カミングアウト     2002.7.26
                    byきよ
先日、一枚のハガキが届いた。
近くの医院からだった。
「京都市基本健康診査のご案内」とある。

なんのことはない「健康診断」なので
ある。このハガキが届いたのは今年が初めて。

そう、 40才になると、毎年送られてくる
ハガキである。

つまりは、

「私は、とうとう40才になってしまった。」
ということなのである。
今年からは介護保険も払わなければならない。

いや そんなことより、重大なのは

今まで、世間様に向かって
「私30?ん才ですの」
と、言ってきた言葉が、通用しなくなってしまうことである。

「30?ん才」というのは便利な言葉である。31才も含まれるし39才も含まれる。
嘘を付いているわけでもないし、
サバを読んでいるでもない。

私は実は「30才代」が大好きだった。
20才代のように世間体に縛られず、
自由に自分の思うがままに、楽に生きられるようになったのは30才を過ぎてからだった。

30才になってしまえば、「嫁に行け」と
うるさく言われることもなくなるし、
(たぶんあきらめが入るのだろう)
まだ、「おばちゃん」に選別されてしまう
こともかろうじて避けられる。(そう思っているのは私だけかもしれないが)

でもさ 40才は、
どこから見ても「おばちゃん」だ。
「中年」だ。

 ががーーーあん!!

誕生日は、まだもう少し先であるが
明日から私はどうやって生きていこう。

鏡を見れば、急に白髪が目立って来たように思う。シワはその比ではない。


次の日会社で、
「あ〜あ 私田舎へ嫁にでも行こうかなあ」
などとつぶやいて驚かれてしまった。

人生の折り返し地点に立った今、
「自分はこのままでいいのか?」という
疑問を突きつけられた気がしたのである。

「このままこの会社で、定年まで働き続けるのか?」

かといって、40才になった女を
雇ってくれるありがたい企業など、今更見つかる訳がないだろう。

うだうだと、丸一日考える。

「嫁に行こう」などと思ったって、
うまくいくわけがない。
私は「結婚には向いていない人間」なのである。

一人でいるのが大好きで、人の世話を焼くのが大嫌い。
「自分の事は自分でしろ!」
それが信条である。

それにどっちかというと、私は女と言うより
男・・・それも少年に近いと思う。
メカをいじったりするのが結構好きだし、
会社でも男の人より機械の扱いがうまかったりする。
(不思議なことに「裁縫」や「編み物」も好きだ。要するに「器用貧乏」というやつか?)

今まで結婚しなかった(できなかったとも言う)理由はここにある。

まあ それは 置いといて

このままでは、いかんっ!

自分の好きなことを精一杯がんばれば、きっと幸せはやってくるのだ。

そう信じて今までやってきた。
おそらくそれは、間違ってはいない。
これからもそう信じてがんばって行くのだ。

とにかく、胸を張って堂々と生きて行かねば。

そうだ。40才になったからと言って、
何を隠すことがあるものか。

世間に公表してやる。

私は今年、7月31日、
  40才になりまーす。


 これが「カミングアウト」と言わずして
 何という。

             まる
    
             


     
 あっ 「年齢不詳」というのもあったかな