天気予報は「くもり時々晴れ」

 あまりぱっとしない天気だし、頭もなんだかぼーっとしていて、行こうかどうしようか迷ったけれど、せっかくの連休なのだからと出発を決意.。
 朝8時半、ぼんやりした頭で荷物を積み込み出発する。
 前日にあれこれ用意すると、夜眠れなくなってしまうので、荷物は当日に用意することにしている。
 これは前もって「持って行く物」を紙に書き出しておくのがポイントである。
 
 そうやって書き出しておいても なぜかいつも何か忘れ物をしているのだが・・・(書き出すのを忘れちゃどうしようもない。)

   ちょっぴりおしゃれしてさあ出発!
6月23日(日)大杉谷へ行く
 24号線を南へ・・・
 日曜日のまだ活動を始めていない町をすいすいと抜けて行く。
目的の「三重県宮川村」は山の中なので、「きっと携帯は圏外になるだろう」と、
今のうちに友達と家族にメールを送る。(その時なぜか宮川は和歌山なんだと思い込んでいた) 
 友達や家族にメールを送るのは、楽しみを倍増させるためだけでなく、何かあった(私と沙羅が行方不明になるとか)時のためでもある。

 10時になるのを待って、途中でスーパーに寄り、肉と塩サンマとビールを買う(野菜は前日に買っていた)。
 着火剤が切れていたことを思い出してホームセンターにも寄る。

 
165号線。「宇陀」に入ると町並みが途絶え、車窓の向こうはのどかに変わる。

 菟田野・・・ここへは5年くらい前に、はるばる「革ジャン」を探しに来たことがある。

菟田野町は「皮製品の町」で、新聞広告で見つけた「フェザー祭り」という名前に
惹かれた私は自分のお気に入りの革ジャンを見つけるために、朝早く起きて電車に
乗って、この町までやってきた。
 こんなに遠いところだとは、つゆ知らずに・・・

 菟田野の町の人たちはみんなやさしくて、遠くからきた私にお茶を出してくれて、そして帰りには駅まで車で送ってくれたっけ・・・

 そんなことを思い出し、見覚えのある町を懐かしく思い出しながら走る。(そのときも道端でパンを食べたんだ。)

 
 道はどんどん山道になっていく。

 山の中にまるでジェットコースターのような道が作られていてる。
こういう宙に浮いている道を通るたびに、いつも私は地に足がつかないような変な気分になる。
それにしても人間の技術ってすごい。私が日常を過ごしている間に、知らないとこでいつの間にか道ができているのだ。こんな宙に浮いている道が・・・
 高見山トンネルもすごかった。1850メートルものトンネルが山を貫通しているなんて・・・


 感心しながら、ほどなくお腹が減ったころ、飯高町に着く。
 「グリーンライフ山林舎」というところでお昼にすることにした。
橋を渡って川岸に下りると、すぐに沙羅が川に入る

そんな沙羅のリードを持ちながら、岸の石に座り
コンビニで買ったサンドイッチを食べる。

 沙羅はすぐに私の前にやってきて、冷たい水の
なかに腰を降ろした。

 おねだりする時はお座りしないともらえないからだ。
 最初のころは沙羅には「絶対に人間の食べ物をやらない」と決めていたのだが、「私一人で食べるよりも沙羅と分け合って食べるほうがおいしい」と気がつき、いつの間にかやるようになってしまった。(これがいつも恥ずかしい事件を引き起こす。が、やめることができない。)
車にもどってきて私が車のキーを出そうとしている間に、沙羅がなんと隣の車に前足をかけて立ち上がってしまった。見るとおじさんが、車の中でおにぎりを食べている。
 
「こらっ!!」あわてて、リードを引っ張ってやめさせたけれど、
川に入ってきた沙羅の足はドロドロである。
車のドアに沙羅の足型がついてしまった。窓には沙羅のヨダレもついている。
 びっくりして沙羅を車に乗せたあと、おじさんに頭を下げながらティッシュでそれをふき取ったが・・・

 
あちゃあ!

