2010-12-20 Monday
英国王のスピーチ
 
 来年2月26日公開予定の英豪合作映画「英国王のスピーチ」は、主役ジョージ6世をコリン・ファースが演じる。
シネマスズメによると当初ヒュー・グラントにオファーがあり、いまになってH・グラントは断ったのを後悔しているとか。ジョージ6世の吃音治療医(ジェフリー・ラッシュ)との交流、吃音との相克といった本筋以外に、ジョージ5世(マイケル・ガンボン)、カンタベリー大司教(デレク・ジャコビ)など英国の舞台や映画でおなじみの錚々たる顔ぶれ、シンプソン夫人との艶聞〜結婚で話題をまいたエドワード8世(ガイ・ピアース)ほかの役者もそろった。
 
 「フォー・ウェディング」でやや吃音気味の主人公を演じ、「ラブ・アクチュアリー」では英国首相役をつとめたH・グラントがせっかくのオファーを袖にした真意は定かではないけれど、彼の実力からみても、映画「ブリジット・ジョーンズの日記」でコリン・ファースのライバルを好演した経緯からみても、もったいない話である。「ラブ・アクチュアリー」は作家役でコリン・ファースも共演していた。ふたりは年も同じ、持ち味は異なっても見事な演技力は甲乙つけがたい。どの程度の演技力かといえば、演技しているようにみえない自然さで秀逸。
 
 「英国王のスピーチ」出演俳優の濃密さは、「ハムレット」(ケネス・ブラナー主演)、「恋におちたシェイクスピア」(グウィネス・パルトロウ主演)、「ラブ・アクチュアリー」、「ゴスフォード・パーク」のそれに匹敵する。去年、今年とまずまずの当たり年であったが、2011年もこの作品を皮切りに映画館へ運ぶ足の増えることを、畢竟、元気でいられることを願いたい。
画像、コリン・ファースの隣は「眺めのいい部屋」、「ハワーズ・エンド」でうまいところをみせていたヘレナ・ボナム・カーター。近年の彼女、出演作は多くてもニンに合った役にめぐまれず、くすぶっている。エリザベス(ジョージ6世妃)役で面目躍如となるだろうか。なにせエリザベス(後のエリザベス王太后)はおおらかで優雅、ヘレナ・ボナム・カーターは見るからにナーバス、うまく演じられれば勲章ものである。
 
 ウィリアム王子の婚約発表にあやかり、年末年始は簡易芸能レポーターに早替わりということで。
 


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