2011-04-06 Wednesday
大連立魑魅魍魎
 
 菅内閣成立来、彼の実績は小沢一郎との対立によってメディアの歓心を買ったことだけではなかったろうか。
官邸内にわけのわからぬ会議をやたらと起ちあげ、船頭多くして船山を上るの状況は、ヤナギ専門木こりおじさんの復帰でさらに混乱。青山繁晴氏によると官邸に来てもやることがない、具体的方針もなく何をしたらいいのかわからないという議員は多いらしい。
もともと機能していない官邸指令系統は会議・組織の乱立でわやくちゃ。枝野は官房反省長官になっており、菅大僧正が首相の座にへばりついていることもあって混迷の度合いが深まった。政府の対策が後手に回って、福島、宮城、岩手各県の農業・漁業・水産加工業だけでなく茨城県の漁業組合も死活問題を抱えている。
 
 森喜朗元首相、古賀誠元自民党幹事長を19世紀型政治家で魑魅魍魎といった人がいる。二人は大僧正が個人的にもちかけた大連立構想に相乗りしようとしたわけで、そういう意味ならまさに魑魅魍魎。
谷垣禎一自民党総裁は党内首相経験者数人にこの一件で意見をきいた。小泉さんはもちろん否定的。大僧正ご退座なしに話は進まない。復興計画への協力は閣外でもできるし、むしろそのほうが妥当、大連立はあさってでもみろいである。
 
 大震災でうやむやになっているが、3月11日の時点で大僧正は外国人から献金を受けていた張本人。前原誠司氏の外相辞任は可、自分は否と思っているのかどうかわからないとして、また民主党に人材がないとして、木こりおじさんを官房副長官に任命するボケぐあいからみると脳の回路の一部が脱落している。人だれしも一時脱落はあるが首相の常時脱落は大迷惑。迷走と混乱は大僧正のデタラメな指揮に起因する。
 
 建築資材手配など仮設住宅入居のめどが立ち、入居がほぼ終了したら、こんな時だからこそ解散総選挙で信を問うべきである。被災地には投票所がないし、被災者は選挙どころではないし、選挙人名簿の作成は困難をきわめるけれど、このまま大僧正着座を容認すれば日本はきわめて危うい。どさくさにまぎれて妖術をくりだす小沢一郎に猶予を与えてしまうことにもなる。。
小沢チルドレンほか民主党衆院議員の多くは次回総選挙で落選の心配をしているだろう。首相延命策や小沢グループ延命策は総じて民主党政権延命ということでもあるが、そうは問屋が卸さない。
 
 平時なら千歩譲って彼らを大目にみても、経験がものをいう非常時はそういうわけにいかない。土地確保や造成が難航し仮設住宅建設が進まないなら超法規的措置の実施とか、関係企業代表に対して大号令を発し、急ピッチで建設させる度胸と覚悟のある強い指導者が不可欠。しかし民主党にはそういう人物は存在しない。
自民・民主党の総選挙争点は震災復興予算。消費税増税の是非、赤字国債発行をどの程度の規模でおこなうか。その前に民主党はマニフェストを変更するか。子育て手当や農家個別補償ほか是正すべき問題は山ほどある。いくらなんでも財源なき復興財源みたいな夢物語を語ることはないだろうが、どうだか。党内は子どもの集まりとしても、意見を集約できないのには呆れてしまう。政権担当能力のない党の迷走と混乱はそろそろ終わりにしてもらいたいものだ。

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