私はそのあとトイレに行くつもりでいたのだが、そそくさと逃げるようにその場を立ち去った。

沙羅と一緒にいるとしあわせだが、恥ずかしいこともたまにある。
山の中を走っていると、すぐ下にきれいな川が見えたので下りてみた。

川の中にはたくさんの魚がぐるぐると回っているのが見えた。
クリックしたら
  魚が見える?
166号線から422号線へ 

道の端のあちこちに、きれいな紫陽花が植えてある。

道のゴミを拾ったり、雑草を抜いたりする人が、目についた。
あちこちに「自然を大切に」 「豊かな自然を守ろう」といった看板がある。

「このきれいな自然は、村の人たちによって、大切に守られている。」のだ
ということがよくわかる。

学校?の校庭にトトロの形をした木が、なかよく二つ並んでいた。
(この時には目玉と口がついていたのだが、次の日、帰りに通ったら、目と口がなくなっていた。)
 最後の峠を越えて、トンネルを抜けたら、いよいよ宮川村だ。

 「やっと来たよお」という思いもあって、ここからが結構遠く感じた。
地図でみると、すごく近いようなのに、実際に車で走ってみると、結構な距離がある。

 川沿いにどんどん・どんどんさかのぼり、ダムを超えてもまだ着かない。

 このとき、時間は2時30分。 家を出てから6時間も経っている。


 ようやく「林間キャンプ場」という道標を見つけて、山道を上がっていくと、ワンワンと犬の鳴き声が聞こえてきた。見ると、道の真ん中に、小さなヘビがうねうねと、のたうっていて、そのヘビに向かって、犬は吠えていた。

 そして、そのヘビを観察して見ると・・・・ もしかして・・・もしかして・・・

 ヘビの体には、銭形の模様がある。

 
へっ !!!  もしかして これマムシ???

 
ぞぞぞーーーー

 背筋が寒くなる。

 そして、もしかして、この犬は「マムシ発見犬」なのだろうか?

日夜 村人達をマムシから守る。訓練された賢い犬。

 へへへーーーっ!  恐れ入りやしたっ。       おまけ

その犬は、沙羅に気が付くと寄ってきて「クーン」と鳴いた。 かわいいやん。

しばらくしたら、後ろから軽トラックがやってきたので、あわてて、だけどヘビを踏まないようにして、車を走らせた。

 
 キャンプ場の受付に行ってみたが、誰も居ず、しばらく待っていたら、おじさんが帰ってきた。

 「あのお・・・予約はしてないんですけど・・・ いいですかあ?」

 
「今日ですか?・・・いけますよ・・・」 おじさんは驚いたようだった。

 キャンプ料金は休日料金1800円(平日は1500円)+施設使用料600円(平日は400円)
 おじさんから差し出された用紙に、住所と名前を書きながら、一番気になることを聞いてみた。

「さっき、マムシがいたんですけど・・・ 犬が吠えてて・・・」

「そりゃあ 草むらに入ったらマムシもおるやろなあ。」
まるで“なんでもないこと”のように、おじさんは言った。

「そうなんか。マムシがいるのはなんでもないことなんや。」私はそれを聞いて、
なぜか納得してしまった。

「もしかして熊も出るんかなあ?」

「いや熊は出んと思うで。熊の方がこわがって逃げてくわ。」

おじさんは“事も無げ”に言い、キャンプ場を一通り案内してくれた。

昨夜は50人位だったのだけど、今夜のキャンプ客は私と沙羅だけだそうだ。


好きなサイトを選んで、テントを張った。

テントサイトには1サイトに一つずつ、こんな→
かまどが付いている。(ちなみに上に乗っかっているのは、私愛用の「バケツコンロ」である)
沙羅はすっかり疲れたようで、私が晩ごはんの用意を始めると、ぐったりと横になって寝始めたが、

