2003.7.6

梅雨時キャンプ

一ヶ月も前から休みを取って、コタママとキャンプの約束をしていた。

一週間前くらいから、週間天気予報を見て
週末は雨みたい・・・

と、わかってはいたのだけれど、
いざ、前日になると
「行くか、行かないか・・・」ずいぶん迷った。

コタママは、雨のキャンプなんて嫌だと言う。

うん

私もジャジャ振りのキャンプはごめんだ。

でも、天気予報で降水確率70%と、言っていても
実際には、雨が時折ぱらつく程度のお天気がここんとこ続いていたし・・・

せっかくの連休に家でビデオを観て過ごしていいのか・・・

そして
無理矢理コタママを説得。


当日がやってきた。


やはり朝から曇天だ。
こんな日は、やはり身体がだるい。


沙羅の散歩をすませて帰ってきて、
朝ご飯を食べながら撮っておいたビデオ・「タイタニック」
を観始めたら、夢中になってしまった。


そして、コタママからのメールで、


ハッ!!

と、我に返る。


そうだ! キャンプだ。
用意しなくちゃ!


大急ぎで用意をすませ、荷物を積み込み
コタママとコタを迎えに行く。


めいっぱいの荷物を積み込んでいる私の車に、
小さな荷物を持ったコタママと大興奮のコタが
乗り込んだ。


車に乗ったらすっかり大人しいコタに比べ、
沙羅は車に乗るとうれしくてうれしくて、ずっとワンワン吠える。

沙羅の頭の中では
「車に乗る」=「楽しいところに連れて行ってもらえる」
という公式が成り立ってしまっているのだろう

たまにその答えが=「獣医さんに行ってイヤなことされる」
だったりするけれど、楽しいことが起こる確率の方が
圧倒的に多いので高い確率にかけているのかもしれない

とにかく興奮が押さえきれずにワンワンワンワン吠えまくる

子供の頃は、大人しかったのに、まったくどうしてこうなって
しまったのだろうか?

やはり、しつけ?

うむ。


いくら怒ってもその時だけだし、そのうちこっちが
根負けしてしまったのよねえ・・・


近くのスーパーによって、買い出しをする。
この時、時刻は11時であった。

バーベキューの材料と・・・
「これは高いなあ・・・こっちがいいんちゃう?」
「こっちの方がお得やで。」
などと、二人とも主婦丸出しだ。
でも、まあ これも楽し。

お昼に食べるものと、明日の朝食べるもの・・・
思い思いに好きな物(といっても高い物は買わない)
を買って出発。


1時頃、目的地に到着。


誰もいない。


沙羅とコタは走り回りだ。


と、思ったら、沙羅がなにやら向こうで・・・・


うわあっっっ!!!




なんと、野グソをたべていた。(;_;)

ティッシュが添えられていたので人間のものであろう。

なんで、こんな こんな  こんなとこに・・・

琵琶湖を眺めながら・・・さぞ気持ち良かったろう・・・いやいや
トイレがちゃんとあるのに、なんでこんなとこにするねん!


波乱の幕開けとなる。



とりあえず沙羅(の口を洗浄するため)を琵琶湖で遊ばせる。


曇り空とはいえ、薄日が差して、結構な暑さだ。



そのあと、コタママとサイトの準備を始める。

まず、タープを設営。
これで、雨も大丈夫だし、日よけにもなる。

その下にテーブルや椅子を出して、お昼寝用のベッドも置く。

それぞれが寝るためのテントも設営。

コタママは一人で寝るのはイヤだから、
みんなで寝ようと言ったのだが、
私は普段一人で寝ているため、人がいると眠れないし、
「自分のテントで寝る」と言い張ったのである。



すぐに咽を渇かせたワンたちのために、
コタママがバケツに水を汲みに行ってくれたが、
前に来たときに出ていた水飲み場&足洗い場は、
水を止められていたらしい。

トイレの手洗い場の水を汲んで来てくれて、
「小バエがいっぱいいて、気持ち悪かった。」
と顔をしかめている。

「そうか・・・じゃあ野菜とか、どうやって洗う?」
と話し合っている最中、
コタママは真剣な顔で、買ってきたばかりの懐中電灯を
いじくっている。

新しい電池を入れたのに電気がつかないらしいのだ。
コタママにとって、電気がつかないのは、相当重要な事らしく、
顔が恐ろしく「マジ」である。

私も見てあげたかったが、
とりあえず腹ごしらえを・・・と、
真剣なコタママを横に、さっさと「パック握り」を平らげる。
腹が減っては何とかだ・・・


やっと一息ついて、懐中電灯を見てみたが、
コタママの言うように懐中電灯本体が
不良であるのではないようだ。
見たところ、「接触不良」と言えるほど複雑な作りではない。
電球を外してみてみたが、切れている様子もない。

