2005-03-14 Monday
90歳以上の人口・百万人突破
 
 21世紀は高齢化社会だそうである。高齢化が進めば進むほど国は疲弊する。経済成長の期待できない昨今、思うような税収も国庫に入らず、老人に支給される各種年金の調達に四苦八苦し、国債発行も無制限というわけにはゆかず、歳出カットに大鉈(おおなた)をふるうにも限度があり、さりとて消費税率を法外に上げるのもさしさわりがあり、一体全体どうしよう、そうこうしているうちに国はすこしずつ疲弊の道をあゆむ。
 
 3月14日の総務相ホームページを見ると、2004年10月1日現在の推計人口で90歳以上がとうとう100万人を超え、101万6千人となった。2000年(平成12年)は70万人、2002年は85万人、2003年は93万人ほどだった90歳以上の高齢者が激増したわけである。高齢化、高齢化と騒がれつつも具体的な数字が目の前に提示されておらず、高齢化社会など先のことと思っていたら、なに、いまのことであった。
 
 47都道府県に101万人も90歳以上の老人が生活なさっているということは、一県あたり平均2万人ちょいの90歳以上が住んでいることになる。これは尋常な数ではない、それが私の実感である。
中国やインドの人口が10億、12億という国にはたして90歳以上の高齢者が100万人いるのであろうか、戸籍調査が行き届かない国ゆえ人口実態の精査・把握はむずかしいとは思うが、100万にいたってはいないのではあるまいか。
 
 90歳以上の男女の内訳を記すと、男24万7千人に対して女76万9千人、女性の90歳以上は男性の3倍以上、4人に3人以上が女。太平洋戦争に従軍・戦死した男もいるにはいる、だが、兵役を免れた男の多くがかくも長く生きのびはすまい、その点さすがというべきか、女は女である。
 
 都道府県別人口上位は東京、大阪、神奈川、愛知、埼玉、千葉の順だが、2位大阪(881万人)と3位神奈川(873万人)の差は8万人ほどで、2年後には逆転しているだろう。それにしても、関東地方が上位に四つも顔を出しているのは、人口分布がいかに片寄っているかを示しておもしろい。
 
 都会は人も多いゆえ高齢者の数も多いが、都市のざわざわしさにまぎれて高齢者はそれほど目立たない。しかし郡部の過疎地域にいくと高齢者は目立つ。そういう構造である。幸か不幸か長生きすれば、私もいずれその仲間に入る。真っ平ごめんといいたいところであるし、家系からいっても長生きしないとは思うが、こればかりは予測しがたい。
万が一私が90歳まで生きながらえれば‥それは30年以上先のこと‥90歳以上の老人は400万人を突破しました、ということになるだろう。桑原、桑原。そのころ日本はどうなってるのでしょう。
 
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