環と呼ばれるためには、

環の公理として、

加法は、可換、

加法と乗法は、ともに結合的、

乗法は、加法の上に分配的、

各元は、加法逆元をもつ、

加法単位元が存在する、

ことが、全て要求されます。

 

従って、台集合は、

加法のもと、「加法群」と呼ばれるアーベル群を成し、

乗法のもと、「乗法半群」と呼ばれる半群であって、

乗法は、加法に対して分配的であり、

しばしば、乗法単位元を持ちます。

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体(数学) 超実数 リーマン球面

四則演算が(零で割ることを除き)自由に行うことができる代数系です。

 

「体とは、単位的であって、その非零元の全体が乗法に関してを成すもの」

または、

「体とは、非自明な単位的環であって、任意の非零元が乗法逆元を持つもの」

をいいます。

 

尚、積が可換かそうでないかで、目的意識や手法は大きく異なります。

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メビウス変換

f ( z ) = a z + b / c z + d

の形で表される、

複素一変数 z に関する有理関数です。

 

係数 a, b, c, d は、ad bc 0 を満足する複素定数です。

 

メビウス変換は、

複素数平面を、実二次元球面へ立体射影したものの上で、

回転と平行移動により、各点の位置と向きを変更したものを、

再度、平面に立体射影することによって得られます。

 

「角度」を保ち(等角性)、

任意の「直線または円」を、「直線または円」に写します(円円対応)。

 

複素射影直線上の射影変換であり、

全体は、メビウス群と呼ばれる、射影一般線型群PGL( 2, C ) を成します。

 

また、メビウス変換は、リーマン球面上に、二つの不動点 γ1, γ2 (重複可)を持ちます。

不動点は、無限遠にあってもよいです。

 

尚、制限ローレンツ群 SO+( 1,3 ) の作用は、

メビウス群 PSL( 2, C ) のそれと一致するそうです。

PSL( 2,C ) は、

ミンコフスキー空間に、原点、空間の向き、時間方向を全て保存する、等距変換全体の成すとして作用します。

また、この作用を、正光錐における Q = 1 なる点の全体に制限することにより、

メビウス群を、各元が、三次元双曲空間 H3 に向きを保つ、等距変換として作用する群と捉えることができます。

 

ポアンカレ球体模型を用いて、

R3 における単位球体と H3 とを同一視するならば、

リーマン球面を、H3 共形的境界として考えることができます。

 

これにより、どのような H3 の向きを保つ等距変換からでも、リーマン球面上のメビウス変換が得られ、

逆に、メビウス変換から、向きを保つ等距変換も、同様に得られます。

 

ちなみに、メビウス変換からなる二十面体群は、

クライン氏により、五次方程式の解析解を与えるために用いられました。

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グラハム数

ラムゼー理論に関する、

未解決問題の解の推定値における上限として得られた自然数です。

 

数学の証明で使われたことのある、最大の数です。

 

極めて巨大な巨大数であり、

指数で表記するのは事実上不可能なため、

特別な表記法を用いて表されます。

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グーゴル ( googol )

1グーゴルは、10100 (10100) です。

 

観測可能な範囲の宇宙に存在している原子の数

(約1079から1081個と推算されています)よりも多い巨大数です。

 

ちなみに、Googleの名前は、

命名者ラリー・ペイジ氏によるgoogol のつづり間違いに由来します。

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