2005-09-15 Thursday
民主党・前原誠司
 
 このたびの衆院選で大敗した民主党代表選に出馬表明した43歳の若手議員である。
若手を担ぎ出すのは若手と決まっており、若手を束ねる民主党急進派・仙石由人政調会長(59)より彼ら若手は急進的である。前原誠司氏に続いて菅直人氏も立候補した。策士小沢一郎の動向はどうなのだろう。
 
 前原氏は「民主党を闘う集団に変えていく」としているが、では、これまでの同党は闘わない集団であったのだろうか。闘う姿勢はポーズで、牙に見えたのは割り箸であったのか。
郵政民営化は元々、民主党は賛成どころか、小泉さんにいわせれば、「私より大胆な改革論者」であったはずの民主党が、旧社会党に属した議員との融和と、労働組合、特に官公労の意向を優先したために牙を抜かれたのだろうか。そうであるなら、小泉さん登場以前の自民党と変わらない。
 
 今後は、労組や業界団体に毅然としてものをいう勇気が必要で、党内の官僚主義を断ちきると前原氏は述べているようだが、そのあたりの境界線をどの程度に設定するか、あるいは、「党内の官僚主義者」とどのように摺り合わせをするか不明。
 
 民主党が思いの外ブレたのは、岡田前代表をはじめとする民主党幹部の目が、国民ではなく自民党と小泉さんに向いていたからで、小泉さんの目がまっすぐ国民に向いていたのと好対照であった。小泉流が成功したのは、私たちにわかりやすい政治、わかりやすい選挙を志向したからである。むろん、小泉さんの信念は微動だにしなかった。
 
 前原氏はまた党幹部の人事について、「当選回数に関係ない、徹底した能力主義」を掲げ、「派閥、グループ偏重も徹底して排したい」とのことであるが、どこかで聞いたような文言である。
そうか、4年前、小泉さんのいった言葉の二番煎じであったのか。民主党大敗により二大政党制が遠のいたことも残念ではあるが、小泉さんのモノマネはもっと残念、能がない。
 
 若手は頭でっかちで頼りにならず、かといって、近年の小沢氏は読み違いが多く、菅氏は四国お遍路以来、調子っぱずれで、これからの党運営は前途多難というほかありません。

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