「やっぱり、乾電池が悪いんじゃないの?」と、言う私に、
コタママさんは「一回も使わんと置いてあったやつやでー」と
言い張る。


でも 懐中電灯の品質保持期間を確かめてみると
1999年8月
となっていた。

すばらしい。


二人で感心したあと、コンビニに出かけることにする。

乾電池と、私のランタンのガスボンベを買うのと、
それから、野菜を洗うためだ。


「テントと荷物・・・このままで大丈夫かなあ?」

その時には外人さんがあっちがわで
バーベキューを始めていたのだ。

悪い先入観だが、ただ外人さんというだけで、
「犯罪」「危険」
とかいったイメージが浮かぶ(ごめんなさいm(__)m)

コタママは何度も海外旅行を経験しているが、
外国では、右向いて左向いたらも手荷物が無くなっているらしいのだ。


う〜ん

しかし、一旦車から降ろした荷物を 
またエンヤコラと車に積むことには躊躇があった。

じゃあ 一番大事な物だけ持ってくか?

コタママは、もちろん「コタロウ。」と答え、
私は「ギター。」と、言ったあと、あわてて「沙羅も。」と
付け足す。

しかし、実際に、車に積んだのはコタロウと沙羅だけだった。

ギターを大事そうに持っていくのもなんだか大人げない気がしたし、
「大丈夫でしょう。」という、自分のいい加減な感を信じることにしたのだ。


そこから道路に出るまでの未舗装の道で、
さっきの外人さんのうちの一人の車とすれ違った。

その外人さんは私たちに向かって
「バイバーイ」と手を振った。


否応なく、私の不安はつのる。

「どうする?帰ってきたらキャンプ道具一式無くなってたら?」
「ギターもやで?」

コタママはいじわるにも私の不安を煽ろうとする。

「そんなことない。大丈夫。」
と、言いながら、あの道具を全部揃えるのに、
いくらかかったのだろうかと、頭の中では計算を始めていた。

そんなに高い物はないけれど・・・

しいて言えばスノーピークの椅子がいちばん高価かなあ・・・
いやいや、やはりギターでしょう・・


思いを巡らせているうちに湖岸道路。

一体どっちへ行けばいいのだろう?

「あ 人がいるで。」
「あの人に聞いてみたら?」

と、コタママは人を見るたびに言うが、

私には私の信念がある。


なんて、たいそうであるが、

道を聞くときには、人を選ばなくてはいけないのだ。
私的に言って、女の人より男の人。
おじいさんよりおじさん。
若い兄ちゃんより適度なおじさん。
怖い顔の人はだめ。

なんて、一人で道を行く人の品定めをしている。

どうして、女の人に道を聞いてはいけないかというと、
それは、
私が、道を教えるのが下手くそだからに他ならない。

時々道を聞かれることはあるが、
いつもあとになって、
「左折じゃなくて右折だった。」とか、
「あれはサークルKじゃなくて、サンクスだった。」
ということを思い出すのだ。

「果たして、あの人は目的地にたどりつけたのだろうか?」
「私のこと、恨んでいるだろうなあ。」
とか、思うとき、とってもかわいそうな気持ちになる。


だから、女の人には、道を聞かない方がいいと思うのだ。
(すべての女性を私にあてはめてしまうのはいかがなものか・・・)


そして、私の思い描いていた通りの
やさしそうなおじさんを見つけた。

迷わず、車を停めて道を聞く。


コンビニはすぐ近くにあった。


けれど、ランタン用のガスボンベは置いていなかった。

そして重要なことを思い出す。

どこかの水道で洗おうと思って、
わざわざ皮を剥いていた野菜を持ってくるのを忘れたのだ。

「なんで、忘れたん? うっそー! 信じられへんっ!!」
私は自分もすっかり忘れていたことを棚に上げ、
大事そうに電気の着かない懐中電灯を握りしめてきた
コタママに「野菜が洗えないショック」をそのままぶつけてしまった。

コタママは、そのおかげで、すっかり自分のせいだと
思いこんでしまったようだ。


野菜を忘れてきたとすれば、
「何かに水を入れて持って帰ろう。」と、水を入れる物を
コンビニで探したが見つからなかった。


コタママはコンビニのお姉さんに
「ガスボンベありませんか?」
「これじゃなくて丸いやつ。」
「水を入れるタンクはありませんか?」
と、容赦なく質問を浴びせている。