炭に火が熾って、お肉が焼ける匂いがし始めたと思ったら、むっくりと起きてきた。

←これがディナーで、

右が食後(?)のサンマである。→
クリックしてじっくり見てちょ!
おなかもいっぱいになり、350mlのビールを2本飲んで、すっかりいい気分になってしまった。

夏至を過ぎたばかりで、空はまだまだ明るい。

杉木立を見上げると、青空が見えて、雲がゆっくりと流れていく。

そんな時間の移り変わりをゆっくりと眺めていると、とても懐かしい子供の頃を思い出す。
逆光なので暗く写ってしまったが、
ほんとはもっと明るいのです。
すっかりいい気分に盛り上がった私は、沙羅とアスレチック広場へ出かけ、子供みたいに大はしゃぎで、丸太を登ったり、滑車のついたロープにぶらさがって、ターザンのまねをしたりして遊んだ。

丸太のジャングルジムみたいなところに上ると、登れない沙羅が下からワンワン吠えたてる。

「おいでーな。ほら。」とからかうと、沙羅が必死になって登ってきた。

組んだ丸太の上に寝っ転がって、思いつくままに歌を歌う。

ああ  いい気分。     沙羅は横でソワソワしている


ちゃんと沙羅の「ボール遊び」のお相手もしてやった頃、ようやく夜がやってきて、
そしてなんと、8時過ぎにはテントに入って、おやすみ・・・zzz





うう〜ん
よく寝た。そろそろ朝だろうか?
と思って、時計を見ると、まだ11時半。


トイレに行って、もう一度寝直す。




      
6月24日(月)キャンプの朝

  ほ ーーー ホケキョ  ちちちちっ  ケキョケキョ・・・・  チュンチュン

今度こそ朝だ。 時間は4時半。

鳥のさえずりはどんどん増えていき、まるで合唱のようになってくる。

朝のすがすがしい匂いと、空気。 小鳥のさえずり。

ああ  私は、これを味わうためにキャンプにきたのだ。

そう思えるひとときだ。

さっさと起きて、服を着替えて沙羅と散歩に行く。

お腹が空くまでに、テントを片づけた。

朝ごはんはロールパンにトマトとキュウリを挟んで食べた。


   コーヒーをゆっくり入れる。・・・

私の大好きな時間。


 さあ 今日はどこへ行こう。

キャンプ場をあとにしたのは、7時だった。



「もう少し先に行ったら大台ヶ原の登山口がある」

昨日のおじさんの言葉を思い出し、行ってみることにした。


ダムに沿ってどんどん山の奥へ入っていく。

沙羅は野生の匂いをひくひくと嗅ぎつけて、興奮しまくっている。

「ニホンカモシカ生息地」 「山羊に注意」 「アヒルに注意」???

いろんな看板が次々と現れる。

この橋はちょっとこわかった
六十尋滝
大台ヶ原登山口までは行ったものの、なにやら人を脅かすような看板がある。

「自然をあなどらないこと。」「軽装備は危険。」
「遭難救助費用はすべて自己負担です。」


やーめた!

一度はヘリコプターで救助された私・・・あっさりとあきらめた。

Uターンして、他の登れそうな山を探すことにした。
が、しかし、

またまた川での水遊び。
「古ヶ丸山」という山に登ろうとしたのだが、延々と続くアスファルト道に、嫌気がさしてしまったのだ。
おまけにここでまた、恥ずかしい出来事が起こった。

誰もいないと思って沙羅のリードを放していたら、山仕事のおじさんがなんと
朝ごはんを食べていて、めざとくおじさんの「おにぎりの入った袋」をくわえて、走り出そうとした
「盗っ人・沙羅」をあわてて取り押さえ・・・

ああ なんちゅうことを・・・




お昼前にぽつぽつと、雨が落ちてきたので、美しい宮川村に別れを告げることにした。

帰りはずっと雨だったので、水の音に興奮して「ワンワン吠える沙羅」をなだめるように
「無視」してひたすら車を走らせる。


     お昼ごはんは
「広島焼き」

 途中、沙羅となかよく 
「お昼寝」    を経て、 5時頃、自宅に帰り着く。




                      
   おつかれさまー
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