2007-01-31 Wednesday
アニータ
 
 アニータ・アルバラードのことは「EssayU」2002年9月17日に「不景気とは縁のない人」と題して書いたが、きょう1月31日、そのアニータが来日した。巷間伝うるところでは、チリのテレビ番組収録が主たる目的という。
 
 アニータ嬢は青森県住宅供給公社勤務の千田某を色仕掛けでたらしこみ、結婚をエサに千田某をして公金14億円を横領させしめ、チリに豪邸を建てた。
県住宅供給公社から横領した14億円すべてがアニータ嬢のもとに渡ったわけではなく、つまりその一部は二人の生活費とか贅沢費に消えたのであったが、かなりの金をアニータ嬢は手にしたに相違ない。
 
 その金額たるや、今春からレッドソックスでプレーする松坂大輔の年俸に相当する額といわれ、松坂が40試合に登板すると仮定して、大きな声では言えないが、一試合あたりの報酬はアニータ嬢が松坂を上まわったのではないだろうか。
「ワタシ、ワルクナ〜イ。ワタシ、ナニモシラナ〜イ、ワルイノ、ミナ、チダ」で有名人となった元娼婦の人を食った発言は、「アオモリノヒト、ゴメンナサ〜イ」にきわまる。
 
 千田某の横領金は青森県民の税金である。一部が地方交付税と考えれば、私たちの血税も混在する。税金であるかぎりにおいて公社に勤務する誰の所有でもない。誰のものでもなければ、紛失しようが盗まれようが、誰の腹も痛まない。
アニータ嬢がそういう認識の下で千田某を手玉にとったとは思えぬが、ふだんから公金を軽く考えている公務員にはよい面の皮であったろう。だました側は責められず、だまされた側が責められたのである。うまく乗せられたというほかない。
 
 千田某の収監先に出向いて面会するそうだが、会って何をいうのだろう。「ワタシ、ケッコンスル〜。リコンシテ〜。ソレガ、セメテモノ、ツミホロボシ〜」とでもいうのだろうか。

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