さすがである。

「あのう・・・この近くにホームセンターはありますか?」

ホームセンターに行けば、きっと水を入れるタンクを
売っているだろう。
それに、ガスボンベだってあるにちがいない。


「ホームセンターなら、その信号を右に行って、
5分くらい走ったところに・・・」

「えっ!? 5分で行けるんですか?」
思わず私も大きな声を出して聞き返してしまった。

「ええ。踏切過ぎたところにコメリっていう
ホームセンターがあります。」

「コメリ。知ってる知ってる。」
うちの田舎にもあるローカルなホームセンターだ。

「そうなんですかあ。ありがとうございますぅ。」
と、コタママは、手に持った乾電池をコンビニの陳列棚に
返しに行こうとする。

「えっ!? 返すのん?」

「だって、ホームセンターの方が安いやん!」

「それはないやろ。返したらあかん。」

二人のおばさんの会話は、しばし続き、
コタママはしぶしぶ乾電池をレジに持っていった。


そのあと、車に乗ってからも、
「ぜったいあそこで電池返してたら、コンビニの人に
なんちゅうやっちゃ!と思われたで。なっ沙羅?」

「そんなことないと思うわ。きっと
親切に教えてあげてよかった。って、思ってくれはるわ。
なー コタ?」

「いやそんなことないで。なっ沙羅」

「そんなことないわー。なっコタ」

と言い合う。

女友達の「歯に衣着せぬ」この会話。

これだからコタママと遊びに行くのは楽しい。


すぐにコメリに着いた。

「あかんわ これ。」

車を駐車場に入れるとき、その駐車場の狭さを一目見て、
直感したのだが、

案の定、欲しい物は何も置いてなかった。

「キャンプ用のガスボンベですかあ?
うちには置いてないですねえ。」
でっぷりしたおばさんが、面倒くさそうに答える。

コンビニにもコメリにも、
キャンプ用のガスボンベは置いてなかったが、
「ホワイトガソリン」は置いてあった。

エコロジーを考えるなら、きっと、
キャンプ用の燃料は、ゴミの出るガスボンベよりも
ホワイトガソリンにすべきなんだろう。

でも、今まで、一緒にキャンプした友達が使っていたので、
ホワイトガソリンのランタンやバーナーを目にすることはあったが、
やはり「ガソリン」は、「難しそう」。「危険」。というイメージがあって、
なかなか手をだそうという気にならないのだ。


仕方がないので、コメリにあった電池式のランタンを買うことにした。
(あとから思えば別にこの時どうしてもガスボンベを買うことはなかったのだ
「暗闇が怖いコタママ」に影響されてしまったのかもしれない)

「880円」というお値段が手頃であったからなのだが、
あとから「無駄な出費をしてしまった。」と
ぶちぶちコタママにこぼし、呆れられることになってしまうのである。


水を入れるタンクも私がイメージしていた「折りたためるタンク」は
置いていなくて、灯油を入れるような嵩張るタンクしかなかった。

コタママは「これにしようか?」と言ったけれど、
「次からまたこれ使う?今だけやったら勿体ないやん。」
と、私は言い、
結局コタママに麦茶を冷やすクーラーポットを
2つ買わせることになる。
「これやったら家で使うから。」と
野菜を洗えなかったのは自分のせいだと思いこんでいる?コタママは言った。
1コ 145円であった。

そして水を・・・

さっきのレジのおばさんに
「水を汲ませてもらえませんか?」とコタママが
聞いてみたら、
「うちはみんな井戸水やから飲めないし、
あとでお腹こわしたりしても困りますしね。」と断られた。

「あのおばさんはイケズそうやった。」
と私があとからぽつり。


コタママは懲りずに別のおばさんに頼んでいる。

そしてそのおばさんは
(その人もでっぷりしていて、私にはさっきのおばさんと
同じ人に見えたのだが)
快く、「いいですよ。上水道ですけどいいですか?」
と言って水を汲んで来てくれた。

「上水道ですけどって・・・・?」
「琵琶湖の水やから臭いのちゃうのん?」
「せやけど京都の水かって琵琶湖の水やろ?」
「そうやなあ」
などと、言いながら二人で待つ。

 車に乗り込むとき、コタママが両手に抱えたクーラーポットが
ぶつかり、なんと蓋がはずれてしまった。

「大丈夫?」
「大丈夫ちゃう。助けて」

と言いながら蓋を装着。

ところが、ポットのコックが二つとも
「出る」の方へ向いていたため、傾けたら水が出てしまった。

「あのおばさん。ちゃんと閉めといてくれたらいいのに。」
「ほんまや。売ったんやったら、それくらい知ってるやろに。」
などと、さっきまでの感謝の気持ちを忘れてしまう
厚かましい二人。

