8月14日キャンプ二日目 
 
 夜中に一度だけトイレに起きたあと、朝5時半までぐっすり寝た。

 とても静かな夜だった。

 お待ちかねの沙羅と朝の散歩に行く。

 涼しいから、山の上へ続くトレッキング・コースへ行こうとしたが、沙羅に拒否されてしまった。
        
       

 そんなに疲れているのかよー

 
沙羅がうちに来たことで、私の行動範囲はグンと広がったが、これからは沙羅の体力の衰えによって、私の行動範囲も狭まっていくのであろうか・・・ さみしい・・・

 テントサイトに戻って、朝ご飯にする。

 「パン」を取り出すと、沙羅の目が急に輝く。

 きっとあんたは、ぼけても食うことだけは忘れないタイプね。

というより
 「うちの嫁はちっともごはん食べさせてくれへん。」とか言うタイプ?



 川では、もう子供らが水着になって、はしゃいでいるけれど、沙羅を泳がせる気にはならなかった。


 またまた本を読んだり、書き物をしたり、ベッドでウトウトしたりしてのんびり過ごす。

 
昔は沙羅が中心のキャンプだったけれど、だんだんと私のペースになってきた。
 沙羅が私によりそって来てくれてるのだろうか。


 キャンプ場のチェックアウトは10時だから、9時半になったら、片付けよう。

 そう思っていたら、隣のバーベキュー・サイトに、7〜8人の人が到着して、バーベキューの用意を始めた。

 沙羅はそれを見てソワソワしている。

 仕方ない。 帰る用意をしよう

 私がテントを片付けている間、そのバーベキューの人が、沙羅のそばに来て沙羅の相手をしてくれるんだけど、沙羅の届かないところにいるものだから、沙羅は近くに行きたくてワンワン吠える。


 これは、届かないから吠えているのだけれど、知らない人だったらきっと、「犬に吠えられた」としか思わないのだろうな
 

 「沙羅っ!! ワンはダメ!」と叱ってやめさせるが、沙羅は吠えるがダメなのか、人に挨拶するのがダメなのかが、きっとわかってないと思う。


 叱られるとそのたびに、シュンとしてうずくまる。

   

 ふと、隣のテントの中から子供の話し声が聞こえてきた。

 「ぼく、あの犬嫌いやわ。はよどっか行ってくれたらいいのに・・・」


 しょせんは、子供の言うことである。
大したことではないのだけれど、私にはいちいちグサッとくる。


 世の中に犬の嫌いな子供がいることは、不幸な事だと思う。
 犬だけではなく、動物をかわいいと思えない人はさみしい。
 小さな頃から動物に触れて、かわいがったり世話をしたり・・・小さな命を大切にできる人は他人も思いやれるし、そういう優しい人ばかりなら、世の中の凶悪犯罪もきっとなくなるのに・・・


 そんな思いでキャンプ場を後にした。

 このあと、どこへ行こうかなあ。

 どこか泳げるところがあったら泳いでもいいけど・・・

 と、思いながら京北町に入ると、真っ黒な雲が出てきて、雨が降り出した。

 仕方がないので実家に行くことにする。


 実家では兄夫婦と子供4人。それから父と母が快く迎えてくれ、妹のところの子供もやってきた。

 みんな犬が好きなので、沙羅も歓迎してもらえる。
 なんだかほっとする。

 ただ、沙羅はやっぱり外だ。

 一緒にいたくてワンワン吠える。
 かなり近所迷惑だと思う。


夕方、ようやく雨が上がったので、みんなで自然公園へ出かけた。


 ここで、子供と沙羅の写真を撮って、帰ってきて見たら、かなりいい写真が撮れていたのに、私のうっかりミスで全部消えてしまい、
ほんとうに残念だ。


   お盆休みは半分終わった。