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岡本理香著「宝物は心にあるからこそ、宝物を手放すことができる」
−摂食障害を手放した娘は、肺がん末期の母との最期を心に刻んだ−
肺がん末期の母との4カ月間を日記風に綴っています。

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「宝物は心にあるからこそ、宝物を手放すことができる」 −摂食障害を手放した娘は、肺がん末期の母との最期を心に刻んだ−。
「あんたは私より長く生きるんやから、これから長く一緒に生きる人を選びなさい」この母の言葉に背中を押され、摂食障害を克服して、あれから10 年以上、随分の月日が流れた。一緒に長く生きるのが「自分自身」だと知った私は、同時に掴んだものがあった。今、私は、岡本理香という一人の人間としてのどっしりとした感覚を持っている。揺れることはあっても、ぶれない土台がある感覚だ。この感覚があるからこそ、肺がん末期の母との4 カ月を、自分として過ごせ、2010 年5 月25 日に息を引き取る母を穏やかに看とることができたのだと思う。私は私。この感覚が私なんだと堂々と言える、今。その私の感性のままに、この4 カ月間の時間と言葉を綴ってきた。宝物が心にある自分の感覚のままに。「宝物は、手放すことで、その存在を確たるものにしていく」。

B6版の181ページ(ブイツーソリューション発行)一冊1,000 円。アマゾンなど、ネット書店でお求めください。
カバー、本文に向日葵写真6枚、撮影は福島正樹氏。
表紙pdf

本文より抜粋
「あんたは私より長く生きるんやから、これから長く一緒に生きる人を選びなさい」。
この母の言葉に背中を押され、摂食障害を克服して、あれから十年以上、随分の月日が流れた。
一緒に長く生きるのが「自分自身」だと知った私は、同時に掴んだものがあった。
今、私は、岡本理香という一人の人間としてのどっしりとした感覚を持っている。
揺れることはあっても、ぶれない土台がある感覚だ。


伝えたい
まえがき
一 これから長く一緒に生きる人を選びなさい
二 あんたが決めて〜肺がんの疑い
三 柳緑花紅〜告知、入院、抗がん剤投与
四 母親って、娘はいつまでたっても娘なんよ〜副作用と余命
五 だって、いつも見守ってくれていたんだもん。ママは私を〜整理整頓
六 最期に私から贈る、最初で最後の親孝行〜退院、三十年ぶりの家族
七 メリハリが、ピリリと効く生き方〜在宅ケア
八 大人になった伝書鳩〜混乱と現実
九 母のせいにしたくなかった〜外来受診までの時間軸
十 母の踏ん張りには、頭が下がります〜母という存在と父への怒り
十一 初めてのありがとう〜覚悟と感謝
十二 母が生きようと踏ん張っている〜現実そして選択
十三 目には見えない感覚を知っています〜再入院
十四 死と向き合う〜母の教え
十五 母からの愛は色々な形に変化しカラフルに根付いている〜危篤
十六 短距離よりもコツコツ長距離〜病院からの電話
十七 穏やかに、美しい母の存在〜永眠
十八 母の言葉は、どんな言葉でも、私の背中を見守り、押すのだ〜尊いご縁
あとがき
ご挨拶


あとがきより抜粋
2008年に出版した
「死んだら、アカン」摂食障害・パーソナリティ障害が教えてくれた言葉〜回復への歩みの中で〜 は、ざわざわシリーズ十作品の路線を大きく変えて、自身の過去に初めて触れた内容であった。
主治医との関係に注目されたが、私は、21ページの最初の4行が書きたかった。

「あんたは私より長く生きるんやから、これから長く一緒に生きる人を選びなさい」
大阪を捨てて、新しい土地へ向かうと決めた三十歳半ばを過ぎたある日、母が呟く。
私は全身に巻かれていた鎖がパラパラと解けるように軽くなる。
先は見えない、どうなるかわからないが、これでいいのだとボーッと力が抜けていく。
今、私は生きている。

何を隠そう私の克服の瞬間である。
自分であるという自信をしっかり掴んだ瞬間であった。
よく言われる自分を確立した時期なのだ。
母は、何も言わずに私を信じて見守り続けてくれたのだ。
それまではわかっているようで、何もわからなかったのだが、この言葉は、それをしっかりと知った自分に気づかせてくれた。


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