「でもよかったなあ。ズボンに防水スプレーしといて。」

(コタママはカッパの代わりにズボンに防水スプレーを
かけてきたらしいのだ。)


帰りの車の中では、またまた二人の憎まれ口が続く。

「そんな こんなも きっと あとになったら
いい思い出になるんやで。」

「そうやな。ギター盗まれてもな。」

「そうやろか?ギターはあると思うで。」

「液晶テレビ8万円。それから車の底打って3万円。
(前回来たときに道路の凸凹で車底を打ってオイルボックスが割れた
のを今回もコタママは期待している。コノヤロー!)
それから、ギターと、キャンプ道具一式と・・・」

と容赦なく私の被害額を並べ上げていく。


・・・・


さて、

何もかも 出て行った時のままのサイトにもどってきた。

時間は5時であった。


晩ごはんの用意でもすっか。


コタママは持って帰ってきた貴重な水で
野菜を洗ってくれた。

私が野菜を切っている間に、コタママは炭に火を熾す。

なかなか手際がよい。

そして、二人だけど賑やかな晩餐が始まった。


コタママが袋から取り出したソーセージを
沙羅が素早く横からぶんどる。

きゃーっ!

網から転げ落ちた熱いはずの
ジャガイモのホイル包みを沙羅がすかさず口にくわえる。

わおっ!!
げげっっ!

熱くないのん?


コタママがサンマをパックから出して、網に乗せようとした時、
箸からすべって、ポロッと地面にサンマが落ちた。
「大丈夫。大丈夫。」
と言いながら、網に乗せたところを
コタロウがペロッと味見をする。

わあっ!!


「もう それは、コタの分や。」

「いや。でもそっちの方が大きいから、
沙羅チームにあげる。」

「いやいや もうコタが唾つけよったから
それはコタチームのやつっ!!」


ぎゃーぎゃー 言いながら夜が更ける。



あーーーっ


お腹いっぱいだ。

残りの肉も全部焼いて、沙羅が平らげてくれたし、
散歩でも行くか。

二人と二匹でフラフラと散歩に出かけた。

浜には昼間には咲いていなかった黄色い月見草のような
かわいい花が一面に咲いていた。

沙羅はさっさと水に入っていき、何か投げてくれるのを待っている。

コタは死んだ魚の匂いに夢中になって
身体をこすりつけている。

ぎゃ〜〜ぁっ!!
やめてくれーーぇっ!!


ここでもコタママの悲鳴が轟くのであった。


テントサイトにもどってきて、
コタママがぽつんと言う。

「小さいテレビも持ってきたらよかったなあ。」

「そうだねえ ちょっとヒマを持てあますねえ。」
でもせっかくこんな自然いっぱいのところに来てまで、
テレビを見ることもないかなあ。


時間は8時を回っていた。

私はギターを持ち出し、
自分の好きな曲を勝手に弾き出す。
もちろん歌付きだ。

コタママにサザンの曲をリクエストされるが、
途中まで弾きかけて、やっぱりヤーめョ。と
また自分の好きな曲を弾く
(今度また練習しとくね)

コタママは近々受験をするというので
本を出して、勉強を始めた。

BGMは下手くそな弾き語りだ。

ふぁ〜〜 あ

眠くなってきたなあ

と、思って時計を見ると、なんと

10時半になっていた。

あっという間に時間が経つんだねえ。

歯 磨いて 寝よっか。



私は自分のテントにさっさと潜り込む。
沙羅はいつものように車で寝る。

コタママは今回のキャンプのために2人用のテントを
買ったのだが、一人で寝るのは怖いとか言って、
結局持ってこなかった。


私が雨でもし寒かったら・・・と、持ってきた
4〜5人入れるリビングシェル(本当は氷の上で釣りをする
のに使う「ワカサギ釣りテント」である)を持ってきたので、
そこにベッドを持ち込んで、コタと寝ることにした。

