2004.7.30

邂逅の渓

 最近、神崎川への入渓は杠葉尾・甲津畑林道が年々伸びるにしたがい瀬戸峠出会いとなってしまった。 ここから降りれば白滝谷出会いまでは比較的短時間で行けその先の源流域まで簡単に足が伸ばせるようになったのである。以前は神崎川発電所取水口点検用階段を利用して降り、対岸にある巻き道を進み入渓していたので、カラト谷出会い前後に広がる下の廊下呼ばれるゴルジュ帯の通過は困難が待ち受けていたのであった。 へつりや高巻きに継ぐ高巻きで膝ががくがくになりそうであった。したがって通常日帰りコースは殆ど天狗の滝までであった。

 今、直木賞を受けた熊谷達也氏の邂逅(かいこう:めぐり合い、思いがけない出会い)の森を読みかけている。 富治という東北のマタギの狩りにまつわる話である。 読み出してから邂逅と言う言葉が何となく好きになってしまった。 その言葉の裏に見果てぬ夢や淡い恋心の思い出が感じ取れるのである。 今日はあえて原点に立ち返り、昔の入渓地点の神崎川発電所取水口に決めた。 すなわち何年ぶりにあの滝、あの通らず、あの岩に会いたいと思ってである。邂逅をもとめての釣り旅である。 さて何に出会えるか・・・

 久しぶりに出会った滝や岩や淵はなんら変わることなくその雄大な姿や豪快な音を響かせている。 ウム・・・悠久なる偉大な自然 何とすばらしいものだろうか・・・

カラト谷出会いより少し上流にあるゴルジュ帯の左岸大岩には、昔通りに残置ハーケンが四個ともに錆びてはいるものの昔のままに存在している。 又、滝も淵もそのままであった。 変化しているのは、清らかな流れに写った釣り人の髪が白くなった事ぐらいのものなのである。 老釣り人は思わず唸った 随分時が流れたなー・・・あと何年ここへ来れるだろうか???

残置ハーケン

クサギ

ブナに刻まれたマタギのナタ目

赤とんぼ

やっと釣れたリリースサイズのあまご

ふるさと林道(杠葉尾・甲津畑林道は手前の古い工区を指しその先の工区は何故かふるさと林道となっている)は法面工事のために通行止めとなっている。したがって林道は発電所より上流は通行止めである。

茶屋川の茨川林道も治山工事とやらで通行止めである。 これでは何処にも入れない。

あまごと岩魚と翌檜
愛知川源流釣り記録
040812