2003.5.18

ミックスジュース

このところ、日記の話題が私の「買い物記録」になってきているが、
またまたこれ、「ミキサー」なるものを買っちゃったお話である。

私は「ミキサー」というものを嫌っていた。

あの重くて無骨なガラスの大ジョッキのようなもの・・・

後始末が面倒で、洗うのもめんどくさい
キッチンに置いてあっても邪魔で、見たくもない代物であった。

なのに、

どうしてだろう
大型電気店で、「ちっちゃなかわいいミキサー」を
見てからというもの、なんだかとっても 「気になる存在」になってしまったのである。

私は買いもしないのに、時々これを見に行った。

そのミキサーは、聞いたこともないメーカーの物であったが、
とっても小さくて、かわいいデザインで、
400ccのジュースができる。

そのうえお値段も2980円。とお手軽であった。

果たしてこれを買ったとして、
「これでジュースを作るだろうか?」

これをどれくらい使うだろうか?

ただの衝動買いで終わらないだろうか?

私はそのミキサーを眺めながら、何度も何度も自問自答を繰り返した。

そして、5度目くらいに見に行ったとき、

なんと

愛しのミキサーは、


残り1台

と、なっていた。

おおっ

これは


買わねばなるまい。


そう思ったあとも、
私はミキサーを何度も手に取り、
裏返したり、箱の説明書を読んだり、
隣のミキサーと比べてみたり・・・

一体、これが果たして
「衝動買い」と言えるだろうか?

こんなに真剣に検討して買い物をするなんて・・・

いや、たいてい私が物を買うときは、
これくらい悩んでしまうのだが・・・


「いいな」
と、思ったら、自分を止めることが出来ない。

その場ではあきらめても結局いつかは買ってしまう事になる。

いつもそうだ。

まあ、「一目惚れ」というところだろうか

私は自分のその性格が嫌いで・・・
(なんだか「物欲に捕らわれたあさましい人間」
になってしまったような気になるからだ。)

なんとかそんな自分の「物欲」に思いとどまるよう、
言い聞かせようとするのだが、

結局

買ってしまうのだ。


けれど、

そこまで惚れ込んで買ってしまった物は、
やはり私のお気に入りになる。

服でも物でも
何度眺めても飽きるということがないし、

7〜8年前お店に飾ってあったのに一目惚れして、
買ってしまった「オーバーオール」は
(その時は一旦あきらめて帰ったのだが、
夢の中にまで出てきて、結局買いに行ったのだ)
いまでもタンスの引き出しに大事にしまってある。


そうやって結局買ってしまったミキサーには、
ミキサー機能の他に、ミル機能がついていた。
ちょうど、テレビで緑茶の「カテキン」が身体にいい。
と、やっていたところだったので、
これでお茶っ葉を粉にすることもできる。


ミキサーを買ったその日にバナナと甘夏みかん
を買ってきて、ジュースを作った。


おいしいっ!!


バナナと夏みかんと牛乳を入れたこのドロドロとした
ジュースは、実は子供の頃、お父さんに
「飲むか?」と言われて

「いらない。」と顔をしかめたジュースであった。


子供の頃、ドロドロしていて気持ち悪く、飲む気にならなかった
このジュースであるが、

クリーニングのお店番の仕事をしている時、
なじみのお客さんに、近くの喫茶店から
ミックスジュースを差し入れしてもらうことがあり、
それを機に、すっかり好きになってしまった。


このジュースは、氷を入れて冷たくして、そしてストローで
飲むのがおいしさの秘訣である。

けっして、ストローを使わず、ドロドロののままを
直接飲んではいけない。


ストローで飲むと、バナナのつぶつぶが舌に当たり、
そして、

ああ いまフルーツを飲んでいる。

という実感がするのである。



それにしても あの時、

父はどんな気持ちで
バナナのドロドロジュースを飲んでいたのだろうか?


もしかしたら、
私がまだその頃行ったことのない喫茶店に
父は行くことがあり、「ミックスジュース」の味を
知っていたのかも知れない。

父はよく、衝動的に電化製品などを買って来る人だった。
(衝動的に・・・と、私が思っていただけかもしれないが・・・)

通販で「手打ちうどん一式」を注文したり、
ジョギングをすると言ってウェアを一式揃えてみたり、
(そのくせその一式は一度しか登場したことがないのであった)



父に似てきたのかなあ・・・

と、何かにつけて思うこの頃であるが、
少なくともミキサーは今も使い続けているし、
圧力鍋も大活躍しているし・・


「衝動買い」ではないのである

ぜったい!