私は誰もいない山の中でも結構平気で寝る方なのだが、
コタママは怖いのだそうだ。
それから、虫も大嫌いなのだそうだ。

う〜む  都会っ子 である。

そりゃま 私は「田舎育ち」だもんねえ

でも、子供の頃は、青虫だって、カエルだって、平気で
触れたのに、大人になると触れなくなるなるのはどうしてなんだろう。

大人になっていく課程の中で、いろんな感触を指が覚えていって、
そして「心地よいもの」と「気持ち悪いもの」との区別が
できてくるのだろうか。

それは、大人になってピーマンやセロリや
サンマのハラワタなど「大人の味」と言われるものが
わかるようになることと似ているのかもね。

などと、

牛乳が嫌いで飲めなかった子供の頃を思い出しながら
眠りにつく。


夜中の12時頃、
テントにあたる雨の音で目が覚める。
雨が降ってきたらしい。

サイトに張ったタープのことが気になって起きてみた。

タープの片方を地面にペグダウンすると
景色が見えなくなるので、上へ引っ張り上げて
いたのだが、案の定、タープの上に水たまりができて
たわんでいた。

松の木にくくっていたロープをほどいて地面に打ち直す。
(ほんとは、こんな松の木にロープをくくりつけちゃ
いけないんだけど・・・松の木さん ごめんなさい。
今度来るときはちゃんとポールセットを増やしておきます)
松の木に手を合わせて、椅子に座り、寝ぼけた頭で
おもむろにクーラーボックスからおにぎりを取り出し、
食べ始める。

バーベキューでおなかいっぱいだったはずなのに、
なぜか夜中になると、お腹が減って眠れなくなってしまう。

それから
テントにもどって、寝直す。


朝。

5時頃。トイレに行きたくなって目を覚ます。

やっぱり雨が降っている。

まだまだ寝たりない感じだ。
トイレをすませてまた一寝入り。


次に目が覚めたら7時前だった。
コタママとコタはもう起きているらしい。


テントから出て行って話をしていると、
車の中から沙羅がワンワン吠え始めた。
「早く迎えに来い。遊ばせろ。」と言っているのだ。


誰もいないのはいいことだ。

沙羅をリードにつながずに、好きなように走り回らせた。

朝のウンチもすませて、まずは朝ごはんである。

沙羅とコタに先に食べさせ、
私とコタママはコーヒーと紅茶を入れ、
私はパン。コタママはおにぎりとサンドイッチを
食べる。

バーナーの上に石綿で出来た網を乗せ、
パンを焼いて食べる。
少し焦げたけど、おいしかった。


雨だねえ。


昨日も朝はこんなんやったんかなあ?


私はまだ寝たりなかったので、
「雨やし、昼寝でもすっか?」
と提案し、
またまたテントに潜り込んだ。


よく 眠れるなあ・・・


何度か、引き込まれるように眠りに落ちていったあと、
すっきりと目が覚めた。


雨は止んでいた。


お昼ごはんどうしよう・・・・?


また コンビニ行くか?

「しかし、私ら コンビニのないとこには、
キャンプに行けへんのかなあ」
「ははは もうちょと修行がいるなあ。」
「今度来るときは装備も万全で、食料ももっと買い込んで来ようね。」


などと言いながら、お昼ごはんを買ってきて食べた。

「でも おなかぺこぺこの時に、好きな物買ってきて
食べられるって、幸せやなあ・・・」

「そやなあ」

「私なんて作るのめんどくさかったら、食べへんもん。」
「そのへんのお菓子食べとくかも・・・」

主婦ならでは?の会話をしたあと、

また水遊びをする。

私は水着を持ってきていたので
テントで着替えて水に入る。

ひゃ〜  あ   つめたー!

最初は足先だけ、次に足首まで・・・
ちょっとずつ、ちょっとずつ 水に慣れさせていって、
やっと腰まで浸かることが出来た。

コタロウは水は嫌いではないのだが、
子供の時におぼれかけた経験があるため、
足の着かないところへは行けない。

それを無理矢理「コタ さ 行こ  行こ 」と
強引に水に引きずり込み泳がそうとする。

2〜3回繰り返すと、一旦水に入ってしまえば
沖にコタママが投げたペットボトルも取りに行けるようになった。

でも、自分からは入っていけない。

そのうち、私を避けるようになってきた。

コタの水に対する恐怖心を克服するには、まだまだ時間がかかりそうだ。


サイトにもどってしばらくぼーっとしたあと、
そろそろと片付け始める。

雨で濡れたテントも逆さまにして乾かす。

キャンプの片付けは、いつも少し淋しい。

コタママは明日も休みを取ってるらしい。
「明日も休みだったらなあ・・・」

キャンプで一番好きな時間は、
すがすがしい朝の空気に目覚める時と、
夕日が傾いて夜が降りてきてそして
「明日も遊べる」って、思う時。


ちょっとでも長くここにこうしていたい。と思う私とは
正反対に、コタママはせっせと片付けに励む。


すべてを車に詰め込んで、沙羅もコタも乗り込んで、
楽しいキャンプをあとにした。


楽しかったなあ



コタも沙羅も私の車も
死んだ魚の臭いがプンプンしていたが、
それもまた楽しいキャンプを思い出す
笑顔の材料になるだろう。




コタママさん ありがとう