2007-09-25 Tuesday
組閣なき組閣
 
 きょう、福田康夫新総理の組閣がおこなわれた。その顔ぶれを見れば一目瞭然、鮮度が低い。党四役に就任した人たちを重鎮というらしいが、なに、重いのは身体のみで小回りがきかなくなっただけだ。伊吹幹事長、古賀選挙対策委員長では、睨みをきかせるのと締めつけに終始するだけで前進は望めない。
谷垣政調会長はといえば行財政改革に後ろ向きで、財務省の代弁者、または使い走り。
党四役人事は森喜朗ほかの意見をそのまま採用したのだろう。「総裁選で疲れたの、だから考えるのがめんどうでね。」 福田氏の声がきこえてきそうな秋の夜ではある。
 
 大臣の顔が同じなのは国会が開かれているからという理由だそうである。安定型とかバランス感覚とかメディアに冷やかされていても、労力を惜しむとこうなる。
代わったのは外相→官房長官、文科相→幹事長という異動のため、防衛相→外相となり、防衛相は返り咲き、文科相が新任となっただけ。組閣とは名ばかりで、手は一切加えられていない。やる気満々なのは舛添要一厚労相のみか。
 
 かくも鮮度の低い内閣となると、明日の朝刊は居眠り状態。派閥領袖の顔色をうかがう党人事は、仏つくって魂入れず、古き悪しき時代の自民党に逆戻りしたのは確かだ。
福田氏の背水の陣とはこういうことをいうのか。メディア関係者、野党に軽んじられるに十分な組閣である。あえていうなら「あきれ顔内閣」。
 
 国民の期待値ということからすれば、福田内閣発足当初の支持率は高値と思われる。が、支持率と達成率が歩調を合わせるのは稀である。音頭は高らか、実効は低迷。
町村官房長官も記者の質疑応答に四苦八苦、場当たり的背水の陣に野党は小躍りして喜んでいるだろう。構造改革推進どころか、なんの成果もあげられぬまま解散・総選挙も間近い。

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