2003.1.24

マイホーム



うちの家は傾いている。


下にコンクリートのガレージがあり、その横に階段があって
階段を登ったところに玄関があるのだが、
ガレージと玄関の高さを合わせるために
土を盛って玄関をつくったのだろう。

おそらく、これは私の推測だが、土を盛ってすぐにあわてて
家を造ったに違いない。

だから家を建てた後、土が固まり少し沈んで、
当然家が傾いてしまったのだろう。

だから、傾いてはいるもののこれ以上傾くことはないだろう。
前の住人の方にも電話で聞いてみたが、(その方もここを築3年で買ったそうだ)
「最初から傾いていて、その後傾きは変らない。」
ということだったのだ。

どれくらいの傾きかというと、

二階の沙羅の部屋で、沙羅がシートの敷いてないところに
おしっこをしたら、おしっこはタラタラと西の壁に向かって
流れていき、壁の下にしみこんでいってしまう・・・くらい

酔っぱらって歩くと、なんとなく身体が西へ西へと
引っ張られていく・・・くらい


この家を買ったとき、西の窓からは畑と田圃が見渡せた。
とても明るくて、風通しが良くて、
私はこの家がとっても気に入ってしまったのだ。
(今は隣に家が建ってしまったが、それでも
用水路を挟んでいるため明るさと風通しは変らない。)

少し傾いているのもまあ「ご愛敬」くらいに思っていた。

家が傾いているとドアが開きにくかったり、
上や下に隙間が出来て、ぴったり閉まらなかったりする。

それでも
ネコと犬がいるため、そこら中のドアは開けっ放しで
うちの家のドアは閉められたことがない。
お風呂もドアを開けたままで入る。トイレも・・・
(友達が来たときはとーぜん閉めるけど)


玄関のドアは両手でぐっと持ち上げないと
閉まらなかったりするけれど、別に不自由だと感じなかった。
「この方が泥棒が入りにくくていいじゃん。」
と、それくらいに思っていた。


でも


なんとなく最近



その傾きが進んでいるような・・・・



家にいると、時々どこからともなく突然、
ピシッ! と音がする。

????


お風呂の壁と浴槽の間に隙間ができて、
お風呂にお湯を張ると隙間が広がる。
それに連動するように壁のタイルにも「あみだくじ」の
経線のようなひび割れが広がっていった。

どう考えてもこれはおかしい。


ふと見ると、
玄関の外の脇の土間のコンクリートにも
ひび割れが出来て少し家が沈み込んでいるように見える。



ちょうど、会社のパートさんの知り合いに
工務店経営をされている方がおられたので
その方に見てもらうことにした。

お風呂はどっちみち早く直しておかないと・・・と
思っていたが、ついでに家の周りも見てもらう。


「地盤沈下ですなあ。
このままだと確実に家が倒れます。」


私には直接言わなかったけれど、知り合いのパートさんに
そんな風なことを言ったらしい。


そうだったのか・・・・


が〜〜〜ん!!!



それで、対策としては、

1.とりあえず応急処置として、                   
これ以上雨と一緒に地盤の土が持って行かれないように
コンクリートのヒビを全部直す。                

2.家をジャッキアップしてそこにコンクリートを流し込む    

3.家をジャッキアップして、地盤に杭を打ち込む        

4.家を一旦潰して、地盤を直す。要するに建て替え。     

という選択が迫られた。


う〜む


そんなこと言ったって、先立つものが・・・


私の現在の経済状態を考えれば、自ずと答えはあきらかである。


1番!



(ちなみに2番の方法では300万〜400万くらいかかるそうだ。)
「欠陥住宅を売りつけた不動産屋に言ってやりなさい。」という
意見も 会社の知り合いからありがたいことに頂いたが、
中古住宅を買った場合、
下見の段階でそれを見つけられなかった
買い主側の責任であって、売り主に責任は問えないそうだ。

なるほど

やはり私の責任か・・・


どっちみち今無理をしてジャッキアップを選んだとしても
家の寿命を考えれば、
私の寿命よりも早く「立て替え」もしくは「修繕」時期が
やってくるだろうし、
テレビでは最大規模の「南海地震」は必ずやってくる
と騒いでいる。

それならば、何も今お金を使うことはないだろう。

工務店さんに1番で見積もりをお願いしたところ、
お風呂の風呂桶を一旦取り出して、下を平らにして納め、
タイルを修繕して、家の外回りのひび割れを直して、
147000円だそうだ。

「工事は4・5日かかりますが、あの・・・
ワンちゃんは・・・その間どうされますか?」

と遠慮がちに聞かれてしまった。

この前見積もりに来てもらったとき、沙羅がよろこんで大騒ぎになった。
工務店の人も犬は嫌いではないと言うことだったが、
始終「あそぼー」「あそぼー」と
でかい犬に服の袖口を引っ張りに来られたんでは
仕事どころではないだろう。

「犬は会社に連れて行きますから。」
と言ったら、ほっと安心されていた。

何はともあれ一件落着


???


家が沈んでいく・・・

朝早くに、そんな悪夢で時々目が覚めた。
しばらくは、気分が沈んだ。


だけど、

笑って過ごしても一年
うつむいて過ごしても一年。


私は「私が幸せに過ごせる条件」のひとつとして、
「不安を忘れて過ごせること」
を掲げることにした。


とるに足らない悩みを殊更に考え込んで
(その人にとっては一大事なのだが)
いつも暗い顔をしている人もいる。

あれこれ悩んでみたってどうしようもないのに・・・



沙羅は私に教えてくれた。
ただ、「今」を一生懸命楽しく過ごすことだ。

それが一番幸せな人生なのだ。



そのうち私の安月給がば〜〜あん!と
大幅にアップするような事があれば
家の建て替えもできるであろう。


わっはっは

(^^ゞ